I Became the Demon Lord and my Territory is an Uninhabited Island
Episode 12: when I bought a weapon
スズランの部屋に、鈴蘭の模様の入ったお手製髪飾りを贈った次の日、珍しくスズランは寝坊しなかった。しかも髪を梳かして、髪留めをしっかり付けてきている、少し恥ずかしそうに。
「似合う? かな?」
前髪を少しいじりながら髪留めを気にしている。
「作った本人が言うのもなんだけど、似合ってるし可愛いよ」
身長が同じくらいだから上目使いは無かったがまぁこれはこれで。
学校に着き、教室はそのままだけど学年だけ上がっただけだった。まぁクラスも1クラスしかないし、男女合わせクラスメイトが15人しか居ないからね。年上も居るけど俺等より少なかったりする。
そうしてる間にフィグ先生がやってきた。廊下にはトカゲに近いリザードマンが待機している。
「学年は上がったけど特にやることは変わらないから安心して、けど野外授業で討伐訓練が追加されます、その引率の先生を紹介しますね。どうぞモーア先生」
「モーアだ、大体30日に1回、村の外に出て魔物を狩る練習をする。俺が引率をするが、訓練や実戦に絶対は無い、心してかかるように。それと各自武器を親から借りるか買ってもらうか、自分で買うかしておけ、別にこだわりが無いなら学校の備品を貸すから何が自分に合うか決めてからでも遅くは無い。
後、学年が上がりフィグ先生の戦闘訓練が俺に引き継がれることになった。その時に武器を選べ。以上だ」
なんだろう、父さんより人の割合が少ない、3割人って所か、なんたらキャリバーに出て来るアイツにそっくりだ、あとどうやって声出してるのかめっちゃ気になる。
「ってな訳です。私は語学と算術だけになります。では早速モーア先生の授業になるので外に出てください。」
といわれ全員ぞろぞろと外に出る。
「今日の所はこの備品で何とかしろ、使いたいものが無い奴はとりあえず片手剣にしておけ」
と言いつつ刃を潰した剣や先にクッション材のついた槍や斧なんかも有る。
ちなみに俺の使いたかった武器は備品には無い。ちなみにスコップだ。
万能近接戦兵器、斧の様に使って良し、槍のように突いてよし、叩いてよし 弾いてよし、最悪投げても良い。全長1~1.5m重さ1~2kg頑丈で安価、農具としても使え綺麗にすればフライパンにも使える。ある意味万能兵器です。
多分倉庫にあると思うんだけどここには無い。
まぁ、使いたい武器は無いから柄の部分だけでも似せる様にショートスピアにする。
両手で持ち、腰の位置で横に持つ様にして構える、先生に「構えが違う」と言われたので使いたい武器が無いので似てる武器を選びました。と言ったら「そうか・・・」と深くは突っ込まなかった。
マチェットでも良かったんだけどそれも無いからね。
各自思い思いの武器を手にしてい居るが種族柄「あーやっぱりそれ取っちゃう?」ってのが多かった。
ゴブリンのヴルストは、ロングソード+小丸盾。
オークとエルフのシンケンは元から弓だった。
コボルトのシュペックはダガー+小丸盾。
鬼神族のスズランはショートスピア。
ダンピールのミールはレイピア+マンゴーシュ。
グールのクチナシはショートスピア+大丸盾。
意外だったのは女性陣だった、それ取っちゃう?までは合ってたけど微妙に想像してたのと違う。
スズランはまぁ、薙刀が似合いそうだから仕方ないとして、ミールの二刀流は意外だった、レイピアだけだと思ったけど、クチナシはもう密集陣形を意識させるような装備だ、ゾンビやグールは物量が正義って感じなのだろうか?
その日の訓練は各種武器の御触り程度ってな感じだったが授業の終わりに。
「じゃぁ来週までに各々準備してくるように、忘れた奴はずっとこの備品の奴を使ってもらう事に成る。まぁ武具は高いからこの備品で慣れておくのも一つの手だ。討伐訓練の時は刃が潰れて無い物を用意するから安心しろ。解散!」
学校が終わり冬の間に手慰みに作ってたトンボ玉と編みマットを雑貨屋に売りに行く、え?木彫りの彫刻?冬の間に薪になりましたよ?
「んー綺麗だね、コレはガラスかな?こっちのマットは端切れか、これなら汚れても気にならないな」とかなんか言ってたが結局銀貨5枚で売れた。
ちなみに土地によって物価の変動は有るが貨幣価値はあまり変わらないらしい、ちなみに硬貨の種類は。
銅貨
大銅貨=銅貨10枚
銀貨=大銅貨10枚
大銀貨=銀貨10枚
金貨=大銀貨10枚
大金貨=金貨10枚
パンが銅貨1枚で買えるから日本円で100円位?良く解らん!
その足で道具屋に行き剣スコップを買う、柄が木のではなく鉄製で中が空洞で生前売っていた金色の象さんが描いて有るやつとあまり変わらない、しいて言うなら少し長いくらいか?中が空洞なら重くも無いからね。
あとバールだ、それなりの長さそれなりの重さ、鉄の棒みたいに高い耐久性で片手でも持てるし両手で握ってもそれなりに使えるのが良い、ちなみに60cm位だ、長い奴も有ったが取り回しに苦労しそうだしその分重くなるから手頃なのを選んでおいた。ちなみに60cmと90cmのどっちを買うか15分ほど悩んだ。あと麻紐も買っておいた。
二つで銀貨1、大銅貨3枚で買えたが、マチェットは農具でも鉄を使って刃が付いているので意外に値が張ったのでまた今度にする。
ちなみに魔法で出したスコップで地面を掘ったら5回目に突き立てた時に消えた。放置するのと使用するのとでは精製した物の魔力消費が違うらしく、微々たる量だが、常に魔力を垂れ流し、いつ消えるか解らない物を持って居るより、現物を持ってた方が良いと個人的に判断した。
黒曜石のナイフは、投げて刺しても魔法で射出しても刺さったら意外に早く消えたので、遠距離か近距離かで手に作り出すか射出するかを判断しよう。魔法で作った武器は、緊急時以外は本当に心ともないのがネックだ。まぁ最悪魔力垂れ流しで使うのも良いね。
さて、これに手を加える事にする。スコップの両側を削り斧のようにする必要がある。
粉とかが飛び散るので部屋で出来ないので森に行く。
冬の間に、椅子の蔦や細々したものが腐ったり、枯れたりで使い物にならなくなってたが、この辺は後で手を入れるとして。まずは研ごう。
硬度の高い平たい丸い石を魔法で出現させて高速回転させてグラインダーで削るように研いでいく、あまり鋭角に仕上げると、欠けたりするから太く鈍角に削る。
試しに、その辺の木に切りかかってみるが3cm位食い込む。
生身の手や足なら致命傷か、曲がっても居ないし特に問題はなさそうだ。
バールは、持ち手の部分に麻紐を巻くだけで特に手を加える必要は無いよな?
後は投擲を石からナイフに変えて適当に投げる。重心が前じゃないので回転を掛けて投げると5回投げて4回は刺さるようになってきた。
後は魔法で作った、黒曜石の苦無みたいな物を、この世界の標準的だと思われる速度で射出していく。コレは狙った所に飛ぶ、刺さったら1分位で消えるので回収の必要は無いから楽だ、他にも鋭そうな氷なんかでも試したが刺さらず砕けた。多分木が固すぎるのが原因かもしれない、肉で試したことが無いから何とも言えない。あと強度不足の為、楕円形にして高速回転を掛けた時点で粉々になる。もしやるなら回転を掛けずにそのまま射出するしか無い。超A級のスナイパーも氷の弾丸を使った事が有るし。不可能ではないと思う。
獲物は春先なので、子供がいると思ったので止めておいた、乱獲しても生態系が狂うと思ったからだ。今度アルクさんに聞いてみよう。
こうして俺は武器を手に入れた。