Level Up Just By Eating

One week has passed.

一週間がすぎた。

食べるだけでレベルアップするオレは、こんな感じになっていた。

名前 コサカイ=ケーマ

種族 人間

レベル  13→558

HP   4426/4426(↑4315)

MP   4710/4710(↑3240)

筋力    3744(↑3648)

耐久    3402(↑3314)

敏捷    3620(↑3516)

魔力    3076(↑2997)

習得スキル

浄化魔法LV1 10/50

火炎放射LV5 780/1500

上昇スキル

アイスニードルLV2 20/150  毒体質LV2 10/150

毒物耐性LV2 0/150      卵料理LV2 132/150

エクストラスキル

魔吸収LV3 10/300

いろいろ増えたりあがったりしているが、特筆すべきは火炎放射レベル5だろう。

3でベテラン。4で達人級と思えば、5というのがどれだけすごいかがわかる。

ちなみにスキルは、すぐに役に立ちそうなものだけを抜粋した。

説明するだけスペースの無駄になりそうなスキルも、省いてるが習得している。

例えばこれらだ。

生タマゴ右手一本割りLV6 81/3000

生タマゴ左手一本割りLV1 3/50

木の振りLV4 300/500

木の振りLV4というのは、樹木型モンスター――トレントの木の皮を食べてみたら身についた。

レベルは高い。

『トレントみたいな擬態能力だったら使えるんじゃ?』と思われるかもしれない。

実際、オレもそう思った。

で、実際に試してみた。

レベルの低いクリオネの集まりに行って、実際に試した。

木の振り! ∠(・ω・)/

「…………」←クリオネ

「…………」←クリオネ

「…………」←オレ

「キシャー!」←クリオネ

ドシュンドシュンドシュン!!←アイスニードル

「うおおおおおおおおおおおお!!」←必死で迎撃するオレ

そんな感じでした。

特殊スキルである木の振りを活用できるのは、体が樹木のトレントさんだけ!

人がやっても、ただの人!

けれども、これは序の口だ。

もっとイヤなスキルを、オレは習得してしまっている。

それは――――。

うんこ踏んだ足で敵を蹴るLV8 250/9999

イヤアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!

と叫びたくなってしまうスキルナンバーワンだ。

ニワトリを捕りに行ったら、四天王最凶と名高い朱雀がグーグーと眠っていた。

奇襲をかけたらあっさり死んだ。

持って帰って――食べた。

そして食べてみたら、これが身についてしまった。

『うんこ踏んだ足で敵を蹴る』とあるだけでも、破壊力が高いのに、それがLV8である。

スキルは、一部の例外を除けば努力で身につけるものである。

それも3あれば上級。4や5で達人。

それ以降は人外の領域だ。

つまり鑑定を持っている人が見たら、オレは思われるわけである。

この人は、LV8になるまでうんこを踏んで敵を蹴り続けてきたんだ……。

イヤである。

とてつもなくイヤである。

しかし朱雀を食べたおかげで、火炎放射がレベル5になった上、単純なレベルも300あがった。

毒体質も、一発でレベル2になった。

女神スキルを身につけるのに重要な、信者ポイントも500溜まった。

クリオネ一〇〇匹分と言えば、相当なものであるとわかるだろう。

価値は十分、あったのだ。

でも『うんこ踏んだ足で敵を蹴るLV8』が身についた。

イヤアアアアアアアアアアアアアアア!!

そんな『事件』もあったりしたが、毎日自体は順調だった。

そして今、オレはとっても考えている。

信者ナンバー、001 コサカイ=ケーマ

信者ポイント 1505

累計ポイント 1570

信者レベル3(一般信者)

浄化魔法と毒物耐性LV1とLV2には使ったが、それ以外には使っていない。

オレは貧乏性なのだ。

砂漠に行ったら水が勿体ないと喘いでうめき、熱射病で倒れてしまうまで飲まないでいてしまう自信がある。

ここの敵は強くない。

強いのもいるが、場所を選べば大丈夫。

だけどそろそろ、使いたい。

けれども、どこに使えばいいのだろう。

単純な憧れとしては、剣術や魔法だ。

特に剣術は、あるといろいろ便利な気がする。

逆にあったほうがいいなって思うのは、補助魔法や治癒魔法だ。

しかし補助魔法は500と高く、治癒に至っては1000だ。

獲得すると、持っているポイントのほとんどが吹き飛ぶ。

二の足を踏んでしまう。

ケガしてからでも……と思ってしまう。

治癒以外を獲得し、怪我する可能性を減らすべき……という考えもある。

あと地味に外せないのが、即死耐性である。

死んだら終わりである以上、ここもできるだけあげておきたい。

即死スキルなんて持っている相手は、そうそういないだろうとは思う。

しかし持っていなければ、出会った瞬間に終わる。

それは困る。

駄女神の鑑定で、事前にわかればよいのだが――。

隠匿LV1(消費50)

偽装LV1(消費100)

信者レベル3になると、こういうスキルがあることもわかった。

隠匿は鑑定などをかけられても隠匿するスキルであり、偽装は偽装するスキルだ。

隠匿してるやつなら、隠匿しているってことで警戒すればいい。

『職業・秘密』みたいになっているやつなんて、顔にパンツを被って素顔を秘密にしている変質者レベルに怪しい。

しかし偽装スキルだと、偽装なので難しい。

おれの正体は暗殺者ですが、表記だけなら村人です! みたいにできる。

そういうやつが、即死系のスキルを持っていたら怖い。

しかし即死を警戒し、即死を使わない相手に負けても困る。

悩みながらトマの実を皮を剥いて、口に含んだ。

てれれ、てってってっー。

レベルがあがった。

レベル  558→563

HP     4466/4466(↑40)

MP    4745/4745(↑35)

筋力   3781(↑37)

耐久   3435(↑33)

敏捷   3662(↑42)

魔力   3107(↑31)

もはや誤差のような感じだが、チリも積もれば山となる。

駄女神ローラにも食べさせて、信者ポイントも獲得した。

ポイントも、思い切って使用する。

細胞と遺伝子に、魔法の力が刻み込ませる。

そしてローラのポイントで、剣をだしてもらった。

ホワイトシルバーで作られた、高品質の一品だ。

「まっ、まぁ、アンタには、いろいろお世話にもなってるしね」

ということらしかった。

最終的には、こうなった。

レベル   563

HP     4466/4466

MP   4745/4745

筋力    3781

耐久    3435

敏捷    3662

魔力    3107

スキル

アイスニードルLV2 20/150 毒体質LV2 10/150

毒物耐性LV2 0/150     浄化魔法LV1 10/50

卵料理LV2 132/150     火炎放射LV5 780/1500

生タマゴ右手一本割りLV6 81/3000

生タマゴ左手一本割りLV1 3/50

newスキル

剣術LV2 0/150  体術LV2 0/150

治癒魔法LV1 0/300 即死耐性LV1 0/50

気配察知LV1 0/50

エクストラスキル

魔吸収LV3 10/300 

剣を振るうと、いい感じに振れた。

足や腕の使い方、間合いの取り方なんかが本能的にわかる。

試しに木を切ってみたが、スパッといけた。

剣の切れ味もあるんだろうが、レベル2でもいけるものらしい。

体術にしても、腰の使い方が理解できたような感覚がある。

木を殴る。

拳二発で大木がきしみ、蹴りを入れるとへし折れた。

体感的に、体術なしの時より一・五倍近い威力になってる。

皮がすこし剥けたりしたが、ヒールを使うと一瞬で治った。

満足である。

しかしスキルの欄を見ると、とあるふたつが残ってる。

木の振りLV4 300/500

うんこ踏んだ足で敵を蹴るLV8 250/9999

やっぱりこのふたつはいらない!!