EX-Brave Wants a Quiet Life

It does n’t matter if it ’s good or bad

「あら、何だか良い匂いがしてきたわね。」

「あっ! クッキーが丁度焼き上がったみたい。」

ミラージュの話に夢中になっていてクッキーの事を忘れていたみたいだ。

リリアは慌ててオーブンに向かいクッキーを取り出した。

「良かった、丁度良い焼き具合です。焦がしたら水の泡になる所でした。」

各自が作ったクッキーを取り分けて皿に入れてテーブルに置く。

「さぁ、どうぞ。ご自分で作ったクッキーは既製品とはまた違う味がしますよ。」

そして、自分が作ったクッキーを王女達は頬張った。

「・・・・・・あら、意外と美味しい。」

「お店の味と変わりませんわ。」

「う~ん、もうちょっと塩気が欲しいかしら?」

「・・・・・・ん、美味しい。」

王女達の感想はそれぞれだが結構満足をしているみたいだ。

「メイア様、ちょっと一口戴きますわ。」

「あ、ちょっと!」

「あら、意外と美味しい。」

「意外ってどういう意味かしらっ!? そう言うなら私もアミア様の物を一口戴きます!」

パクッ

「ちょっと固いですけど食べれない味ではありませんわね。」

「どういう意味かしらっ!?」

「意外て言ったじゃありませんかっ!」

メイアとアミアが言い争いを始めているが何か表情が柔らかい感じがする。

「・・・・・・ギスギスした感じがしない。リリアの思惑通り。」

「ミネルバ様、リリア様の趣旨わかっていたんですか?」

「・・・・・・ん。」

言葉数が少ないがミネルバは一番空気を読むタイプみたいだ。

「流石はあの『大魔導士』の血を継ぐ子ね。」

「大魔導士?」

「そうよ、ミネルバは私達先代勇者パーティーの一員だった大魔導士の血筋の者よ。」

ミラージュの発言に一瞬空気が固まった。

「・・・・・・ぶい。」