Another Arcadia Online
I created this world.
サーザ村に入り聞き込みをすることにした。
「お嬢ちゃん旅人かい? いいときに来たねえ」
と、声をかけたお兄さんがそう言ってくる意味がわからない。
その時村の入り口から誰かがやってくるのが見えた。ローブをかぶった人で、フードを外した。金髪が風になびいている。女性?
「魔法使いさんがやってきたんだよ。本物の魔法が見られるぞ~」
本物の、魔法?
この言葉から察するにこの世界では魔法は誰しもが使えるものじゃないのか。魔法使わないでどうやってモンスターを倒すのだろう。
「すいません。村長さんは居らっしゃいますか?」
女性の魔法使いはそう尋ねてくる。
男の人は指をさした。「ありがとうございます」と女魔法使いの人はあたまを下げて私の後ろを通り過ぎる。綺麗な人だなぁ……。
と、こんなことしてる場合じゃないな。
「魔法使いってこの村でどういうことするんですか?」
「まぁ、主にアルテナ様へのお祈りだとかだね。今年も一年豊作でありますようにとこの村に魔法をかけるんだよ」
「アルテナ様……」
この世界もアルテナ様管轄なのか?
……最近作ったわけでもなさそうだしな。アルテナ様がいたら……。
「アルテナ様はすごい神様なのですか?」
「ああ。この世界を創ったとも言われていてね、力がある神様なんだよ」
なるほど。
この世界もアルテナ様が創った。けどこっちに来てる様子もなさそうだしな。創ったまま放置してるわけじゃなさそうだしな……。
「ありがとうございました」
私はお礼を言ってその場を離れた。
そういえば、知ってそうなやつとか数人いるよな。というわけで召還してみましょう。ガブリエル、ウリエル!でてらっしゃい!
と、二人の天使を召還すると、二人が傅いたままでてきた。
「ミキ様なんでしょう? ……ってここは」
「知ってる? ここがどこか」
「昔アルテナ様が創った世界ですね。今はウリエルが管理してますが」
「…………」
ウリエルが目を背けていた。
何かやましいことがあるんだな?
「ウリエル。何か隠してるでしょ」
「……いへっ」
へってなんだよ。裏返ってるし嘘つくの下手くそかよ……。
「正直に」
「……はい」
ウリエルは地面に座った。何か反省するのか正座をしている。
「……ちょっと仕事が多すぎてここ数百年ろくに管理出来てないというのが現状で」
「…………」
「私だってやろうとは思ってるんです! ただ、ミカエルとかガブリエルの仕事をしてて忙しくて見る時間がないというか……。見るとなると徹夜する羽目になるというか……」
と、ウリエルが弁明を始め、私はガブリエルのほうを見るとガブリエルは口笛を吹いていた。おい。ウリエルだけが悪くないだろ。ガブリエルも十分悪いだろこれ。
「数百年も仕事任せてたの? ガブリエル」
「……はい」
ガブリエルもその場で正座した。