【レクシア】に泊まる宿の候補は、セシリアさんが事前に調べてくれていたのですんなりと宿は決まったのだが、宿の部屋割りについて、意見が割れていた。

泊まる予定の宿は階層が高くてちょっと値段が高いけど、【レクシア】の街並みが見渡せるという良い感じの部屋が空いていた。 しかし、空いている部屋は2名部屋が2部屋だったのだ……。 

自分とセシリアさんの考えでは、自分とセシリアさんが同じ部屋に泊まり、コーデリアさんとシンシアさんが同じ部屋に泊まれば良いかなと考えていたけど、コーデリアさんとシンシアさんは自分と一緒の部屋が良いと言い出したのだ。

「私とシンシアはエルフ族ですから、身長も低いですし、2人部屋に4人でも大丈夫です!」

「うん。 大丈夫。」

「いや、そう言う話ではなくて、2人部屋で4人は駄目なんじゃないのかな。」

「お客様。 多少、割高になるので良ければ、2人部屋に4人が宿泊しても大丈夫ですよ。 追加料金でベットも大きいのに変更する事が出来ます。」

自分達が宿の受付から少し離れた所で話をしていたからか、話を聞いた受付の女性は親切心からコーデリアさんとシンシアさんの希望は叶えられると伝えて来てくれた。

何となく頼めば4人で泊まるのも出来そうな感じはしたけど、セシリアさんと同じ部屋にしたかったのには、別の理由があった。 

それは泊まる予定の1週間、4人で同じ部屋に泊まって寝るのは、自分の精神的に緊張して眠れない……。

前世のラノベとかのハーレム系には憧れてはいたが、実際にコーデリアさんとシンシアさんは超美少女で、テレビで見ていたアイドル並だし、見た目が幼女なので倫理観的に手を出してはいけないという葛藤が発生してしまうのだ。

しかし、それを言うのも恥ずかしいし、あれだしな……。 

「それじゃあ、2人部屋で4人が泊まります。 料金の割高に関しては気にしないので、良い感じにしちゃって下さい。 前金が必要なら1週間分払います。」

「分かりました。 宿泊費は前金になり、追加分は後精算になります。 しかし、流石は若いのに3人も女性を連れているだけありますね。 ちなみに追加オプションで部屋をカップル仕様にも出来ますが、どうしますか?」

「うん。 じゃあ、それもよろしくお願いします。」

もう、とことん楽しむか……。

「分かりました。 部屋を整えるのに1時間は頂きます。 それまではどうされますか?」

現在は夕方手前で微妙な時間なんだよな。

「それじゃあ、どこかカフェで時間を潰したいので、お薦めのお店はありますか?」

受付の女性に聞いた、お薦めのカフェで自分達は【レクシア】で何をするかを話し合うつもりだった。

「この街では1週間位の滞在を予定しているけど、何しようか?」

「そうですね。 私は【レクシア】で有名な巨大プールは行ってみたいです。 後はこの街でも水競技や水闘技は盛んなはずですから時間があれば見たいですね。」

「【レクシア】、にある、ダンジョンが、興味ある。」

「そっか、ここは初級と中級クラスのダンジョンがあるんだっけ?。」

「そうですね。 初級、中級しかないので【レクシア】は【水の国】のベテランからは初心者の街と言われたりしていますね。」

なるほど、ゲームで言えば最初を街みたいなものか。

「それじゃあ、僕達にちょうど良いかもね。」

「はい。 しかし、【レクシア】では上級クラスの冒険者が極端に少なくなるので、魔竜みたいな上級クラスが討伐するのが放置されたりするんですね。 あと、中級クラスの人達が天狗になりやすいとは聞きました。」

「そっか、中級クラスの冒険者がトップクラスになっちゃうのか……。 そしたらとりあえず、僕は中級クラスのダンジョンに行きたいかな。」

「私は巨大プールと水競技を見に行きたいです。」

「私も、巨大プールと、水闘技が、見たい。」

「あれ? シンシアさんは水闘技が苦手じゃないの?」

「レイさんが、活躍する、ところが、見たい。」

「あっ! それは私も見たいです! レイくんが水競技で優勝したのを見れませんでしたし!」

「うっ……。 確かに学校の水競技はかなり強かったけど……。」

空を浮いたり、【短距離転移】したりはしなかったけど、他はいろいろしたからな……。 あれをして良いなら活躍は出来るのかな?

『マスター。 水競技と水闘技についてルールを調べておきましょうか?』

『おお、セシリアさん。 頼むよ。』

『分かりました。 明日の朝に調べた内容をお伝えしますね。』

『それは助かるよ。 出来たら朝食時にでも情報があれば予定も立てやすいからね。』

なんかセシリアさんは有能秘書兼ボディガードみたいな感じになってきたな。 メイド服を着ているけどね……。