Another Arcadia Online
The Spirit King of Despair and Hate ③
ミキがそう簡単に負けてくれるはずもない。
私たち総出で挑んでいてやっと押しているくらい。ともかく並みのボスより厄介だよ!
ともかく魔法が痛い! なに一撃当たっただけで瀕死になるの!? 意味わかんないほど高威力なんですけどねえ!?
これバランスおかしい!
「……阿修羅ぁ!」
「あっ、それさせちゃだめだっての!」
「くう……! ラスボスと戦っているような感じだぞ」
プギーさんが必死に回復してくれている。情けをかけているのかプギーを狙おうともしていない。単に狙うとその分隙を作らせちゃうだけかも。
ミキのことだから……。
「ミキ。本気出してないよね?」
「……ばれた?」
「そら、完全に避けられる攻撃ばっかりだもん」
「……まあね。ここで負けイベにしたくないし……」
負けイベにはさせたくないか。正直嬉しいけど、ミキが私たちにやられたら一日はデスペナルティがあるんだろう?
「ってか、本気じゃなくても辛いからね! 本気になると周り見えなくなると思うし、それにさ、こう、疲れてるときに本気になれない……」
本気にならないのもわけがある。
疲れてるのだろう。この人数相手に。消耗させているってことだ。
「んじゃ、もっと疲れさせるぜ!」
「え、ええ?」
「これ、なーんだ?」
「爆弾?」
私は懐の爆弾を見せる。
もちろんこれはソゥに作ってもらった特製の爆弾。というか、ミキはソゥに絶対攻撃しない。ソゥも立ち向かっているけど、魔法を絶対当てていないのだ。なんというファン精神。
まあ、それほおいておいて。この爆弾。実はだね……。
「まあ、見てろよッ!」
私は爆弾を投げて目を塞ぐ。ミキ以外にはそれを伝えている。逆を言うと、ミキは知らないのだ。この爆弾。閃光爆弾を。
「うああ……! 目がっ……!」
ミキは目を抑えている。
「ポリゴンショックだこれは!」
「懐かしいなあおい!」
ポリゴンショックってなんだそれ!まあいい! 隙ありだ!
「叩き込めえ!」
「おうよ!」
そして、あっけなくミキとの戦いが終える。
ミキはロトさんが斬って終わった。
そして、ミキと待ち合わせをする。閃光爆弾で謝りたいからね。
あれはさすがに急にやるもんじゃないよ。一応目をくらませる効果があるだけだしそれほどちかちかはしないはず。けど、いきなり光ったらビビるだろう。
でも、ミキだったら光った瞬間に目を閉じていると思う。
ミキって不意打ちに弱いのは知ってたけど対処はできるんだ。すぐに見て避けるから。考えて動くんじゃなくてそれだけは反射神経で動く。
だけど、それだけでも対処できないのが爆弾。
逆に見たらだめなんだよあれ。
少しでも見たら目がくらくらする。光る時間は5秒。相手は30秒間目がくらんだまんまになる効果がある。
「お、ミキがきた」
「チリン~……」
「ごめんね。眩しくなかった?」
「目の前が真っ白になった」
「それが閃光爆弾の効果だからね。あれは見ちゃダメなんだよ」
「そっかあ……。見ちゃダメっていうのは私ダメなんだよな……」
どうやらミキもわかっているらしい。
見ちゃダメっていうのがミキの最大の欠点。見ることで躱したりしているけど見ないと躱せないからね。気配を感じ取ることはできてもどこから攻撃が来るのかはわからないのがミキ。
ようするに目を潰せってこと。
そして、幽霊でも見せておけばさらに効果アップ。逆に蛙はダメ。パワーアップするから。蛙はトラウマスイッチオンしちゃうからねえ……。