EX-Brave Wants a Quiet Life

Former hero meets dungeon master

真っ暗闇の中を松明の炎を頼りに進み漸く階段を見つけた。

「マイン、疲れたか?」

「いえ、大丈夫です。……ご迷惑かけて申し訳ありません。」

マインは漸くゴールが見えたみたいでいつもの調子を取り戻していた。

「次が最終フロア、ダンジョンマスターがいる部屋か。」

「そうですね、とりあえず一発ぶん殴ってやりたい気分です。」

「ちょっ!? 調査が目的なんだろ!?」

「人のトラウマを刺激するような奴をこのまま見逃すわけにはいきません。」

完全に私怨が入ってるだろっ!?

なだめつつ俺達は階段を下って行く。

最終フロアは一直線の道があり奥には巨大な扉があった。

「この扉の奥にダンジョンマスターがいるのか。」

「この扉の大きさからすると……、ダンジョンマスターはドラゴン級ですね。」

ドラゴン、俺も何度か戦った事があるが魔獣の中では手ごわい相手だ。

そんなのが、領内にいるのか……。

「しかし、特殊な構造がしてあって普通に開けませんね。仕方がありませんがここで調査は終了としましょう。」

「そうだな、入れないならしょうがない。」

別に攻略に来たわけじゃないしな。

俺達は元来た道を引き返そうとした。

『ちょっと待ちなさい!』

突然どこからか声がした。

『我がダンジョンに初めて来た人間達よ。特別に歓迎してあげるわ。』

扉がゴゴゴという音と共に開いた。

「……入っていいのか?」

「開いたと言う事は入っていいんでしょう。」

俺達は扉の中に入って行った。

「……なんだこりゃ?」

中に入って俺は驚いた。

中には多数の画面があり、大きな機械があった。

「ようこそ、私のダンジョンへ! 私はこのダンジョンのマスターの『エルフィン』よ。」

そこには桃色の長髪の幼い少女がいた。

ただ、普通の少女と違うのは頭に角、そして尻尾、背中には片翼があった。

「ド、ドラゴンなのか?」

「私は『ハーフドラゴン』、半分ドラゴンで半分人間よ。」

「ハ、ハーフドラゴンてかなり貴重の種族ですよ。」

冷静なマインもちょっと興奮している。