EX-Brave Wants a Quiet Life
Former hero hears story of former prince
「まさかあそこで倒れるとは思っていなかったよ……。」
あれからすぐに行き倒れていた人物『ローニー・シュヴィア』を村に連れて行きすぐに食事を用意すると勢いよく食べ始めた。
そして、元気を取り戻した。
「しかし、飲まず食わずで過ごすなんて……、相変わらず無茶ですよ、兄上。」
「はは、申し訳ない……。」
「そうですよ!! 全く連絡もくれないで私達がどれだけ心配していた、と思っていたんですか!?」
「シュバルツ、リリア心配かけてすまなかった。でも、母上や父上には手紙は出していたんだけどなぁ。」
『えぇッ!?』
二人とも知らなかったみたいで驚きの声を上げていた。
後で王妃様に聞いたら、確かに手紙は受け取っていたけどわざとシュバルツ達には伝えていなかったらしい。
理由は『二人に王族としての役割を自覚してほしいから。』と言う事らしい。
じゃあ、親は良いのか、と言う話だが『ローニーだったら何とかなるでしょ』と言う事らしい。
なんだ、その謎の信頼感。
「改めてだけど、この村の村長兼領主をやっているノエルだ。」
「ローニー・シュヴィアです。二人がお世話になっている事は母上からの手紙で聞いています。」
「一つ聞きたいんだがなんで国を飛び出して旅に出たんだ?」
「いやぁ、ぶっちゃけると城内にいても居場所が無いんですよ。優秀な兄弟と比べると俺なんて普通ですからね。だから、国王になる資質なんてもっていないんですよ。お荷物になるぐらいだったら旅に出て見聞を広めようと思ったんです。」
「何を言ってるんですか!? ローニー兄上は学校でも優秀な成績を上げていたじゃないですか!?」
「その成績よりも優秀なのがシュバルツだろ? リリアも俺よりも強いじゃないか。剣術の練習でリリアに負けた時、心がポッキリと折れたよ。」
「そ、そんな……。」
「俺が精神的に弱かっただけだ。リリアは気にする事ではないよ。」
そう言ってほほ笑むローニー、リリアは泣きそうになっている。