EX-Brave Wants a Quiet Life

Former hero meets the Pioneer

シュヴィア城内の一室にて俺はハノイ領に来る開拓団の面々と会う事になった。

「ハノイ村村長兼領主のノエルです。今回は参加して頂いてありがとうございます。」

「いえ、こちらこそやりがいがありそうな仕事を下さってありがとうございます。お金が無くて困っていたんですよ。」

錬金術師の女性、『ジャレット・ハワーズ』が『本当にありがたい!』という様な顔でお辞儀をする。

「え~と、ジャレットさんは錬金術師ですよね。」

「はい! ポーションでも何でも作りますよ!」

眼鏡をかけ『やる気十分!』とアピールする。

「ただ、調合に失敗する事が多くて工房を爆発させてしまう事があって遂に師匠の家から追い出されちゃいました・・・・・・。」

「まぁ、失敗は誰にでもありますから。次が魔法使いの『ラベンダ』さん、魔法学院では成績は優秀だったみたいですね。」

「えぇ、ですけど平民出身なのでなかなか評価をしてくれなくて・・・・・・。教師に抗議しても取り合ってもらえなくて、逆に『生意気だから退学』って・・・・・・、頭に来て校舎を半壊してきました。」

『ラベンダ・グルース』は、魔法の才能をスカウトされて魔法学院に入ったのだが平民出身、という事から馬鹿にされ続けたらしい。

それでも負けずに新しい魔法の発動方法や魔術式の研究をして論文にまとめたが評価されなかったそうだ。

アイナ曰く『魔術学院は古くて固い頭の奴ばっかり』らしくて自分の地位を脅かす様な生徒がいたら早めに潰すらしい。

若い才能を潰してどうすんだよ、と思う。

他の面々も人間関係が上手くいかなかったり、正当な評価がされなかったりと似たような境遇の面々だった。

「俺も皆さんと同じ様な経験をしているので気持ちがわかります。だからこそ、この開拓で結果を出して追い出した面々に思い知らせてやりましょう!」

別に復讐とかではなく、実力を見せつけてやれば良い、までの事だ。