A Mid-level (Middle-aged) Office Worker’s Laid-Back Industrial Revolution in Another World
Episode 870: Takeo's Walk. 7 (Exploring Takeo and Gina's Grocery Store.) and after my men.
寄宿舎を後にし、武雄とジーナは散策に、アーキン達部下は第八兵舎に戻っていった。
「ご主人様、皆に何も説明せずに豆を買って、寄宿舎に置いてきましたが良いのですか?」
ジーナが聞いて来る。
「ええ。何も言わなかったから説明しなかったのですけど。
まぁ私がしているので『また何かしているよ』と見ていただけかもしれませんね。」
「それでよろしいのですか?」
「良いですよ。
聞いてこないのは自分達で何か考えているのでしょう。
それよりもジーナ、当分は会えませんからね。何か食べたい物はありますか?」
「え!?良いのですか?」
「ええ、構いませんよ。
ジーナが食べたい物を作ってあげますよ。
それはアリスお嬢様も食べたい物でしょうしね。」
「じゃ・・・じゃあ、プリンを・・・」
ジーナが申し訳なさそうに言ってくる。
「プリンですか?」
「はい・・・その・・・ご主人様に初めて食べさせて貰ったのがプリンでその衝撃が忘れられません。」
「ふふ・・・あはははははは♪」
武雄が楽しそうに笑う。
武雄的には「カレーとか肉とかいろいろあるだろうに・・・最初を大事にしてるのか」と嬉しかった。
「ご・・・ご主人様!?」
「わかりました、良いでしょう。
今日のデザートはプリンでいきましょう。
それに合うような夕飯にもしましょうね。
どうせ王家の人達にも出すのですけど・・・少し寄り道して帰りましょうか。」
「はい!」
武雄の後ろをジーナが嬉しそうに付いて行くのだった。
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こっちは王都の第八兵舎。
「いや~、疲れた疲れた。」
アーリスが自分の席に座りながら言う。
「「お茶を淹れました。」」
アニータとミルコがお茶と茶菓子を用意して皆の各机に持っていく。
「アニータ、ミルコ、ありがとう。」
アーキンが書類を書いている手を休めてアニータとミルコに礼を言う。
「「はい。」」
2人とも返事をする。
「はぁ・・・さてと、さっきの報告書でも書くか・・・
えー・・・えー?・・・何書くかな?」
アーリスが悩む。
「・・・包み隠さずでしょう?」
ベイノンが言ってくる。
「それはそうだが・・・時系列で書くか。」
「それしかないでしょう。」
周囲監視班の面々がアーリスの周りに集まるのだった。
「ブルックさん。」
ミルコが紙を持ってブルックの所にやってくる。
「ん?どうしたの?」
「僕達も報告書を書くのですか?」
「書かなくても良いわよ。
今日行動して班長をしたのは私とアーキンとアーリス殿だけだから、この3人が小隊長に報告書を出すわ。
ミルコとアニータは日報を書いてね。」
「えーっと・・・今日やった事の列記と感想でしたよね。」
「そうそう。」
「わかりました。」
ミルコが頷いて自分の机に戻るのだった。
「さてと、私も報告書書くかな。」
ブルックも用紙を取り出して報告書を書くのだった。
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こっちは雑貨店。
武雄達は食材を買った後に寄り道をしていた。
「ご主人様、ありました。」
「ありましたか。」
カウンターで店主と話していた武雄にジーナが話しかけて来る。
「こっちです。」
ジーナが先導して目的の場所に行く。
・・
・
武雄はジーナに控えめな装飾がされている小箱が売られている一角に連れて行かれる。
「おぉ、いろんなのがありますね。」
「はい、ご主人様。
それでなのですが・・・少し離れてよろしいでしょうか?」
「何か買うのですか?」
「はい。屋敷の皆さんから王都に行ったら髪飾りを買って来て欲しいと言われています。」
「お土産ですか。
良いでしょう。はい、これくらいあれば足りますかね?」
武雄は革袋から金貨30枚をジーナに渡す。
「ご主人様・・・こんなには・・・」
ジーナが金貨を見ながら言う。
「あはは。良いんですよ。
他人の好みがジーナの好みに合うとは限りません。
ジーナの好みの物も好みでない物も一緒に買っておくべきでしょう。
髪飾りは多くあって困る物ではないでしょう?
皆が取って残ったらジーナが使えば良いだけですからね。
あと地味目な物も良いですが、少し煌びやかな物も選んでおくと良いと思いますね。」
「そうなのですか?」
「ええ。今度、私とアリスお嬢様の挙式がありますからね。
お客様を出迎えるのなら少し煌びやかな物を用意しておくのも手です。
いらないと言われればそれまでですが、こういった選択肢は多くあっても困りませんよ。」
「わかりました、選んでみます。」
「はい。私はここかカウンターに居ると思いますから終わったら言ってください。」
「はい。」
ジーナは武雄から離れて髪飾りを探し始める「ん~・・・髪飾りも奥が深そうです」ジーナは歩きながら考えるのだった。
・・
・
十分後。
「小箱は・・・うん、この素っ気ない物で良いでしょうかね・・・数も十数個あれば問題ないでしょう。
・・・あとはパイプの葉か。これは詰めて帰ろうかな。
ジーナは・・・まだ来ない所を見ると探しているみたいですね。」
武雄がカウンターに向かうのだった。
「あ、ご主人様。」
カウンターにはジーナが来ていた。
「どうしましたか?」
「はい。数十個決めたので箱に並べて貰えるようにお願いしていました。」
「すみませんね、大量販売なんてしないでしょうに。」
武雄が対応していた店長の男性に頭を下げて礼を言う。
「いや~お客様方、この度は大量購入ありがとうございます。
値引きも頑張らさせて貰いますからね。
王都に来られた際はまたのお越しをお願いします!」
店長が深々と頭を下げる。
「あ!値引きをして貰えるのですか!?
なら欲しいのがあるのです!」
「ええ。頑張らせて頂きますよ。
まずはその商品をお持ちください!」
「はい!」
ジーナがまた髪飾りの場所に小走りで戻っていく。
「えーっと・・・私の方がこの小箱をあそこにある分を全部ください。
あとこの場でこの箱にパイプの葉を入れます。」
「えーっと・・・この箱をあるだけですね。
すぐにお持ちしましょう。
パイプの葉は4種類の取り扱いがありますが、どういたしますか?」
「下から2番目をください。」
「はい、すぐにご用意します。
おい!パイプの葉を持ってこい。
他にはありますか?」
「あ、この短刀は何でしょうか?」
武雄が店内の壁に飾ってあった細い短剣を持ってくる。
それは刃渡り20㎝程度の海軍士官が所持をしていたような出立の短剣である
見た目は黒い木の剣を差し込むところと底に金の装飾がされていた。
明らかに実用性というものを考えられてはいない一品だった。
「あぁ、それは装飾としての短刀ですね。
鞘から抜くとわかるように中はガラスで刃が無くてですね。
あくまで腰に付けて置く飾りですね。」
「へぇ・・・何に使うんでしょうか?」
「何も使えませんね。
服の一部、指輪とかペンダントより下です。
由来としては執事が王城内に入る時に装備を受付に預けるのでその代わりに腰に吊るしたそうです。
主人の見栄なのではないですかね?」
「なるほど・・・じゃあこれも頂きます。
では、さっきの小箱と葉っぱをお願いします。」
「はい、畏まりました。」
店長も動き始めるのだった。