補習編 主要登場人物

○佐山貴大(21歳)

夏休みにまで補習に付き合わされた主人公。ある意味、教師らしいことをしているとも言えるが、本人は乗り気ではなかった。それでも、久々のローグライクを堪能している辺り、結構バケーションを楽しんでいるとも言える。

本章のラストで、何やら危険なものを見つけてしまったようだが――。

ちなみに、好きなローグライクゲームは『風来猫Elona ~ディアボロモンの不思議なチョコ冒険~』。

○フランソワ・ド・フェルディナン(16歳)

イースィンド一の大貴族、フェルディナン家の後継ぎ。その名に恥じない完成度の高さは、初見の迷宮であっても一日足らずで制覇を可能とする。

分析力のカミーラ、合理性のドロテア、強運のフォルカとは違い、総合力を以ってローグライク迷宮を征した才媛。恐らく、貴大の助力がなくとも最下層に到達することは可能だった。

それでもやっぱり助けてもらって嬉しい辺り、年中「ですわですわ」と言っている金髪ロールも乙女と言えた。

○ドロテア・イザベル・フォン・ローザリンデ=バルトロア(16歳)

鉄の国からの留学生。銀色の髪に、白い肌。そして、鈍色の目をした末の王女様。貴大を警戒しているが、あまりに反応がないので、最近は敵の動きを考えあぐねていた。

そのような中で、フランソワから補習に誘われた時は、「ようやく来たか」と思ったのだが――結果として、ますます混迷を極めることとなった。

黒騎士の中身を知り、貴大と和解する日は来るのだろうか。案外、近いのかもしれない。

○カミーラ・カヴァッローネ(16歳)

考察や詰めチェスが大好きな、魔女っ子カミーラさん。普段は口下手でどもりがちだが、持論を述べ始め、熱が入ると饒舌にしゃべるようになる。

閃いたら即実験の天才エルゥとは違い、考察して、仮説を立ててから実験を行う秀才型。そのため、のめり込みやすい性格だが、黒髪エルフのような狂気的なふるまいはしない――はず。

○フォルカ・ラセルナ・ボルトロス・ド・イースィンド(15歳)

中等部三年生となり、少し背が伸びた王子様。『貧弱なお坊ちゃん』といった体も、某女騎士との修行によってたくましく引き締まった。が、中身はそう簡単に変わるはずもなく、未だに貴大を敵対視しているのは、やはりフォルカといったところか。

半年前、フランソワに「人としての力が劣っている」と言われたので、格闘術や剣術の鍛錬に明け暮れていた。人としての力=身体能力ではないのだが、結果として少しずつ成長しているので、フランソワからツッコミは入らなかった。

何気に、補習組の中では、貴大の助言、助力を受けずに迷宮をクリアした唯一の人物。

○初代学園長

学園迷宮に宿った初代学園長の魂。〈ダンジョン・クリエイター〉の力と、二つのダンジョン・コアの力を使って、日々、迷宮の改善に努めている。

現在のバリエーションは、第一部の初期型迷宮、第二部の鬼畜迷宮、ランダム・ダンジョン、ローグライク迷宮の四つ。細かな修正は加えられているが、基本としてはこれだけ。

最近は苦心の作品が制覇されてばかりなので、『クリア不可能迷宮』を造るか、造るまいか、葛藤に揺れている。