翌日、学校で昨日のことを話してみる。
「プールの大きいやつを作ったんだ。これで妹に泳ぎを教え始めたんだよ。もしもの時も安心だよね。みんなも泳いでみない?」
「カ、カース、まさか妹さんを裸で泳がせたの?」
アレックスちゃんが信じられないものを見る目で見てくる。
「いやいや、服を着たままだよ。そうでないと意味がないからね。前に言ったかな?
人間が溺れて死ぬのって服を着たままだと泳ぎにくいからなんだって。だから服を着たまま泳げるようになっておくことが大事なんだよ?」
「へぇーカース君にしては真っ当なことを言うのね。一理あると思うわ。暑くなってきたし、服を着たままなら私も泳いでみようかな。万が一の時、溺れて死ぬのも嫌だし。」
サンドラちゃんらしい建設的な意見だな。
「サンドラちゃんが行くなら私も行こうかな。泳ぎに興味がなくもないわ。」
アレックスちゃんも乗り気か。
「泳ぎはともかく水遊びは面白そうだね。僕も行こうかな。」
おっ、セルジュ君もか。
「スティード君はどうする? 父上によると騎士は鎧をつけたまま泳ぐこともあるらしいよ。」
「行く!まずは服のまま泳げようになっておきたい!」
ふふふチョロいぜ。
これで全員参加か。
これで私だけが変人と呼ばれることもない。道連れだ。ふへへへ。
放課後ではあまり時間がないため、次の休み、デメテの日にうちに集合することになった。セルジュ君は妹も連れてくるらしい。
これでキアラにまた友達ができるな。
ちなみにデメテの日は土曜日、パイロの日は日曜日にあたる。学校は週休二日なのだ。