「あ、ロゼここにいたんだ。」

今日もエリック殿下と一緒に図書室でお勉強...。

今回はルー、ソフィア様、ウィル様もいるのでいつもの好奇の目で晒される事は無い。...一応。

早くこんな勉強会終わらないかなぁ。と思っているとエルと...リノア様が一緒に図書室へとやってきた。

(今日も一緒なのね...。)

「エル...どうしたの?」

「ん?僕もロゼと一緒に勉強したくてロゼを探していたんだ。」

「エル達は初めての試験なのよね。私で良ければ」

「ありがとう!えーと...」

そう言うとエルが何処に座ろうか悩み始めた。

元々私の左隣はルーが陣取っていて、反対側はエリック殿下がいる。それに私の目の前にはソフィア様、そしてその横にはウィル様がいる為、エルが座る場所が無い。

「ここでは狭いわね。隣のテーブルに行く?」

「うん!リノアはロゼがいた所に座ると良いよ。リノアも今回の試験、僕と一緒に受けるんだろ?せっかくなんだし、エリック殿下達に分からない所教えてもらいなよ。」

「え、わたしもエルと一緒にローゼリア様に教えてもらいた...」

「あらリノア様、私達で良ければお教えしますよ。ね、ウィル様?」

逃がさないというようにソフィア様がリノア様に席に座るように促す。

「...な、ならお言葉に甘えよう、かな...」

リノア様の丸い豹の耳がペタンと折れて少し不服そうな顔で此方を見たが私と目が合うとフンッ!と顔を逸らされてしまった。

「...ローゼリア様!わたし、今回の試験でローゼリア様よりも全て良い点数を取ってみせるので覚悟していて下さい!」

此方に顔も向けずに言ってきたリノア様に私はどう反応して良いか分からずにいた。

それから数時間私はエルの勉強を見つつ、自分も分からない所は先輩であるウィル様やソフィア様に聞いたりして有意義な時間を過ごした。

「ロゼは優秀だから明日からの試験、大丈夫だろうね。」

ウィル様が私の頭を撫でながら褒めてくれる。

「そうよ、ロゼちゃんは優秀だから心配いらないわね!...私、エリック殿下が心配だわ。」

ソフィア様がそういうのも無理も無い。今日

エリック殿下に過去問を解かせたら赤点にギリギリのラインだったのだ。

昨日まではそんな事無かったのに、不思議だ。

「むっ、ローゼリアは教え方が上手いからわかりやすいが兄上達はあえて難しく言うから分からなくなってしまうのだ!」

「いや〜面白くてついね。はははっ」

(それはどうかと思うんだけど。赤点ギリギリは不味いから今日間違えた所を教えてあげたいけど今日はもう時間無いし...どうするのかな?)

「ローゼリア、申し訳無いが明日の朝、早めに来てもらう事は可能か?君に教えて貰った方がわかりやすいんだ!」

「そうですね、王族が赤点だなんて困りますもの。私で良ければお手伝いしますよ。」

「ロゼの手を煩わせるなんて申し訳無いから城に戻ったら俺がみっちり付きっきりで教えてあげるよ?エリック」

悪魔のような微笑みでエリック殿下を見るウィル様。

(...エリック殿下、ご愁傷様。なんか可哀想だから明日は早めに登校しましょ。)