EX-Brave Wants a Quiet Life

Former hero, know the back of nobles

「そう、料理の勉強をしているの。」

「まぁ、俺がどやした結果なんですが……。」

俺はシュヴィア城に来て、何故か王妃様に捕まりお茶を飲んでいる。

それで、リリアの近況を話した。

「あの子は貴族の黒い部分を見てきたから貴族を毛嫌いしている部分があるのよ。だから、あまり他の令嬢と深くは付き合わないのよ。」

「黒い部分、と言うと?」

「足の引っ張り合い、権力闘争……。」

なるほど、そんな物を幼い頃から見せられたのであれば毛嫌いするのもわかるような気がする。

「更に実家の腐敗ぶりを見せつけられたから余計に……。私もフォローすればよかったんだけど忙しくて……、気づけば男勝りな性格になっちゃって……。」

俺的には本人が満足しているのであれば良いと思うんだけどなぁ……。

まぁ、王族ともなるとそうはいかないんだろうな。

「そういえば、リリアには新しい婚約者はいないのか?」

王妃様は頭を横に振った。

「私はお見合いで無理やり結婚させるよりも、本人が納得してくれる方が良いと思うわ。貴族や王族の結婚ってほとんどが『政略結婚』で、その殆どが『仮面夫婦』なのよ。中にはお互い愛人がいて、相手の出方を伺っている夫婦もいるわ。」

「伺っている?」

「つまり、離婚沙汰になって慰謝料の問題になった時に、相手の過失にさせたい訳よ。」

「より多くの慰謝料を取る為にか? えげつないなぁ……。」

「愛の無い結婚をすると繋ぎとめるのはお金とか地位だけになっちゃうのよ。貴族同士ならまだ良い方だけど、リリアの元婚約者は他国の王子だったから最悪戦争のきっかけになってもおかしくは無いのよ。まぁ、向こうの国王が良識のある人だったから今の所は大きな問題にはなってないけど。」

……大変なんだなぁ。