Elysion Online - Dragon Newt and Summoner

# 409 Fifth Island, Strategy Conference

翌日学校が終わり、スーパーで買い物をする。いよいよイベントもラストスパートだ。しっかり食べてラストスパートに備えよう。

ゲームにログインする。さて、昨日出来なかったことをしよう。

俺の指示でリリーたちが焚き火の準備をする。俺はクラーケンとテンタクルスの足を捌いていく。斬れ味がいい包丁なのが救いだ。

切り取ったものを料理が出来るイオンたちは串に刺していく。

「準備出来たよ! タクト!」

「よし、恋火」

「はい!」

恋火が火を付ける。そこにみんなが串を持ち焼いていく。全員が俺の真似をする。

「もういいな…出していいぞ」

『はーい!』

出来たのがこちら。

クラーケンの串焼き:レア度7 料理 品質B+

効果:満腹度50回復、二時間俊敏値アップ(特)

クラーケンの足を魚醤で串焼きにした料理。弾力が強いので、注意が必要。

テンタクルスの串焼き:レア度7 料理 品質B+

効果:満腹度50回復、二時間俊敏値アップ(特)

テンタクルスの足を魚醤で串焼きにした料理。弾力が強いので、注意が必要。

見た目は完璧。早速食べてみる。

か、硬いな…こんにゃろ!やっと噛めた…食材としてはマイナス評価だ!するとリリーたちが俺に串焼きを差し出す。

『食べて!』

いじめか!?しかし料理させたのは俺だ。責任を取ろう。みんなちゃんと料理できたから誉めてあげた。

その後、クラーケンの足を乾燥させてみた。

クラーケンのスルメ:レア度7 料理 品質B+

効果:満腹度30回復、二時間俊敏値アップ(大)

クラーケンの足を乾燥させた料理。カリッとしており、お酒のおつまみに最適の料理。

食べてみる。こ、これは!上手いぞ!現実では考えられないほどカリッとしている。塩加減も完璧。満点をあげよう。

満月さんと与一さん、シャローさん、鉄心さんにお味見して貰った。

「これは…スルメイカを越えたな」

「ですね…ビールが飲みたくなってきた」

「夜に月見酒したいですね~」

「お! いいね~!」

大人の会話だ。因みにビールはない。酒が欲しがったら、ルインさんだ。許可してくれるとは思えないけどね。

『じ~』

「全員分作りますから、並んで待ってください」

『よっしゃ~!』

なぜかクラーケンのスルメパーティーになった。更に和狐が鍋を持ってくる。

「出来ました~」

では、お鍋オープン!鰹節の匂いが辺りを包み込む。中にはテンタクルスの足だ。煮付けにしてみた。

テンタクルスの煮付け::レア度7 料理 品質B+

効果:満腹度60回復、二時間俊敏値アップ(大)

テンタクルスの足を鰹節の出汁で煮付けにした料理。味が染み込んでいて、柔らかくなっている。

流石は和狐だ。ではいただきます!

「うん! 完璧だ! 美味しいぞ! 和狐!」

「良かったどすぅ~…あ」

和狐が俺を見る。俺は頷く。

「たくさん作りましたから皆はんも召し上がってください」

『和狐たん…まじ天使』

なぜたん?後で防衛しているみんなにも届けて貰おう。この和狐の家庭の味は染みるぜ。みんなも口々に同じようなことを言っている。

俺はログアウトして、ご飯を食べてからログインする。今日は作戦会議だ。みんな手にはかき氷を持っている。

『ルインさんがいないから変わりに指令部のサバ缶が司会進行します。よろしくお願いいたします。早速ですが攻略開始時間ですが何時頃がいいですか?』

色々意見が出て、明日の八時に出発して、十時に攻略開始予定になった。二時間あれば良くも悪くも決着が付くだろう。

次に作戦。ここで俺は話す。

「エーテル魔導砲を使おうと思います」

「いいのかい? この後、魔王バエル戦もあるから温存したほうがいいと思うが?」

「魔王バエルは全プレイヤー参加のレイドボスですよね?」

『恐らくそうなるでしょうね』

うん。それなら戦力は十分だろう。

「レイドボスならわざわざ使わなくても勝てる気がします。それより元々はサバ缶さんの情報で手に入れることが出来た船ですから。ここまで一緒に頑張ってきたみんなのためにもここで使うべきだと思いました」

『…本当にいいんですね?』

「はい」

『わかりました。異論はありませんか?』

全員賛同してくれた。むしろ勝ちが確定した雰囲気だ。

『そうなると敵の動きをどう止めるかが重要になりますね』

「あ、拙者たちは影縫いが出来るでござるよ? どれだけ動きを止めれるか謎でござるが」

「錬金術でも一応拘束可能です」

「魔法は…効かないかな。ボトムレススワップかギルティソーンでワンチャンかな? 氷結やアースウォール、マグネットサークルという手段もあるけど…試してみないとわからないね」

レッカの言う通り、魔法は厳しいだろうな。第三以降のボスは魔法対策をしてきているからね。

「船の正面に敵を誘き寄せるのは我々の役目だな」

「敵が空を飛ぶなら撃ち落とすのが、私たちの役目ですね」

「あ、それならダウンバーストで落とせると思います。代わりに羽を狙ってくれませんか?」

「任せてくれ」

レッカたちにも役目があって良かったな。

「じゃあ、私たちの役目は拘束するまでの間の時間稼ぎだね。タゲらせないようにしないとね。後は雑魚処理だね」

『その拘束が弱い気がしますね。タクトさん、鋼線と騎乗用の馬をお願いできますか?』

「大丈夫です。じゃあ…」

すかさずチロルとトリスタンさんが立候補する。

「はいはーい! ヒクスちゃんに乗ります! 一度乗ったことがあるし、相性バッチリのはずです!」

「私とスピカちゃんは言うまでもないわ」

この二人は…このチャンスを待ってたな。後、活躍出来そうなダーレーだが、俺以外乗せる気はないようだ。やはり錐を選んで正解だった!

「ははは…振られちゃったか。まぁ、錐と侍では合わないからな」

鉄心さんも覇者の称号を持っているそうだから乗れるはずなんだが、やはり錐の伝説は伊達ではないらしい。俺と違って鉄心さんと組んだら恐ろしいことになると思ったけどね。

その後、陣形などの詳細をつめて、会議は終わった。因みにエーテル魔導砲を撃つのはイクスになった。

「手順も全て把握しています。動かない敵なら必ず当てて見せます。マスター」

「頼むぞ。イクス」

「イエス、マスター。狙い撃ちます」

あれ?

「イクス。その言い方どうしたんだ」

「銃で敵を撃つ時は『狙い撃つぜ!』と叫ぶものと教わりました」

よーし。イクスに変なことを教えたのは誰だ!するとクロウさんが来る。

「タクト。お前たちの武器の耐久値回復済んだぞ」

「ありがとうございます。クロウさん」

「礼を言うならこっちのほうだ。お前たちの武器をハンマーで叩くだけでレベルが上がるなんてどんだけだ」

その装備を作ったヘーパイストスのレベルはどうなっているだろうな。

とにかくこれで俺たちの準備は満タンだ。因みに攻略は今回ほぼ全員参加だ。島を囲むようにして、雑魚を逃がさず一網打尽にする戦法が採用された。

念のために第四の島の洞窟にも戦闘に参加しない生産職が配置された。もし防衛戦になった場合は洞窟を石で塞ぐ予定だ。そうすれば時間内に防衛可能と判断をした。他の拠点にはよっぽど早いモンスターが来ない限りは大丈夫だろう。

一応それぞれ錬金術師たちが壁を作り、入口を封鎖したが理想はやはり殲滅だ。

明日必ずイベントクリアしてやる!