Eternal Log
Episode 328: Researcher Bian
「まさか本当に有名な人物だったとは」
結果的にビアンさんの居場所を見つけるのはそう難しい事ではなかった。
イシュテリアに入って人に尋ねたら、
『あぁそのビアンさんなら子あそこに見える大きな研究所にいるよ』
とすぐに分かった。
でも、俺はあのビアンさんが本当にそんな有名な人物だとすぐには信じられずに他の人にも聞いたけど、同じ答えが返ってきた。
ビアンさんは小さい頃から賢く優秀で精霊研究者として有名だったが、なぜかダンジョンにハマってしまい研究がおろそかになったと言っていた。
それでもビアンさんの功績から研究者として除名はせず、ダンジョンに行っている間は休暇扱い、そして戻ってきて研究している間は研究者として賃金を支払われていたらしい。
戻ってきて研究している間は鬼気迫る程、精霊だけではなく様々研究をして実績を残したので誰も何も言わなかったそうだ。
でも、俺からすればその鬼気迫る程の研究をしていた理由は賃金を稼いで冒険者を雇いあのスケルトン達に復讐するのにあったのでは……と思うと複雑な気持ちになった。
なぜこんな事まで噂で流れるのかと思ったけど、良くも悪くも有名かららしい。
まだビアンさんが有名という事に信じられなかった俺は「いやいや、もっとひっそり研究してるビアンさんっていないですか?」って聞いたところ、
『ビアンさんに向かって失礼な! 地の精霊の加護を受けている、そして、精霊研究、ダンジョンと言えば一人しかいない! そして、あの美しさ……』
と怒られた。
それにしても俺は聞く相手も不味かったらしい。
そして、俺たちは教えてもらった研究所へとやってきた。
「とりあえずはビアンに会わないとな」
そう言うウィルの隣ではルルが少し警戒した顔をしている。
ルル……シャーリーの為に耐えてくれ。
そうして俺たちは研究所の敷地へ足を踏み入れた。