群衆に紛れ込み、検問を誤魔化すのは、ルビーの力があれば容易だった。

「よし、通れ!」

チェックを終えた他の移民に乗じて、エルヴィスら4人は、透明人間状態でタラップを上る。

「(けけっ。ザル警備だな)」

「(敵地だぞ。口を噤め)」

霊峰コンヨルド跡の上空に浮かぶダイムクルド。

それと地上の間を行き来する浮遊船には、移民たちが限界ギリギリまで乗せられていた。

全員、男だ。

ダイムクルドには男しか入れないのだ。

「(男くさいわ……)」

「(はは。仕方ないね)」

しばらく待つと、船がゆっくりと浮き上がる。

移民の男たちが不安げにどよめいた。

やはり、彼らも不安なのだ。

決して喜び勇んでこの地にやってきたわけじゃない……。

上空に浮き上がった船が、ダイムクルド外周に浮かぶ小島の一つに接岸する。

「走るな! 列に並んで進め!」

陸に架かったタラップを、移民たちが整然と並ばされて進んだ。

エルヴィスたちもそれに紛れ――

ついに。

天空魔領ダイムクルドに、上陸を果たしたのだった。

◆◆◆―――――――◆◆◆―――――――◆◆◆

エルヴィスたちが上陸したのは、第16衛島(サテライト)と呼ばれる島のようだった。

ダイムクルド中心にある旧リーバー伯爵領と、その周囲に浮遊する小島群。

兵士の説明によると、これらはそれぞれ『惑島(プラネット)』『衛島(サテライト)』と呼ばれているらしい。

領主であるジャックが決めた呼称のようだが、果たしてどんな意味があるのかは、エルヴィスたちにはわからない。

少なくとも、『プラネット』や『サテライト』といった言葉は、彼らの知る辞書には載っていなかった。

ここ、第16サテライトは、各地から集まってきた移民たちの居留地であるらしかった。

下手な街よりもずっとしっかりした集合住宅が建ち並び、男たちが田畑を耕している。

通りには露店が軒を連ね、呼び込みの声が絶えなかった。

「これは……」

街の様子を見て、エルヴィスは驚きの声をあげる。

こんなに活気のある街は、今時そうそうない。

学院が崩壊する前のラエス王国王都・レイナーディアほど――とまでは言わないが、比肩しうる程度には活気づいている。

「なんだか……思ったより明るいわね。もっとどんより暗い雰囲気なんだと思ってた」

「おいおい、アゼレアくん(・・)。言葉遣いに気を付けろよな」

「あっ、ごめんなさ――じゃなくて、えっと……わ、悪い」

「似合わねー!」

けらけらと笑ったルビーは、少女ではなく少年の姿だった。

元より女性らしさに欠ける容姿ではあったが、身体の輪郭がわずかに角張り、今は完全に男にしか見えない。

アゼレアは、もっと劇的に変化していた。

豊満な胸や、曲線的なくびれや、蠱惑的なヒップが綺麗さっぱり均されて、スレンダーな体型になっている。

背中まで覆っていた長い赤髪も、今は首筋程度まで短くなり、ヒモで1本にまとめられていた。

二人とも、ルビーの精霊術【一重の贋界】による視覚欺瞞で、男に変装しているのだ。

元より男であるエルヴィスとガウェインも、背格好や顔つきを微妙に変えていた。

「こ……これ、なんだか、落ち着かないわ……ないな」

「んん? なんかおかしいところあっか?」

「いえ、その、だって……こ、股間が」

「あー! それな! わかるわかる! 男ってよくもまあ、こんなもんぶら下げて普通に歩けるよな! 邪魔くせー!」

エルヴィスとガウェインはばつが悪くなって目を逸らした。

言われてみると、確かにそうかもしれない。

「そ、それにしても……ホントに万能だね、【一重の贋界】は。珍しい精霊術で助かったよ。もしこの術の使い手が大量にいたらと思うとぞっとしない」

「ま、攻撃力のほうはほぼほぼ諦めることになっちまったけどなー。割り切りが大切だぜ、割り切りが」

学院生の頃は、誰ともコンビを組むことなく、ほとんど一人で段級位戦を戦っていたルビーだったが、王国騎士団の諜報員として働くうちに、チームプレイを覚えたようだ。

欺瞞と攪乱に己の能力を先鋭化し、敵と真っ向から戦う役目はガウェインなど好適な術師に任せるようになった。

そのことを思えば、彼女はこの7年で丸くなったと言えるだろう。

「さて……ここからどうやって惑島(プラネット)に渡るか、だね」

「日が暮れる前に移動してしまいたいですね、殿下。ここに宿などという気の利いたものがあるとは思えません」

「よそからの旅人なんて想定してるわけねーし」

「そうよね――そ、そうだな」

アゼレアにはできるだけ黙っていてもらおうとエルヴィスは思った。

「知っていそうな人から訊いてみよう。ここは逃げてきた移民ばかりみたいだけど、中には元からダイムクルドに住んでる人たちだっているはずだ。特に商人なんかはね……」

まだジャックによる世界滅亡宣言が出されてから数日だ。

たったそれだけの期間で、店を出して商売を始めている者がいるとは思えない。

移民のほとんどは、耕作などの肉体労働に従事させられているはずだ。

「まあ情報収集なら任せとけよ。何せ専門分野だからな」

ルビーが言った。

エルヴィスも最初からそのつもりだ。

「でも、商人から話を聞き出すには先立つものが必要だぜ。連中にタダで貸しを作るのは得策じゃねー。足元見て何を要求してくっかわかったもんじゃねーからな」

「それじゃあ、何か適当に売ろうか。んーと……」

エルヴィスはごそごそと荷物を漁った。

「あ。これなんかどう?」

「……なんだ、その妙にキラキラしたの」

「ダイヤモンドとルビーとサファイアとプラチナのブレスレット」

ルビーが白目を剥いた。

倒れかけた彼女を、慌ててアゼレアが支える。

「ちょっ、ちょっと! 大丈夫!?」

「おま……おまえ……それ、いくらするか知って……?」

「さあ? 正確には知らないけど、まあそこそこするんじゃないかな? 金策するのに便利かと思って、いらなそうなのを適当に城から持ってきたんだよね」

「これだから王族は……!!」

なぜだか恨みがましく言いながら、ルビーはブレスレットをひったくった。

「こんなのがありゃあ何でも聞き出し放題だっつーの。ただでさえこの国は宝石類が暴騰してそうだってのに」

「宝石類が暴騰? なぜだ?」

「長期的な鉱物資源の採掘量に限界があるからだ。地面から浮いてんだぜ? この国は」

なるほど。

ダイムクルドは各地から鉱山をいくつも強盗してきた。

地下深くの地盤まで含めて丸ごとだ。

それでも、いつかは尽きる。

大地に根付いている国に比して、鉱物資源の採掘量は絞られざるを得ないだろう。

「それに加えて、ヘルミーナの拉致に失敗したからね……」

「それだ。【不撓の柱石】の実装で鉱物資源問題に関しては解決されるはずだった。だから鉄だの銀だのの値上がりは抑えられてたはずだ。ところがどっこい、まさかの拉致失敗でこいつはヤバい。今まさに金属類・宝石類の値段が天井知らずの鰻登りってわけ」

言いながら、ルビーはブレスレットを精霊術で透明にした。

「いちおう隠しとく。こんなもん見せびらかして歩いてたら、ぶっ殺されても文句は言えねーよ」

たかが物盗りごときに遅れを取るメンツではないが、トラブルはできるだけ避けたい。

ジャックに気付かれればそれまでなのだ。

ここは敵の胃の中だということを肝に銘じねばならない。

「しかし……これほどのもんとなると、その辺の店じゃ扱い切れねーだろーな。もっと話のわかる連中じゃねーと」

「話のわかる連中?」

「表があれば裏があるもんなんだよ。天国だろうと、地獄だろうと、魔王の領地だろうとな」

◆◆◆―――――――◆◆◆―――――――◆◆◆

きな臭さに対するルビーの嗅覚は犬並だった。

あてどもなく路地裏をそぞろ歩いたかと思うと、「ここだ」といきなり、薄汚れた木扉をノックしたのだ。

「……指輪」

低い声が、扉の向こうから返ってくる。

合言葉。

ルビーはこつこつとこめかみを指で叩いて言う。

「海」

アゼレアが目を剥いた。

エルヴィスも表情を変えない程度に驚く。

もしかして、当てずっぽうで言った?

「……入れ」

扉の向こうの声がそう言い、エルヴィスはまた驚いた。

アゼレアがこっそりと訊く。

「(な、なんでわかったの……?)」

「指輪教の経典・精霊王創世録の第二章第二節。『王は虚空に指輪を放り投げた。その内には瞬く間に水が張り、海となった。創世の二である』」

……『指輪』というたった一言で、長大な創世録からその一文を導き出したのか。

前々から思っていたが、ルビーは極めて地頭がいい。

貴族の子息がするような『お勉強』をしてこなかったために目立たなかったが、諜報員としての活動を通じて知識を得たことで、彼女の元来の聡明さが本格的に花開いていた。

木扉の中に入る。

薄暗く埃っぽい室内にはカウンターがあり、奥に中年の男が座っていた。

「……いらっしゃい。ずいぶんと若々しい客だ」

「そりゃどーも。よく言われる」

「誰からの紹介だい」

「マイケルさんから」

今度こそ本当に当てずっぽうだ。

よくある名前を適当に言っただけに違いない。

ルビーの剛胆さに、エルヴィスは内心舌を巻いた。

「……くくっ。面白い坊ちゃんだな」

信じたのか疑ったのか、中年男は肩を揺らした。

「鑑定だろう。品を見せな」

「これだ」

勿体ぶることなく、ルビーはぎらぎらと宝石が輝くブレスレットを、ごとりとカウンターの上に置いた。

中年男は目を剥く。

「こっ……これは……」

「いい品だろ?」

「こいつを、どこで?」

「聞きたいか?」

「……いや、やめておこう。この歳でも命は惜しい」

実際にはエルヴィスが城の宝物庫から適当に持ってきただけなのだが、どこぞの貴族から盗み出したのだとでも思ったのだろう。

男はブレスレットに触れることなく、顔だけを近付けた。

「そうだな……2000万エンでどうだい」

「はぁー? 冗談言うんじゃねーよ。倍はあるだろ」

……『エン』などという通貨の相場はまったく知らないはずなのに、ルビーは躊躇いなくふっかけた。

どこまでも剛胆だ。

あまりに堂々としているものだから、怪しみようがない。

「なら3000万」

「3500」

「3250」

「3300!」

「……わかったよ。坊ちゃんには負けたぜ」

「よく言うな。口元が綻んでるぜ」

「おっといけねえ」

ルビーと中年男は、クククと悪そうに笑い合う。

「(……ガウェイン君。彼女、悪い付き合いがいっぱいあるんじゃないの?)」

「(……遺憾ながら)」

一応は誇りある王国騎士団に連なる者として問題だらけだったが、この場においては不問に付そう。

中年男は「金を用意する」と言って、奥の部屋に引っ込んだ。

「ねえ、ルビー……3300万エンっていうのがどのくらいのお金なのか知らないけど、数字の大きさからして、かなりの量なんじゃないの?」

「あー、そういやそうだなー。持ちきれっかなー」

「無計画!? 3300万って、ラエス金貨でも馬が必要な量よ!?」

「かなり軽めに見積もって、貨幣1枚20グラムで、まあ、1000エンくらいだとすると……」

「3万3000枚で、66万グラムの660キログラム。うはー! 重めー!」

「『重めー!』じゃないわよ!」

660キロもの金属を持って歩くのは、いくらなんでも無茶だ。

「……あれ? じゃあ、あの男の人、どうやってお金を持ってくるつもりなんだろう……?」

特別力が強そうには見えなかった。

一人で運べるとは思えないが……。

台車のようなものを使うのだろうか?

「待たせたな」

程なくして、中年男が奥から姿を現した。

台車を押してはいない。

鞄を片手に持っているだけだ。

「3300万エン、確かにある。確かめてくれ」

そう言って、男は鞄をカウンターの上に置いた。

ドスッ、と重そうな音がする。

とはいえ、何百キロもあるような様子ではない。

「んん……?」

ルビーが鞄の留め金を外して、中身を覗き込んだ。

エルヴィスたちも後ろから覗く。

「え……?」

「なんだこれ……?」

「おい! これは……た(・)だ(・)の(・)紙(・)切(・)れ(・)ではないか!」

ガウェインがエルヴィスたちの気持ちを代弁した。

そう。

鞄に入っていたのは、何やら複雑な文様が描かれた長方形の紙の束。

束は全部で33あり、一束の厚さはおよそ1センチほどだ。

「おっと……あんたたち、もしかして移民かい?」

男は怒鳴り声に動じることもなく、軽く眉をあげた。

「なら、知らねえわな……。この紙切れが、ダイムクルドの通貨さ。1エン、5エン、10エンまではお馴染みの貨幣だが、それ以上はこの紙幣(・・)が流通している」

「紙幣……? この紙切れが、金貨や銀貨と同じ価値だと?」

「その通り」

男は鞄の中の紙束を一つ手に取った。

「こいつは1万エン紙幣。厚さ1センチで100枚だ。重さは1枚1グラム。つまり、3300万エンは、3.3キログラムってことになる」

「3.3キロ……!?」

金貨の場合の、わずか200分の1。

「手形みてえなもんだと思いな。ただし、紙幣を金貨やら銀貨やらと交換することはできねえがな。ちまちました小銭に両替することならできるが」

「貨幣と交換できない手形……? そんなの、どうやって価値を担保して……」

「紙幣は、政府が作った『中央銀行』とかって機関が全部刷って(・・・)いる。世間に出回る紙幣の数を常に調整して、その価値をコントロールしているのさ」

「すって……?」

「印刷(・・)さ。この紙幣の模様を見比べてみな。どれも寸分の狂いもない」

エルヴィスは紙束を二つ手にとって見比べた。

確かに……どちらもまるで違いがない。

こんなもの、手作業ではとても不可能だ。

「絵、模様、文章……まあ何でもいいが、紙に描けるもんなら何でもかんでもいくらでも一瞬で複写できるって技術さ」

「はっ? それって、本も?」

「噂じゃ、200ページの写本が30分で仕上がる」

「30分っ!?」

アゼレアが跳び上がりそうなほど驚いた。

エルヴィスもまた絶句する。

ラエス王国の写字生が1冊の写本に何日も、あるいは何週間もかけている間に、この国では一体何冊の本が刷られるというのか。

精霊術学院に所蔵されていた本が何百冊も行方不明になったために、必死になって新たに写し直させていたのが馬鹿のようだ。

「おかげでこの国の本は下界じゃ信じられねえほど安いぜ。難しいことだが、ここで本を買い集めて下界で売れば、あっという間に大金持ちになれる」

「紙は?」

ルビーが札束を触りながら言った。

「柔らかい手触りだな。どうも植物繊維っぽいが……」

「ああ。紙幣に使われてんのは『和紙』だ」

「鷲?」

「和紙。原料はなんかの樹皮だって聞いてるぜ。紙幣に使ってるようなのは高級だから庶民にゃ手が届かねえが、漉き返した再生紙なら巷にごまんと溢れてる。あんまり安いもんだから、ここじゃケツ拭くのにも使ってるぜ」

「は? ケツ拭くのに紙? ……まさか、洟をかむのにも使ってるとか言わねーよな?」

「よくわかったな」

男はにやりと笑うと、懐から小さな紙切れを取り出した。

それを鼻に当て、ぶーっとかんでみせる。

「……マジかよ」

「マジだぜ。下界の人間にとっちゃ、紙ってのは貴族しかお目にかかれねえような高級品だ。驚くのも無理はねえ」

絶句するエルヴィスたちを見て、中年男はどこか得意げに笑った。

「あんたら、ここに来て正解だ。下界じゃ散々な言われようらしいが、住んでみればわかる。

本が安いから教育も受けやすい。

カネは運搬が楽で経済も活発だ。

何より、飢饉ってのがなくて食うに困ることがねえ。

――ここ以上の楽園は、地上のどこにもねえぜ」

明らかに堅気ではない男ですらこの言いよう。

ジャックの善政ぶりが訊かずとも知れた。

「はあ……」

アゼレアがこめかみを押さえて溜め息をついた。

「ちょっと、頭の中を整理したいわ……」

「したい……わ(・)?」

エルヴィスたちはぎょっとした。

女言葉を聞きとがめられた!

「あ、あー……変な喋り方するやつだろ? 女々しいったらねーよなー」

(うまい!)

ルビーが入れたフォローに、エルヴィスは心の中で喝采する。

中年男はニヤッと笑ってアゼレアを見た。

「構やしねえさ。珍しくもねえ」

「え?」

「何日か前に、陛下のお言葉があったろう。恋も愛も地上に捨て置いて――ってよ。笑っちまったよ、おれらは。

だってよ。男は女としか恋愛できねえってわけじゃねえだろう?」

エルヴィスはハッとした。

「まさか……同性愛は許されているんですか?」

「誰も公言はしねえがな。兵士どもも見て見ぬフリをしてる。

そりゃ、つまり、魔王陛下もご承知の上ってこったろ?

女を捨てること、イコール愛を捨てること、なんておめでたい考え方はしてねえってことさ……。

あまりにも堂々と大法螺ぶっこいてるもんだから、笑っちまったわけよ」

男はギギッと椅子を鳴らした。

「新参者はたいてい、自分がエロい目で見られるってことに怯えるがな。なに、すぐに慣れるさ。

下界では散々、女をエロい目で見てきただろ? だけど女どもはみんな、いちいち怯えずに生きていた……。冷たい目で見られはしたがな。くくっ。

女がそうなのに、なに図体のでけえ男がビビってんだって、いずれ思えるようになるぜ。

それも人間の形の一つなのさ……。いろんな奴がいるもんだぜ、つくづくな」

ああ、と呟いて、男はカウンターの下をごそごそと漁った。

「ちなみに、ここの流儀に馴染めない奴用に、『春画』ってのが流通してるんだが……一つどうだい?」

―――春画とやらの実物を見て、アゼレアが顔を真っ赤にしてしまったので、これ以上ボロが出る前に本来の目的を果たした。

ブレスレットの買い取り金の一部を渡して、ダイムクルドの惑島(プラネット)に渡る方法を聞いたのだ。

男は機嫌良く答えてくれた。

エルヴィスたちは礼を言って、店名も定かではないその店を辞した。

「……王子様よー」

「……なんだい? ルビーさん」

「あたしは思ったんだが……戦争なんざしなくても、世界はこの国に負けてたんじゃねーか?」

「…………かもね」

理不尽に世界を破壊する魔王。

領地と領民に繁栄を齎す善王。

(……ジャック君……本当のきみは、どっちなんだ……)