Kami neko Mii-chan to neko youhin shoukanshi no isekai funtouki

34 Divine Cat Me, I'll give your horse a name.

なんか今日はとても忙しかったような気がする。あれから、ギルドの仕事に入り気付けばもう八の鐘が鳴っていた。もう、くたくたです。

「いやー。本当にご苦労さん。今日も早く帰れそうだよ。娘との時間が取れて、大感謝だよ」

ヘンリーさんは子煩悩のようですね。

さて、俺も一度馬舎に寄ってから帰りますか。ミーちゃん、どこ~?

最初に着ていた仕事着が変わってるね……。また、貢がれたみたいですよ。ミーちゃんの周りには色とりどりのリボンやスカーフにハンカチーフが置かれている。ミーちゃんは嬉しそうに、お姉さん達に愛想を振りまいている。なんて罪作りな子猫なのかしら……。可愛いから許しちゃうんだけどね。

ミーちゃんと馬舎に行ってお馬さんにブラッシングをしてやる。今日はちょっと寒いので、お馬さんに毛布を掛けてあげる。その間、ミーちゃんはお馬さんとスキンシップを交わしている。

桶の水を新しいものに変えて、ミネラルウォーターを一本分入れておく。飼い葉も新しいものを、隣の桶に加えておいた。明日の朝また来るね。

帰りに夕食を宿の隣の食堂ではない食堂で食べたけど、いまいちでした……。早急に、美味しい店を見つけたいところだ。

翌朝、隣の食堂でミーちゃんと一緒に朝食を食べ洗濯物を引き取り部屋に置き、ハンターギルドに向かった。

馬舎に行って様子をみるけど昨日の夜と変わりは無いようだ。

桶の水も殆ど無い。ミーちゃんの桶にミネラルウォーターを入れてあげると、自分から飲み始める。お皿に猫缶二個分を盛り、与えるとこれも自分から食べてくれた。

今日はお天気が良いので街の外に出て日向ぼっこでもさせてあげよう。もちろん、街の外に出ると言ってもすぐ近くだよ。モンスターに襲われたらひとたまりもないからね。

門を目指してミーちゃんを頭に乗せたお馬さんを連れて歩く。一応街中ではお馬さんに綱は着けている。外に出たら外してあげるつもりです。

ミーちゃんを乗せたお馬さんを引っ張って門まで来て、ハンターギルド職員証明書を見せて外に出る。街の外周を回ってみよう。お馬さんの綱を外してやるけど、おとなしいものです。お馬さんの目を見るとても賢そうな目をしている。俺が歩くとちゃんとついて来ている。

のんびりと散歩を楽しむ。この世界に来て初めてかもしれない、こんなにのんびりと散歩するなんて。などと言っていられたのも街の半分を歩いた時までだった……。

出た門の反対の門に着いた頃にはヘトヘトでした。自分の体力の無さを忘れてた……。

お馬さんはまだ、動き足りないような顔をしているので仕方ないので自由にさせる事にした。必ず、自分が見える所に居るんだよと念を押してから放してあげる。ミーちゃんは俺と一緒ね。

「みぃ……」

街の防壁に寄りかかり、お馬さんを見ながらミネラルウォーターを飲む。生き返るねぇ。

ずっとお馬さんって呼んでるのもなんだし、名前を付けてあげようか?

「お馬さんに名前付けてあげた方が良いよね?」

「み~」

「女の子だから、花の名前とかが良いかな?」

「み~」

「バラ」

「みぃ……」

「だよね……。白っぽいからユリとか?」

「みぃ……」

「駄目ですか……目が紫色だからスミレなんてどう? 確か花言葉は謙虚、誠実、小さな幸せだったかな」

「み~!」

「じゃあ、スミレで良いかな。一応ご本人にも聞いてみようね」

「み~」

しばらくして、満足したのかお馬さんが戻って来た。桶に水とミネラルウォーターを一本入れて飲ませてあげる。

「君に名前を付けようと思うんだ。ミーちゃんと相談した結果、スミレってのはどうかな?」

お馬さんはじっと俺とミーちゃんは見つめてから、顔を摺り寄せて来た。どうやら気に入ってくれたらしい。

ハンターギルドの馬舎に戻って、スミレの体を洗ってから大気スキルで一気に乾かしてやる。便利だ。新しい飼い葉と水を桶に入れてやり、俺とミーちゃんも昼食をとりにギルドの酒場に行く。

「夜以外でこんなに忙しいの初めてよ~」

猫獣人さんのウエイトレスさんが忙しなく接客している。昨日と打って変わって大盛況のようだ。予想通りの展開だね。

ギルド職員さん達はローテーションで食べに来てるようだし、ハンターさん達以外にもチラホラ一般のお客さん達も混ざっているようだ。

「おすすめ定食で」

ミーちゃんに猫缶とミネラルウォーターを出してあげる。ちゃんとお座りして待っててくれている。ミーちゃんはお利口さんだね。

ほどなくして、料理が届いた。昨日のピラフにお肉をニンニク油で焼いた物とスープにサラダがセットになっている。結構なボリューム。

「いただきます」

「み~」

うむ。ピラフはちゃんと味が再現されてるし、お肉も隠し味程度にニンニク油が使われているのが良い味を出してる。あのサイクスと言うマッチョな人は、意外と良い腕をしてるようだ。これで七百レトなら安いよ。

お腹も膨れたし、ちょっと腹ごなしに走ろう。体力が無いのは致命的、少しでも早く一般人クラスの体力にならないとね。

ミーちゃんも一緒に走ってくれるみたいだ。バッグをスミレの所の柵に掛けてから訓練場の周りを走る。途中で教官に呼び止められ職務質問されたのはご愛敬だよ。

ミーちゃんは途中からハンターさん相手に格闘技の訓練に移ったようだけど、傍から見るとじゃれあってるようにしか見えないよね。ミーちゃん良い動きをしてるんだけど、相手のハンターさんの方が上手のようだ。

流石にこのまま汗まみれで仕事には出れないので、共同浴場に行くことにする。

共同浴場に行き番台に行くと、あのおばさんが居た。

「おや? こないだのお兄ちゃんじゃないか。今日も全部かい?」

「はい、お願いします」

「子猫ちゃんも一緒だね。おやおや、だいぶ汚れてるね。洗ってあげても良いかい?」

「すみません。助かります」

「良いんだよ。うちの子も楽しんでるからね」

それじゃあ、ミーちゃんまた後でね。

「み~」