Elf no Kuni no Kyuutei Madoushi ni Naretanode, Toriaezu Himesama ni Seitekina Itazura wo Shitemimashita
Princess, before you get drunk
結局、キースが宮殿中の防壁張りを終えたのはそれから更に3日経ってからの事だった。
ゾンビ状態でいるわけにもいかず、魔血石で活性化を使ったせいで魔力が足りなくなってしまいその分余計に日数がかかったのだ。
アイシャとベルナに精を吸い取られた翌日はやけにゆっくり各部屋を回ったのでメイド達に不審がられてしまった。
しかしまさか「昨日は全部搾り取られちゃいまして。エヘ」とは言えないので、腹が痛いのだと誤魔化し進んだのだった。
そうしてやっとこ総てが終わり部屋に戻ってくると、事情を知っているルーが冷ややかな視線を送ってくる。
「だぁ!おわっだ!!ちがれだ……」
「次の日仕事があるのにゾンビになるまでやるからニャ!じごーじとくニャ。見直して損したニャ」
「だから何べんも言ってるだろうが!あれは俺の本意じゃない!!吸精鬼に襲われたんだって……」
思い出すだけで屈辱と怒涛の快楽の波にキースは冷や汗を流した。
しかし、それを聞いたルーは鼻で笑う。
「美人で聡明なエルフさんを吸精鬼にしたのはご主人ニャ」
そう言われると何も言えないので黙るしかない。
キースはそれを誤魔化す様にベッドにダイブすると、
「それより駄猫、疲れてんだ!!腰揉んでくれ!湿布貼ってくれぃ!!」
「猫使いの荒いご主人ニャ……」
ぼやくルーがキースの傍に行こうとすると、扉がノックされた。
「んあ?」
ベッドから身を起こしたキースが足腰の疲れを抱えて扉まで行くと、そこにはデラが立っていた。
「あれ?どうしました?」
珍しい訪問客に何の用事か問いかけるキースに、デラは少し困った顔をした。
「すみませんお疲れの所……実は姫様が」
「え……姫様が何か!?」
「はい、あの……」
「ど、どうしたんです!?何があったんですか!?」
「えっと……あの、拗ねちゃって……」
「…………はい?」
デラの説明はこうだった。
今日は本当なら久しぶりのキースとのお勉強の日だった。
だが色々な事があってその予定が潰れた事で、ナイアは朝からずっと不機嫌だった。
それは夕食時まで続き、その不満をマシュアに言ってしまったらしい。
するとマシュアは、
「キースはナイア一人の為に召し抱えた訳ではない」
と優しく諭す様に言ったのだが、それがどうやらナイアにはショックだったらしい。
すっかり落ち込んで夕食も殆ど手をつけず、部屋に戻ってもすぐに寝間着に着替えベッドに入ってしまった。
侍女達がお風呂やお茶を勧めても「いらない」と言って黙ってしまう。
それで困ってしまった侍女達が最後の手段としてキースを頼ろうと思った訳だ。
廊下をナイアの部屋へと向かう道々にそう説明を受けたキースは、
(へぇ、姫様も拗ねるんだね~)
そんな感想しか抱けなかった。そもそもピュアな恋心とは一番縁遠い所にいる下種である。
部屋に前に着くとベルナやクローネ、アイシャが困った顔をして立っていた。
「ど、どうしたの?」
問いかけるデラにクローネが答える。
「もう寝たいから出て行ってって……」
「え?まだ8時前だよ?」
「……なんだけどね」
皆の視線がキースに集まった。特にアイシャとベルナの視線が痛かった。
「……あ~、と、取り敢えずちょっと行ってきますね」
逃げるように扉を開け中に入るキースだった。室内は既に薄暗く、シーンとしている。
キースが声をかけようとすると、
「……もう寝たいの……お風呂お茶もいらないから……」
暗く寂しげな声が聞こえた。
「……そうですか、少しお話したかったんですけど」
そう言うと、ベッドの上でガバッと音を立ててナイアが跳ね起きる音が聞こえた。
薄暗闇に目を凝らすナイアは、そこに紛れる黒服で黒髪の男を見止めると、
「あ……あぁ、きーすさまぁ!!!」
まるで生き別れた恋人が目の前に現れたかのようにキースの元へ駆け寄ってくる。
思わず押し倒されそうな勢いで抱き付かれたキースは、寝間着姿のナイアを抱き締めると優しく頭を撫でた。
「きーすさま!きーすさまぁ!!」
目に涙を浮かべるナイアに、たかだか二週間だろと思いながらキースはおでこにキスをする。
「お元気がないって伺いまして。どうしたんですか?」
理由は勿論知っているが、敢えてそう問いかけた。
「だって……だってぇ、キース様に逢えなくて……寂しくってぇ」
「同じ宮殿の中に居るじゃありませんか?」
「でも、お顔見れないし……お話も出来ないし」
グズるナイアをキースは背中を摩りながら続ける。
「俺も寂しいのは一緒でした。でも魔術防壁は宮殿を……いや、姫様を護る為に必要な物だから……だからそう思って耐えたんですよ」
「わ……わたくしを?」
「ええ。防壁がちゃんとしていれば侵入者などから姫様をお守りできます。俺が姫様を守れる方法はそれ位しか有りませんから」
そんな事やっている最中は微塵も考えてはいなかったくせに。本当に適当な事を言わせれば天下一である。
実際その言葉を信じ切ってしまったナイアは、嬉しそうにでも泣きそうに顔を歪めてキースにしがみ付いた。
「うううっ……ありがとお、きーすさまぁ……うれしいですよぉ……ぐすっ」
自分を護る為に二週間も汗水垂らして頑張ってくれていた。
その相手に自分は我儘を言う事しか出来ない。
お礼を言うと同時に恥ずかしさが込み上げてきて、キースの顔をまともに見る事が出来ない。
けれど離れられなくてナイアはずっとキースにただしがみついていた。
仄かなエルフ姫の香りと、柔らかな感触を腕に抱いていたキースは、ついこの間搾り取られたばかりだと言うのに勃起してしまった。
(姫様のフェロモンなんや!!仕方ないんや!!)
心で弁明するものの、二週間ぶりにこのエルフ姫を味わいたいと言う欲情は仕事終わりの解放感と相まって堪えようのないまでになっている。
これはもうイクっきゃないと判断するまでにかかった時間は1秒である。
性欲に支配されている人間とは憐れな生き物である。
「姫様……俺はずっと姫様の傍に居ます。逢えなくたってそれは変わりません」
「……はい」
「だから皆さんに心配かけちゃいけませんよ?いいですか?」
今度はコクリと頷くだけだったナイアに、キースは口を尖った耳に寄せ、そっと囁いた。
「それじゃ、もっとお話ししたい事もあるので、就寝時間になったら転移魔法で俺の部屋に来て頂けますか?」
「え?」
驚きに小さく声を上げるナイアにキースはそのまま続けた。
「それに二週間忙しくておちんぽからお薬も出してないんです。お願い出来ますか」
ナイアの全身にゾワっと興奮の鳥肌が立つのがキースにも分かった。
キースと話が出来るだけでも満足なのに、そのうえ二週間分のお薬を貰える。
と云う事はいつもよりずっといっぱいおちんぽを感じられる?
本当は数日前に全部搾り取られているのだが、そんな事知らないナイアは股間の辺りがウズウズとし出して止まらなかった。
「お願い出来ますか?」
返事がないのでもう一度聞くと、ナイアはコクコクと何度も頷き、そして上目遣いで目を閉じた。
キスをねだっているのだ。行ってもいいのですねと言う確認のキスだった。
キースはそれに応えて唇をそっと重ね、
「待ってますよ」
そう言ってから部屋を出た。
廊下では皆が心配そうに待っていたので、
「もう大丈夫です。機嫌も直りました」
笑いかけるとクローネたちは喜んでいたが、アイシャが凄い視線で睨んでいた。ついでにベルナも何だかジトっとした視線をくれている。
明らかに怪しんでいるが「何の事でしょうか?」と言う雰囲気のままキースは自室そそくさと戻った。
深夜のお楽しみの為の準備を始めなければいけない。
その頃ナイアの部屋ではさっきまでの雰囲気はどこ吹く風で、実に嬉しそうな部屋の主が、
「クローネ!お風呂入りたい!あ、その前に紅茶飲みたいな!」
浮かれている様子に、クローネたちはホッとした。しかしアイシャの不信感は少しずつ増えた。
§§§
ベッドのシーツと掛布団を取り替え、部屋に普通の香を焚き、ルーに世話になってお礼だと小遣いをあげて追い出した。
完璧である。これでいつナイアがやって来ても大丈夫だろう。
そうして待っていると、就寝時間になってすぐの頃に、転移魔法でナイアがキースの部屋にやって来た。
何度目かですっかり転移魔法酔いにも慣れて来たナイアは、キースの部屋に着いたのを確認すると、
「キース様ぁ!!」
嬉しそうにキースに抱き付いて来た。
さっき以上の甘えっぷりに戸惑いながらも、キースもそれに応えてナイアを抱き締めキスをする。
ついでにお尻とかおっぱいとかを軽く触るセクハラおやじぶりも発揮した。
「きゃは!くすぐったいぃ!」
脇腹を触られて嬉しそうに悶えるナイアが可愛くて、思わずベッドに押し倒しこのまま一戦目を始めようかと思ったが、我慢して紳士に徹する。
「姫様、来て下さったんですね。嬉しいです」
「わ、わたくしも!来れて嬉しいですっ!!」
えへへへと二人で笑いあってベッドに腰掛ける。
それから何度か甘いキスをすると、ナイアは恋人気分で心と身体がトロトロになってきた。
(おちんぽさん……もうお薬出してあげてもいいのかなぁ?)
期待感でキースの部屋に来る前から出来上がっているナイアだった。
それをキースは分かっていたが、敢えてその前に、
「姫様。そう言えばご夕食ちゃんと食べてないんですって?」
そう言われてナイアはマシュアに怒られた事を思いだしシュンとしてしまう。
ナイアの様子からそれが分かったキースは、
「あ、いや、そっちじゃなくって、お腹すいてないかなって?」
「ふぇ?おなか、ですか?」
楽しみで意識しなかったが、そう言われてみればナイアは自分が空腹なのに気付いた。
結局夕食は殆どさっき飲んだ紅茶とクッキーだけだった。
しかし、我儘を言って怒られて食べれなくなったのは自分の責任なので、どうしようもない。
そう思っていると、
「だと思って、厨房でこれ、貰って来たんです」
キースがベッドの傍に小さな机を引っ張って来て、その上にバスケットケースを乗せた。
その中にはバゲットと数種類のパテ、そしてハムなんかが入っていた。
「あ……これ?」
「二人でお話ししながら食べようと思って」
ニッコリ笑うキースにナイアも嬉しくなったが、少し考えて顔が曇ってしまう。
「あれ?お嫌いでした?」
問いかけるキースにナイアは首を左右に振って、
「違います。とっても美味しそうですぅ……だけど、けど……」
「けど?」
「こんな時間にお食事しちゃったら、太っちゃいますよぉ」
24歳。気になるお年頃である。
キースは思わず笑い出してしまった。
世間知らずで、天然気味だけど、ちゃんと女の子なんだなぁと思ってしまった。
「わ、笑ったらヤですっ!ぷくぷくしたら……キース様に嫌われちゃうかもしれないし」
「俺は姫様がぷくぷくでも大好きですよ?」
事実、ぷくぷくした女の子の抱き心地は半端ない。
肉の詰まった感じはどこを揉んでて楽しいし、ぽっちゃりお腹を揉みながらの肉まんこ挿入は思い出しただけで勃起する。
逆に痩せぎすの子もそれはそれで楽しいのだが……。
つまり女性なら種族年齢問わず総てイケるキースなのである。
そんなゲスゲスしい心を知らないナイアは、どんな自分でも愛してくれると言う事に感動しながらも、
「わたくしがいやなのですぅ!!」
ぽっちゃり姫でキースにお姫様抱っこして貰えなくなったら一大事だ。
「でも、今日だけ特別って事で……ダメですか?」
首を傾げ聞いてくるキースに、折角用意してくれた物を無碍にも出来ず、ナイアは、
「じゃあ、今日だけ」
二人きりのお食事会を始めた。
キースと二人きりで食事をするのは初めての事だった。
初めは食べ方とか、色々気にしていたナイアだったが、その内慣れてくるととっても楽しくなってきた。
逢えなかった二週間防壁張りが大変だった話とか、その間にあった失敗談とかを大げさに話してくれるキースに、ナイアは生まれて初めてなくらい大爆笑してしまう。
それに食べているバゲットも凄く美味しかった。
普段豪華なものしか食べないナイアは、こういう風なパンの食べ方は初めてで、そのシンプルな味が堪らなく美味しく感じる。
特にお気に入りなのはクリームに蜂蜜をかけたやつだった。やっぱり甘いもの大好きなのである。
今度作って貰おうと思いながらそれを食べ、出されたジュースを飲む。
特製オレンジジュースは、ほのかに苦くてホワっとする味だったが、これも慣れれば美味しくてコクコクと飲んだ。
そうして1時間ほどして、
「ほみゃ~~~~……ふみゃあ」
目をトロンとさせて半分ほど閉じ、尖った耳の先まで真っ赤にしたナイアが、左右にフラフラゆれていた。
「姫様?大丈夫ですか?」
「ほみぇ?きーしゅしゃま!らいりょーぶれひゅ!うみゃあ~」
「うわ……コップ一杯でここまでとは」
キースは自分が作って差し出したオレンジジュース―――ではなく、オレンジジュースを使ったカクテルを見つめた。
物凄く度数の高い酒を数種類と蜂蜜酒を混ぜ、そこにレモン汁とオレンジジュースを混ぜた特製レディキラーカクテルである。
前々からお酒がダメなナイアに酔わせて襲ってみたいと考えていた最低男はそれをこのタイミングで実行したのだ。
絶対に真似してはいけない行為である。
しかし、それでもまさかコップ一杯だけでとはキースも驚いている。
前に街で知り合った宮殿で働きたいと言っていたエルフの女の子に飲ませた時は潰れるまで3杯かかった。
その娘の話はまた今度するとして―――それがコップ一杯でしかも3分の1くらい残っている状態でこれとは。
「ほんと弱いんですね……」
トロンとしながら左右に身体を揺するナイアを見つめてそう呟くキースだった。
その酔わされたナイアは、身体がポカポカしているのがなんだか不思議で、しかも目の前が常に揺れているのが気持ち悪かった。
実際は自分がゆらゆら揺れてるだけなのだが、
「ふぁあ!あっついれすぅ!!ふみゃ!へみゃああ!!」
そう叫んで寝間着を脱いで、ちっぱいを晒したままパンティ一枚でキースのベッドにトスンと横になった。
酔っ払いナイアが自分から裸になった事に、これは実にいいと顔をニヤつかせたキースは、
「ひめさま~。寝ちゃうのですか~?おちんぽに魔力くれないですかぁ~?」
耳元で呟くと、ナイアは手をビシッ!と上にあげた。
「おちんぽしゃん!!おまかしぇれすっ!!」
馬鹿みたいな宣言をしてから、ニッコニコしてキースを見つめ、トロトロに蕩けた声で、
「おちんぽしゃん、ぺろれろして、おくすりどびゅーれす!しょのあと、おまたずおずおれすぅ!」
自覚のない下品な台詞を連発して横に腰掛けるキースの股間を猥らな手つきで撫ではじめた。
「おっきくなぁれ、おくしゅりいっぱいらせー!!うふふ」
「ロリビッチ……出来ておる……姫様ぁ!!お薬のお時間ですよぉ!!」
ズボンを脱いで、半勃ちおちんぽをナイアに差し出すキースは、嬉しそうにそう吠えた。
本格的な屑である。