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474. of the Fairy Chamber of Commerce, the new system, part II (gates connected with vertical and horizontal management).

『フェアリー商会』の各事業についても、新体制として各事業毎に統括する事業本部を作るかたちにした。

その事業のノウハウや情報の共有を早め、標準化するためである。

事業本部は、基本的に商会の『統括本部』がある『マグネの街』に置くことにした。

『マグネの街』で実施していない事業については、実施している場所に事業本部を置くかたちになる。

今までは、各市町の支店本部で支店全体の事業を横断的に管理していた。

もちろんその体制で問題はないし、その地域に根ざした支店として一丸となって事業を推進するべきなので、今後も継続していく。

今回の事業本部体制によって、各事業自体を強化することができる。

いわば支店ごとに分散してしまっている事業を、事業本部が一括して管理運営するのである。

支店単位でのまとまりが横軸の管理運営だとすれば、事業本部としてのまとまりは縦軸の管理運営と言える。

別の言い方をすれば、支店単位のまとまりは顧客サービスの充実を目指し、事業本部としてのまとまりは、新商品や仕組みの開発など事業の強化を目指すという感じである。

このやり方は、下手をすると指示がバラバラになったり、支店と事業本部がもめたりなどという可能性もある。

だが、あくまで今回の事業本部制は技術共有や情報共有を早めて、改善進化するためのものなので、なるべくフラットにやりとりをして、問題が出ないようにやってもらおうと思っている。

これには幹部同士の連携や情報共有が重要だが、その辺はサーヤに任せておけば大丈夫だろう。

実際に各事業を見ていくと……

一、『統括本部』——商会全体の方針の決定や人事、財務など運営全般を統括する部門。

商会の頭脳とも言える部門で、以前に確認した通り今回大幅に拡充している。

この全体の『統括本部』の下に、支店ごとの『支店本部』が一応管轄として入ることになる。

○『マグネの街』には『統括本部』が置いてあるので、いわば本店であり『支店本部』は無い。

○『領都支店』の『支店本部』の体制は、支店全体を統括する総支店長と『支店本部』所属の幹部が十二人の体制になっている。

総支店長のメリンダさんは、元々『正義の爪痕』に囚われていた女性たちのリーダー的役割をしていた人だが、サーヤの見込み通りリーダーシップを発揮して、支店全体をうまくまとめてくれているようだ。

○『ナンネ支店』の『支店本部』の体制は、支店全体を統括する総支店長と『支店本部』所属の幹部が二人の体制になっている。

総支店長のカイラーさんは、領都の悪徳奴隷商人のもとにいたところを保護し、俺の奴隷になっていた人だ。

今は奴隷紋を解消したので、奴隷ではない。

カイラーさんと一緒にいたメリッサさんとタイラーさんの二人は、幹部として『支店本部』の配属とした。

一緒に保護して、カイラーさんたちと家族として暮らしいる子供たち四人も一応『支店本部』の所属だ。

十三歳のアレックスちゃん、十一歳のレナちゃんは、補助的な仕事をして手伝ってくれている。

八歳のマギーちゃん、六歳のモン君は、遊びに来ているという感じだが、将来有望な幹部になってくれるかもしれない。

『ナンネ支店』の『支店本部』は家族経営の様になってしまっているが、まぁいいだろう。

○今後『イシード市』にも『イシード支店』を作って、『支店本部』を作ることになる。

総支店長の候補は、『土使い』のエリンさんだ。

彼女は元文官だが、文官の仕事ではなく『フェアリー商会』の仕事がしたいと希望してくれているのだ。

エリンさんは、二十歳だが文官の経験が四年もある。

成人して間もない十六歳で文官になっている事自体、優秀な証拠なので、仕事を覚えてもらえれば総支店長を任せられる人材だと思う。サーヤもそう見ているようだ。

○ヘルシング伯爵領の『サングの街』では既に『フェアリーパン』がオープンする予定だ。

各市町でも、何らかの商会の事業を展開することになるが、ピグシード辺境伯領で行っているような多角的な展開は、今のところしないつもりだ。

ただいずれにしろ各市町に、商会の支店ができるのは確かなことだ。

今後採用する人材の中から総支店長候補を選出して、育てていこうと思っている。

ちなみに採用する人材は、『正義が爪痕』のアジトから救出した人たちの中に希望者がいて、既にある程度の人員は確保できている。

『サング支店』の総支店長は、『闇影の義人団』リーダーで、『植物使い』のデイジーちゃんの親代わりのスカイさんにお願いしようと思っている。

そして当面の間は、ヘルシング伯爵領内の各支店の規模はそれほど大きくないので、『サングの街』にヘルシング伯爵領内にある各支店の『エリア本部』を置こうと思っている。

各支店の規模が大きくならない限りは、『エリア本部』として取りまとめるのが効率的と考えたのだ。

スカイさんにエリア本部長として、全体を見てもらおうと思っている。

もちろんスカイさんだけでは大変なので、軌道に乗るまではサーヤたちが全面的に協力するかたちになる。

それからもう一つの目玉は、各支店の幹部がすぐに集まって打ち合わせができるように、魔法道具を使うことにしたことだ。

それは、失われた『マシマグナ第四帝国』のテスト用第四号迷宮『トラッパー迷宮』で手に入れた『対鏡の門(ツインミラーゲート)』という名前の大きな魔法道具である。

この魔法道具は、普通のドア二枚分ぐらいの大きさの鏡が二つで一セットになっている。

『階級』は、『究極級(アルティメット)』であり、今では失われている技術を使った貴重な魔法道具である。

見た目は巨大な全身鏡で、自分の姿が映るので誰も魔法道具とは思わないだろう。

『トラッパー迷宮』でテストしている探索者を強制的に移動させるトラップの原理を応用しているらしく、この二枚の鏡がゲートになっていて、鏡の中に入るともう一方の鏡の場所に出るという転移系の魔法道具なのだ。

厳密には、空間を飛び越える『転移』というよりは、空間を繋げる『ゲート』なんだろう。

一応、転移の魔法道具と区別して、ゲートの魔法道具と呼ぶことにしようと思う。

手に入れたのは、もちろん一セットだけだが俺の『波動複写』でコピーして、支店の数だけ作って設置することにしたのだ。

俺が作ったものではない魔法道具を『波動複写』でコピーするのは、本来なら自主規制に引っかかるが、購入することもできないし、誰かに販売するわけでもないので自主規制を緩和した。

自分たちで使うだけだからいいだろう。

せっかく手に入れたんだし、有効活用させてもらおうと思う。

一セットだけでは、あまり意味がないと思っていたが、各支店におけるなら一種の革命だ!

この魔法道具を使えば、すぐに直接会って打ち合わせや会議をすることができるからね。

ただ運用には、気をつけないといけないところもある。

転移の魔法道具と違って、魔法道具を持っていなくてもこの『ゲート』を通れば、誰でも移動できてしまうのである。

もっとも、この魔法道具にはセキュリティー機能もある。

機能選択で『常時開放モード』と『登録識別モード』を選んで使うことができるのだ。

『登録識別モード』にしておくと、事前に登録した者しか通れなくなるので、一応の安全対策はできる。

この機能をオンにして、事前登録者以外は使えないようにしようと思っている。

それ以外の者を通過させるときは、サーヤの許可を得るというかたちにする予定だ。

そして商会本部と各支店本部には、この魔法道具を設置するための秘密の地下室『鏡部屋』というものを作って、幹部しか入れないようにする予定だ。

もう一つ念のため、各支店本部にはこの魔法道具は一つしか置かず、全てが商会本部の『鏡部屋』に繋がるようにする。

つまり支店間で直接行き来できないようにするのだ。

必ず一度商会本部に来てから別のゲートを使って、違う支店に行くという運用にしようと思っている。

これも安全対策の一つだ。

これが稼働すれば、毎朝幹部を集めてミーティングをすることもできるし、ちょっとした打ち合わせが必要になってもすぐに実行できるのだ。

また、人だけでなくある程度の商品も運べるので、サイズの小さな商品に関しては、完全に物流革命にもなっている。

まぁ大きな商品も含め必要な場合は、サーヤの転移で運んでるから、物流革命は既になされているんだけどね。

ただサーヤの転移は秘密裏に行っているから、普通の商会メンバーは知らないのだ。

今後は、転移の魔法道具『転移の羅針盤 百式 お友達カスタム』については、幹部には解禁するので、それを使えば大きな荷物も運べてしまうのだ。

『対鏡の門(ツインミラーゲート)』の良さは、転移の魔法道具を持っていない者でも登録してあるスタッフなら、気軽に自分で持って商品を運べるということぐらいにはなってしまう。

ただそれだけでも、十分に大きなメリットだ。