A Mid-level (Middle-aged) Office Worker’s Laid-Back Industrial Revolution in Another World
Episode 507: An example inn in the west town of Wang Du. (Relax time for the 2nd Crown Prince family, Takeo and Alice. )
支配人達が去り、王家の皆が「じゃあ、寝るか。」と各々の部屋に戻って来ていた。
「エイミーお姉様が羨ましいです。」
寝間着に着替えたクリナがエイミーに向かって言ってくる。
「え?私?クリナ、どうしてそう思うの?」
「え?だってエルヴィス家のスミスと付き合うのでしょう?
エイミーお姉様はこのような料理を毎日食べられるのですね!だから羨ましいと言ったんです♪」
「いや・・・ちょ・・・ちょっと待ってね?クリナ。
まだ私はスミスに会っても居ないし、付き合うともい・・・言っていないわよ?」
エイミーが慌てだす。
「え?だって馬車の中でエイミーお姉様が読んでいた本が『つき」
「だーーーーー!!!!!クリナ!それ以上は言ってはダメよ!
お父さまにもお母様にも誰にも言ってはダメです!!」
「え?ダメなのですか?」
クリナがキョトンとしながらエイミーを見ている。
「ダメです!」
「クリナ、俺には後でこっそりと」
「父上!!」
「クリナ、言わなくて良い・・・」
ニールがうな垂れながら言う。
「気になるわよね~。」
リネットが料理を食べた時のショックから立ち直り会話に参加する。
「あの・・・エイミーお姉様・・・ごめんなさい。」
クリナが涙目になりながら言ってくる。
「クリナ・・・誰に言っちゃったの?」
エイミーが恐る恐る聞いてくる。
「アリス様。」
「な!?」
「だって言ってはいけないとは思いもしなくて・・・宿内を散策していてエイミーお姉様がトイレに行った時にアリス様と会えたからいろいろ話しました。」
「ア・・・アリス様なら平気よ、クリナ。
でもそういった事は私が居る時にアリス様に話してくれるかな?」
「エイミーお姉様、怒っていませんか?」
「怒っていないわよ。むしろ!まだ!アリス様で良かったわ・・・」
エイミーがため息をつきながら言う。
「わかりました・・・今後は気を付けます・・・」
クリナがショボンとしながら頷く。
「もう・・・大丈夫!私は怒っていないわ!
クリナ、大事なのは次に失敗しない事よ!」
エイミーがクリナを抱きながら言う。
「はい、わかりました。」
クリナは少し元気になったの微笑を向けて頷くのだった。
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武雄とアリスの部屋にて。
武雄達も早々に夕飯が済んでしまっていた。
武雄が調理を終えて皆が居る部屋に付いた時は鈴音とエリカとカサンドラは感涙しているし、マイヤー達とヴィクター親子は武雄の横で正座して頭を垂れているし、工房の面々は土下座していた。
チビッ子達とアリスは武雄にべったりだ。
結果、皆から「これからもよろしくお願いします!」と懇願されていた。
で、今はお風呂も入り終わり、チビッ子達を寝かしつけ武雄とアリスはベッドでゴロゴロしている。
「タケオ様、美味しかったですぅ~♪」
アリスは至福の時を満喫している。
「ふふ。アリスお嬢様、さっきからそればっかりですね。」
「お肉もいつものオーク肉とは違って柔らかくて油も甘くて・・・はぁ・・・凄いです。
それにウスターソースもカレーソースも絶品であのナンというパンも少し牛乳の風味が柔らかく感じて・・・はぁ・・・何て美味しい物を食べたんでしょう♪」
「はは、絶賛ですね。」
「はい!私の中ではタケオ様が作り出すプリンに次いで最高品の一角を占めます!」
「ポクポクの肉は美味しかったですね~。」
武雄も満足そうに言う。
「ポクポク?そう言えばタケオ様が食べる前にそんなことを言っていましたね。」
「ええ。言いましたが・・・皆さん早く食べたそうで聞いてくれていませんでしたね。」
武雄が苦笑しながら「凄く殺気立った『説明なんかどうでも良い』感があったよね」と思う。
「あの肉はゴドウィン伯爵領で飼育されているそうです。」
「え?お隣じゃないですか・・・
こんな美味しい肉があるなんて知らなかったです。」
「ポクポク肉はオーク肉の5倍の価格で取引されているそうですよ。」
「ご・・・5倍ですか!?
あまり頻繁に食べれないですね・・・」
アリスは見るからに落ち込む。
「ふふ、平気ですよ。
私達は私達で美味しい物を作りましょう。」
「え?タケオ様、このトンカツのような物が作れるのですか?」
「全く同じではないでしょうが・・・鶏肉を使おうかと。
トリカツですね。」
「鶏肉・・・あ!各村の養鶏場の経営計画ですね!」
「はい。卵も欲しいですが、鶏肉も使いましょう。
鶏のモモ肉は揚げ物に胸肉はサラダや炒め物にしてみるのも面白いかもしれませんね。」
「タケオ様にかかるといろんな料理が出来上がりそうです♪」
武雄は「コロコロ表情を変えて可愛いなぁ」とアリスの頭を撫でながら思う。
・・
・
「あ、そうだ。クリナ殿下から聞いたのですけどエイミー殿下が少し本気になったそうです。」
「何がどう本気になったのですか?」
「スミスとの出会い方法を考え始めたような事を言っていました。」
「・・・何です?出会い方法って・・・凄く嫌な予感がするのですけど・・・」
武雄が考えながら言ってくる。
「いや・・・クリナ殿下が言うには何でしたっけ・・・確か付き合い始める方法だか何だか・・・」
「・・・少し時間を置いてから本は取り上げましょうか。」
「ええ、ああいった本の中身をそのまましても・・・・」
武雄とアリスが微妙な顔をする。
「むしろスミス坊ちゃんにどう教えるかが私達の課題ではないでしょうか?」
「あぁ、タケオ様もそう思いますか?
スミス・・・奥手なんですよね・・・
外にもあまり遊びに行かないし、女性から言い寄られているのがわかるのか・・・」
「これはウィリアム殿下に聞かないといけないですかね。」
「殿下にですか?」
「ええ。末っ子のウィリアム殿下がどうやってその辺の知識を手に入れたのか聞いておいた方が良いでしょうね。」
「そうですね。
タケオ様、お願いします。」
「わかりました。
さて、明日は王都に到着ですね。
寝ましょうか。」
「はい。」
武雄とアリスが布団をかぶり寝始めるのだった。