Ee, Teni Shippai? Seikou?

19 Stories Let's Play With Blonde Beauty Part 1 *

「それは……栄養ドリンク、ですか?」

陽一が手にした小瓶を見た実里が問う。

「いや、これは――」

そこまで口にしたところでアラーナを視界に捉えた陽一が、言葉をつまらせた。

「あ、いや。やっぱこれはやめとこう、うん」

「ヨーイチ殿」

「なに?」

「それを使うかどうかは任せるが、何なのかぐらいは教えてほしいのだが」

「あー……、いや、ホント、気にしないで」

陽一の態度にアラーナは軽く眉をひそめ、ため息を漏らした。

「ヨーイチ殿は私に気を使っているように思えるのだが、それは自意識過剰というものだろうか?」

「う……」

気まずそうに陽一が目を伏せる。

「やはり……。そういう気の遣われ方はあまり好かんのだがなぁ」

そう言いながらジト目を向けるアラーナだが、言葉ほど機嫌を損ねているということはなさそうだった。

「で、中身は?」

「……インキュバスの媚薬」

それはアラーナと出会ったとき、彼女を襲っていた三人組のひとりが持っていたものだった。

連中はその媚薬をアラーナの秘部に塗って彼女を欲情させ、そのまま性奴隷へと調教するつもりだったが、偶然乱入した陽一によって阻止された。

陽一は死体とともに回収した持ち物から、この媚薬を【無限収納+】の機能を使って中身

の一部をちょろまかし、栄養ドリンクの空き瓶に移し替えておいたのだ。

「ほう。つまり、その媚薬を使ってこの女を手篭めにするというわけか……。ふむ。面白そうではないか」

瓶の中身がインキュバスの媚薬と知ったアラーナは、頷きつつも口元に妖しい笑みを浮かべる。

「……嫌じゃないの、これ使われるの?」

「ん?」

未遂に終わったとはいえ、性器に直接媚薬を塗りたくられ、欲情させられるというのは普通に考えればトラウマものの出来事だ。

考えなしに媚薬を取り出したあと、そのことに思い至った陽一は自分のうかつさを呪ったが、当のアラーナは特に気にした様子もなかった。

そしてきょとんと陽一の方を見ていたアラーナが、ふと艶やかな笑みを浮かべ、顔を近づけてきた。

「ふふ……んむ……んちゅ」

突然始まったキスはすぐに終わりを告げ、アラーナは熱っぽい視線を陽一に向けたまま口を開く。

「あんなこと、私にとっては路傍の石につまずいた程度のことでしかないよ。でも、その気遣いは嬉しいな、ヨーイチ殿」

「お、おう……」

「――ん……んぅ……」

そこに短いうめき声が割り込んできた。

どうやら捕らえた金髪美女が目を覚ましたようだ。

「んぅ……なに、これ……?」

キャサリンことシャーロットは、自分の姿を確認し、手足を動かして拘束されていることを確認した。

「お目覚めのようで」

陽一の声に反応し、彼のほうに目を向けたシャーロットは、一瞬驚き、わずかに眉を顰めたが、すぐに誘うような笑みを浮かべた。

「うふふ。こんなことしなくても、お相手しましたのにぃ」

と、手足を拘束されたまま腰をくねらせる。

彼女の視線は陽一のみを捉えており、アラーナと実里に関しては無視することに決めたようだ。

「少しお話をしましょうか、キャサリンさん。いえシャーロット・ハーシェル元CIA特別調査員どの」

陽一の言葉に笑顔を凍らせたシャーロットは、すぐに無表情となった。

「あなた、何者ですの?」

「善良な日本人観光客ですよ」

「嘘おっしゃい。ただの観光客がなんでわたくしのことを……。それに、そっちのふたりをどうやってここに連れてきたの?」

「ま、いろいろありまして」

「何が目的?」

「俺たちはただこの町を楽しみたいだけですよ。そもそも変に勘ぐってきたのはそっちでしょう?」

「勘ぐられることをするのが悪いのじゃないかしら?」

「この国ではそうなんですかねぇ……。でも、何もなかったでしょう?」

シャーロットはすでに陽一の衣服を調べ終えており、その結果あやしいものは何も出てこなかった。

スーツケースはエドが徹底的に調べているはずなので、陽一の言うとおり彼を疑う必要はない。

――ただし、こんなことさえしなければ。

「後ろ暗いところなないのなら、あのままわたくしと寝ていればお互い幸せだったのじゃないかしら?」

シャーロットの言うとおりではあるが、陽一としてはアラーナと実里を安モーテルに押し込んで自分だけ豪華な部屋で金髪美女としっぽりやるというのが、なんとなく嫌だったのだ。

ふたりに対する申し訳無さはもちろんあるが、なんでも自分の思い通りになると信じて疑っていなさそうな相手の鼻っ柱を折ってやるのもまた一興ではないか、という思いもある。

「人の荷物を漁るような悪い子には、お仕置きが必要でしょう?」

動機をいちいち説明するのも面倒なので、陽一はそうシャーロットに告げた。

「うふふ。元々わたくしはあたなと寝るつもりだったのだから、今さら犯されたところで痛くも痒くもありませんわよ? むしろ日本人の剛直ちんぽをいただけるのでしたらありがたいことですわぁ」

自身の格好と陽一の言葉から、性的ななにかをされることを確信したシャーロットは、再び妖艶な笑みを浮かべて腰をくねらせた。

金色の恥毛に覆われ、ピッタリと閉じていた割れ目はいつの間には薄く開き、その内側から少し大きな褐色の襞が顔を覗かせていた。

乾いていたはずの花弁はすでに濡れてひくひくと震えており、とろりと溢れた愛液がベッドのシーツを汚している。

この状況でこれだけの反応を起こせるのだから、この金髪美女はなかなかのツワモノであろう。

「ねぇ、ズボンの下でおっきくなってるソレ、早く突っ込んでくださらない? 日本人の硬いおちんぽ想像しただけでわたくし果てそうなんですの」

「むむ……」

シャーロットの姿と言葉にイチモツを硬くした陽一は、思わず唸ってしまう。

その動きもセリフも陳腐なものだったが、陽一は抗いがたい淫猥さを感じてしまっていた。

もしひとりでこの場にいれば、シャーロットのペースでいいように弄ばれていただろう。

「貸したまえ」

「あ……」

陽一の不甲斐ない様子に少し呆れ気味な口調でそういいながら、アラーナは陽一の手から媚薬の入った小瓶を奪い取った。

「なかなか手強そうな女なので、まずは私がお相手しようか」

アラーナの言葉にシャーロットが眉をひそめる。

「あの、後学のために聞いておきたいのですが、そちらの方はどこのご出身かしら?」

それはシャーロットの表情や口ぶりから、純粋な興味からの質問らしく、先ほどまで漂っていた淫靡な空気が嘘のように消えてしまった。

「英語圏はもちろん、ヨーロッパやロシア、北欧などにそのような言語は存在しないと思うのですが……」

元CIAというのが関係しているかどうかは不明だが、シャーロットは多くの言語に馴染みがあるらしい。

意味はわからずとも、聞いたことがあるかどうかぐらいは判断できるようだ。

「あー、じゃああれ使おうか」

正気を取り戻した陽一は、【無限収納+】から銀色のネックレスを取り出した。

「あ、じゃあそれは私が」

無言で一部始終を見守っていた実里が、ふと声を上げたかと思うと、陽一の手からネックレスをひったくった。

ベッドに乗ってシャーロットの傍らに座り、その白くて細い首にネックレスを着けてやる。

「ちょ、なんですの、これ?」

全裸に銀色のネックレスが追加されたことで、少しばかり卑猥さが増したように感じられる。

「さて、それで私の言っていることがわかるようになったかな?」

「……あなた、英語も喋れるの?」

「いいや。私の口元をよく見てみろ」

「口元……?」

「そうだ。よく見ればわかると思うが、あなたの耳に聞こえている言葉と私の口の動きとにズレがあるはずだが?」

「そんな……」

「あの、いいですか?」

驚き、目を見開くシャーロットに、実里が声をかける。

「なんですの……?」

「私はいま日本語をしゃべっていますけど、えっと、シャーロットさんには英語に聞こえてますか?」

「……嘘よ」

「ちなみに私にはシャーロットさんの言葉が日本語に聞こえてますよ」

「なによ……、これ。どうなってるの……?」

「そのネックレス、翻訳機みたいなもんなんですよ」

戸惑うシャーロットに陽一が告げる。

「そんな……、ありえないわ……」

元CIAのシャーロットは、最先端技術に対してそれなりの知識があったが、こうも完璧に言語を翻訳できる装置など聞いたことがなかった。

リアルタイムで翻訳処理されることも驚きだが、イヤホンもなしに翻訳後の言葉が耳に届いていることが理解できない。

しかし、そこはさすが元CIA特別調査員である。

理解が及ばないものに対して思考を停止する術に長けているシャーロットは、とりあえず事実だけを受け入れ、自身の混乱を治めることにした。

相手の言葉がわからないよりは、わかるほうがいいのだから、そこは受け入れてしまったほうがいいだろう。

そうなると気になるのが相手の意図である。

「何を考えてらっしゃるの? なんの意図があってこのような物を私に?」

元CIAで、現在もエドのもとで情報戦を繰り広げることの多いシャーロットに、このようなエドの古巣が全力で動き出しそうな装置を身に着けさせる意図が、彼女には理解できなかった。

「なんの意図って……。言葉が通じたほうが楽しいでしょう?」

「そんな……ことで……?」

なにか深い意味があっての行為と勘ぐっていたシャーロットだが、陽一の態度を見る限りそれは本心のようであり、彼女は大いに呆れ返ってしまった。

「さて、御託はこの辺にして、そろそろ本番といこうではないか」

意地の悪い笑みを浮かべながら、アラーナは小瓶の蓋に手をかける。

その様子が、どうも陽一の知るアラーナのキャラクターにそぐわないように思えた。

「なぁ、アラーナ。なんでそんなにノリノリなの?」

「ふん。私の……いや、私たちのヨーイチ殿を誘惑するような女にはお仕置きが必要だろう?」

「あ、じゃあ私も手伝う」

「うむ。ではふたりで懲らしめてやろうではないか」

ふたりの様子に、陽一は嬉しいような恥ずかしいような、そして情けないような複雑な心情を抱いた。

おそらく先ほどシャーロットの誘惑に負けそうになった自分を見て、アラーナは嫉妬したのだろう。

そうであれば誘惑に負けた陽一にも責任の一端はあるような気がしないでもないが、女の人というのは仮に男が浮気した場合、浮気相手の女性を恨むことが多いらしいので、そういう複雑な心情と嗜虐心とが変に噛み合ったのかもしれない。

(ここは、下手に手を出さないほうがよさそうだな)

長々と理屈っぽく考えあぐねた陽一だったが、ふたりが楽しそうなので静観することに決めた。

「ちょっと、わたくし女には興味なくてよ? そっちの男に代わりなさいよ」

翻訳機――意思疎通の魔道具――に関して一旦考えないことにしたシャーロットは、改めて自分の状況を確認し、どうやら連れの女性ふたりが自分の相手をすることは理解したようだが、それに関して大いに不満があるようだった。

「まぁ、女に何をされたところでどうということもありませんし、飽きたら代わってくださいませ」

「ほほう。その態度がいつまで持つか、楽しみだなぁ」

アラーナはベッドに乗ってシャーロットの傍らに膝を着き、小瓶の中身を手のひらに垂らした。

シャーロットを挟んで向かいに膝をつく実里にもそれを分けてやる。

(ってか、あれって触っても大丈夫…………みたいだな、一応)

【鑑定】したところ、どうやらインキュバスの媚薬は粘膜からのみ吸収されるらしい。注意点があるとすれば、一度女性に吸収されたあと、汗などで体外に排出された際、気化した成分を吸い込むことで多少の催淫効果があるということだろうか。

「な、なによ、それ? ドラッグ?」

「まぁ、クスリの一種ではあるな」

「中毒性はありませんから心配しなくていいですよー」

麻薬の一種ではないかと不安げな表情を浮かべるシャーロットが少しかわいそうに見えたので、陽一はそう補足しておいた。

「ではそろそろいくぞ」

一度は陽一を誘惑するために濡れていた秘部はすでに乾ききっており、その乾いた粘膜にアラーナは手に取った媚薬を塗りたくった。

「私も……えいっ」

続けて実里も、指に垂らした媚薬を菊門に撫で付ける。

「なにを……んぅ……んんっ……なんですの、これ……、お股が、ジンジン……」

乾いていた秘部がじわりと湿り、やがて愛液が溢れてとろとろに濡れた。

アラーナは媚薬をなでつけたあと、それをなじませるように秘部を撫で回した。

「あんっ! だめ、指動かしちゃ……!!」

「ふふ、女に触られても平気ではなかったのかな?」

意地悪な笑みを浮かべたまま、アラーナはシャーロットの膣口に軽く指を挿れ、膣内の浅い部分をクチュクチュとかき回した。

実里はその横で、ヒクヒクと動く菊門の表面を撫で回している。

「あっ! やぁっ!! そんなかき回されたら……それに、お尻もぉ……んんーっ!!」

なんとか快楽に抗おうとするシャーロットだったが、喘ぎ声はなんとか抑えられたものの身体の反応はいかんともしがたく、大きく身を仰け反らせて痙攣した。

どうやら軽い絶頂に達したようである。

「ふふ。女に触られてイッてしまったな。ほら、ここはまだ欲しがっているぞ?」

言いながらアラーナはとめどなく溢れ出す愛液をすくい取り、どろどろに濡れた手をシャーロットに誇示した。

「あはぁ……そんなぁ……」

勝ち気だったシャーロットの泣きそうな表情に何かのスイッチが入ったのか、アラーナは愛液まみれの手をぺろりと舐めてしまった。

「アラーナっ!!」

その様子をみた陽一から、叱責するような声が飛ぶ。

「どうした? ヨーイチど……の……」

見る間にアラーナの目が虚ろになり、腰のあたりがガクガクと震えだした。

「あっ……あっ……」

ぺたんと座り込んだアラーナのジャージの股間が、じわりと濡れる。

「あちゃー……」

舌もまた粘膜なのだ。

媚薬の混じった愛液を舐めればどうなるかは、説明するまでもないことだろう。

「ヨ、ヨーイチどのぉ……」

頬を紅潮させ、わずかによだれを垂らしながら、アラーナは縋るように陽一を見た。

眉根は下がり、目はどこか虚ろで、目尻には涙が溜まっている。

(なんかここ最近アラーナのがっかり感ハンパないよなぁ……。まぁ逆に惚れ直してる俺もどうかと思うけど)

アラーナの残念な姿を見て、わずかに笑みをたたえつつ、陽一は軽くため息を付いた。

そんな陽一とアラーナの様子と見た実里は、視線を自身の指に移して首を傾げた。

「んー…………ぁむ」

しばらく考えた結果、実里はぱくりとその指を咥えるのだった。