EX-Brave Wants a Quiet Life

Why the empire has fallen

「そう言えば、どういう経緯でその帝国が滅んだんだ? シンシアがいなくなったからと言ってそう簡単に崩壊するわけないだろ?」

「俺も正直わからないんですよ。俺がシュヴィアに留学しに来た時はシンシアはまだいましたから。」

「私も首になって教会に保護されてからは帝国のその後はわかりませんよ。」

つまり、誰もわからないか……。

しかし、意外な人物が詳細を知っていた。

ミリィである。

「冒険者ギルドのネットワークでそういう情報が入ってくるんです。まず、シンシアさんがいなくなってからシンシアさんの部隊に所属していた兵士達が次々と軍を辞めて国を去って行った様なんです。で、その兵士さん達は周辺国の軍に雇われて結構偉いポジションに就いているそうなんです。」

「なんで、いきなり偉いポジションにまで行ったんだ?」

「出て行ったと同時に帝国の軍事技術がそのまま隣国や周辺国にも伝わったそうなんです。」

「情報規制は出来てなかったのか?」

「……親父達は『うちの軍事力は他の国には、真似できない!』て豪語してました。」

「周辺国はそれを改良して、一気に軍事力がアップしたそうで、気がついたら帝国を抜いていた、と。しかも、軍だけではなく冒険者にも恩恵があったそうで、最新の武器とかをギルドに貸し出していたそうなんです。」

「また太っ腹な事をするな。」

「そういうのもあって、帝国はだんだんと取り残されていったそうで……、それに危機感を覚えた一部の兵士達が王家に対して反乱を起こしたのが真相みたいです。」

「単純に言うと自滅したじゃないか……、あれほど注意したのに……。」

ケイズは呆れていた。

驕れるものは久しからず、とはよく言ったものだ。