店の一日の売り上げは89万。

滑り出しとしてはものすごくいいほうだろう。材料は私たちが調達して造っているのはカティさんたちなので分け前はそれぞれ三分の一にすることにした。

そして店をしまい、カティさんにお金を渡す。

「ちょうどいいところね! 私またこれ作ったの!」

と手渡してきたのはパチンコ。

それもスリングショットみたくものすごく威力が出るであろうもの。スリングショットはもともと狩猟用に作られたものだったっけ。

というか、ほぼ金属だけど……。

「ゴムは私たちで作ったのよ。金属はローイだけど」

「よく作れましたね」

「苦労したわ。だけどこれいいわよ。面白いし」

と打つ真似をしていた。

「これ玉。なくなったら私のところかローイのところにいってね」

とそういうわけでスリングショット、装備しました。

射的は結構得意なほうだ。

祭りで射的をやるが結構な確率で当たる。運がいいのか自分の腕なのか。ほぼ運だけど結構当たる。だから心配はないんだけど……。

私の場合遠距離なら対策できてるんだよなぁ。まあ、このスリングショットは物理だし使い分けはできそうだけどね。

「そこだっ!」

まずは練習がてらに最初の街の平原でカモシカを狩ることにした。

放った玉は左に大きくそれた。

「当たらないかぁ」

遠ければ遠いほど狙いがつけにくい。動物だって動くからそれを計算してうたなくちゃいけないんだよね。頭がいるなぁ。近くならいいんだけど。

もうちょい近づいて……。あ、いや、射撃の精度を高めるなら必死にうっていたほうがいいな。遠くからね。

「今度は外さないぞ」

コツをつかめればなんとかなりそうな気はするんだ。

コツをつかむまでが大変っていうかね。反動が強いから上手く扱えないのもある。

「そこっ!」

私は目いっぱい引っ張り手を離した。

照準はカモシカの胸の部分。当たるか! あ、あ、当たったぁぁぁ!

やっと一発当たった。

当たったカモシカは息絶え、経験値と素材が手に入った。カモシカの経験値は微弱なものだからもうあまり変わらないけど当たったという事実が超嬉しい。

これを必中……とまではいかなくても99%の確率で当てられるようになったらすごいだろうな。

それをするのは練習と緻密な計算力。脳トレでもしようかな。私の脳年齢は何才だろうかしらないけどさ。