ある週末。とある貴族の邸宅ではお茶会が開催されていた。

「やっぱり来ないのか……君達みたいな素敵な女の子が誘っても来ないなんて、やっぱりあいつは高慢女だね。」

「え、ええそうね。貴方達みたいなイカした男の子が待ってるとも知らず……馬鹿な女よね。」

「あの女はきっと、君の前では自分が霞んでしまうことを恐れているのさ。」

「いいえ違うわ、きっと貴方のような魅力的な男の子に惹かれてしまうことを恐れているんだわ。」

アレクサンドリーネとカースを呼んで酷い目に合わせる目的で開催されたお茶会だが、あの二人が全然来ないので苛立つ者が多かった。しかし中にはこのようなカップルが出来つつあった。

魔法学校三年生の女の子、ボニー・ド・ホプキンスと貴族学校三年生の男の子、クライド・ド・ドドリアーニだった。

「ボニーはどうしちゃったのかしらね。あんな低脳と仲良くしちゃって」

「クライドもだぜ。あんなアーパー女なんかと見つめ合ったりしてよ!」

「あら、アンタとは気が合いそうね。そこいらの盆暗貴族とは違いそうね?」

「お前こそ、あんな頭の中がお花畑貴族とは違うな。ふふっ」

彼らの陰謀は果たしてどうなる?

その場に呼ばれた冒険者達は……

「生意気なガキを懲らしめるって話だったがよぉ、どうなってんだ?」

「知るかよ。楽でいいじゃねーか」

「俺ぁ退屈だぜ。来ねえんならこっちから行けよって話だよな!」

「どいつもこいつも頭が悪そうな顔してるしよぉ、これで貴族とはよ?」

「笑えてくるぜ。馬鹿が多いから楽が出来るじゃねーか」

「オメーら相手しろよ。ちっとは体動かそうぜ!」

「こんな狭ぇーとこで無茶言うな、素振りもできねーな?」

「なんなら坊ちゃん達を鍛えてやれや。俺は嫌だがな」

「ふん! こんな貧弱な奴らを鍛えるなんて無理に決まってんだろ!」

大きい口を叩いているが、彼らは七等星。キャリアは十年もあるのに……

こんな下らない依頼を受ける六等星、五等星はいないのだ。暇な彼らが気まぐれで受けたに過ぎない。