Another Arcadia Online

Book of Reincarnation ①

悪魔喰いを討伐し、すぐにアナウンスが流れる。

《ワールドクエスト:人間の欲、悪魔の幸せ を達成いたしました》

《新たな種族を追加されました》

《新たな王が追加されました》

久々に聞いた。

多分追加されたのは悪魔という種族。で、悪魔王……ベルゼブブみたいな王が追加されたのだろう。ワールドクエストで王を追加。

厄介だけどちょっと達成感もある。

未だに王は全員揃っていない。

勇者、魔王、獣王、不死王、妖精王、精霊王、機械王、竜王、吸血鬼の始祖……。あと一人足りない。いや、悪魔王が追加されたと思うしあと二人か。

あと一人の王。たぶん鳥王だよね。これも私が解放したからわかるんだけどさ。

鳥の王と悪魔の王がまだ誕生していない。

リセマラのチャンスじゃ……。あ、いや、私はしないよ? 精霊王になってるしね?

「何はともあれ討伐完了! さ、ベルゼブブの宝を見に行こうか!」

「こっちだ」

ベルゼブブは歩き出す。

宝物庫には結構な財宝があった。

売ると高く売れそうなのでもらっておくのと、一つ気になるものがあった。なんだこれ。転生の書……。鑑定してみよう!

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転生の書

使用すると一度だけだが違う種族に生まれ変わる。レベルが1に戻ってしまうがステータスはちょっとだけ引き継ぐことが可能

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……はい?

転生の書だって?

「めぼしいものはあったか? ならば帰るぞ」

ベルゼブブがそういうのでひとまず帰ることにした。

ギルドに戻り、転生の書を眺めてみる。いや、ええ……。私は使う気ないんだけどこれ手に入ったかあ。誰にあげようか悩む。

日頃のお世話になってるからってチリンにあげてもいいんだけど、それだと他の人が嫌だと思うし……。それより、王だよね。

王になれないとは書いてないし、最初選んだとき見たくランダムで選んだら王になれる可能性ももしかしたらあるかもしれない。

悪魔王が追加されたんだ。あり得る話だ。

「ニル、マグダッド、マシュマロには与えられないな」

せっかく王を引いた三人だ。転生なんてしないだろう。

「どうする?」

……とりあえず相談してみよう。

チリン達がいるところに行くと珍しく全員揃っていた。みんなでしゃべっていてとても楽しそうにしている。私もそれに混ざろうと椅子に座った。

……って混ざっちゃだめだ!

「みんな聞いて!」

「ん?」

「どうしたのミキ」

「ミキおねーちゃんどーしたのー?」

一気に視線が来る。

私はイベントリから転生の書を取り出した。

「実はあるクエストで転生の書ってやつを手に入れた。ほしい人?」

すると、あちこちから手が上がる。

ジャンヌ、チリン、エルルゥ、アガルタ、シャンバラ、マーヤ……。こんだけ? いや、いいんだけど。

「……一個しかないからじゃんけんで決める?」

「「「「「じゃーんけーん……」」」」」

じゃんけんするの早いなあ。っていうか、私としてはマーヤが参戦するのは意外だな。

「私ね」

勝ったのはマーヤ。

ちょっとうれしそうだ。私はマーヤに手渡す。

「……ありがと。早速使ってもいい?」

「いいよ」

「わかった」

そして、使用した。

何の種族選ぶんだろう。せっかくだからランダム選んでくれないかなーなんてね。

そして数分後。マーヤがまた現れた。

外見に変化は特にない。次にステータスだ!