Levelmaker
Lesson 280: The Dungeon at the Bottom of the Valley
よくわからねーけど…あの鳥頭の頭が2つになったやつが居る。皮膚の色も違うしな!
あいつと違ってあんまり食欲が湧かない。
「リル、あの魔物は知ってるか……って、うぉっ!?」
魔物は待ってくれない。
それはそうだ。少し気を抜きすぎてたかもしれない。
俺らに向かって氷のキャノンが撃たれた。
それをボールで相殺する。
「わからないけど、その話はアレを倒してから…」
「もう倒したぞ」
「ふえっ!?」
ボールは一度に出せる量は1個では無い。
一気に2~3個どころか数十個出すことだって可能…らしい。つーわけだから、俺は5個一度に放ったんだが…それで倒せちまったみたいだな。
「まずは一つ目の部屋終わりか?」
「そうじゃ無いかな」
「…さっきの魔物の死体は…」
ちゃんとあった。
俺のボールのせいで作り身体に穴が空いてるがな。
ヤツの身体からはCランクの魔核が6個も出てきている。つまりは亜種だったのか?
「リル、一応、あの魔物は回収しよう」
「うん、そうだね」
その変な魔物を回収した俺達はその部屋から外に出た。
入り口の上の紫の光は消えており、今度はそれは大扉から発せられている。
「なるほど…部屋をクリアするたびに扉の鍵が開く…みたいな仕組みなのかな? 中々面白いね」
リルは今気が付いたみたいだ。
ただ…かなり拍子抜けだな。ダンジョンっつーものはもっと難しいと思ってたんだが…。
「御主人、次はどの部屋に入る?」
最初に入った時はかなりビクビクきていたリルだったが、ほとんどそれは抜けていた。
俺があまりにもあっさり一つの部屋をクリアしてしまったからだな。
リルの問いに答えるならとりあえず…時計回りで入ってみるこたにすりゃーいいか。
「時計回りだ、リル」
「わかったよ、御主人!」
俺とリルは今度は、紫の入り口から見て右にある部屋へと入った。
また、中央に魔物が居たが、今度はリルの様子が先程とはうって変わって違うような……。
「ご…御主人! あれは…ミルメコレオというエ…Aランクの魔物だよ…倒せるかい?」
ああ、Aランクか…。
遭遇は初めてだが…なんだが負ける気がしねぇ。
「倒せる気がする」
「わ…私は御主人を信じてるから!」
ミルメコレオは今まで遭遇した魔物の中でもかなり速い動きでこちらに飛びついてきた。
俺はとっさに火炎剣を召喚し、居合斬りのように切り捨てる。
その一振りで、うまく首を切り取ることができ呆気なく………倒せた。
「わふぅ!? すごい、御主人、すごい!」
リルがはしゃいでいる中、不思議な事が起こった。
AランクであるはずのミルメコレオのしたいからはBランクの魔核7個が出てきたんだぜ。
「リル、ミルメコレオってのは…Aランクじゃなかったのか?」
「あれ…? Bランクの魔核7個……? あ、きっとそれは劣化種だったんだね」
「劣化種…?」
劣化種っつーのは、名前の通り、その普通の魔物より劣るヤツのことを言うらしい。
能力値がオリジナルより低かったり、使える魔法が少なかったり、大きさが小さかったりするんだと。
魔核もその分、下位のものになる。
しかし、手に入る素材はそのままという、素材だけ欲しいなら嬉しい存在…なのかな?
「とにかく、この調子で残りの部屋3つも攻略すっか」
「うん!」
俺とリルはミルメコレオを回収してからその部屋を出た。
大扉には新しく、白い光が灯っている。
それを確認し、次の扉に入った。
今度居たのは3体……それも小さなドラゴンだ。
「リル…あれは知ってるか?」
「あれは…チャイルドラゴン…かな? いや…それにしてはなんか少しごついし…」
「まあ、倒せばわかるか…」
火炎剣で普通に2匹を倒した。
リルもその間に残り1匹と対峙したが、難なく倒せたみたいだ。
出てきた魔核はDランクの魔核、計32個。
「チャイルドラゴンじゃないのは確かだね…」
「まあ…あとで鑑定のスキルを進化させてみてみるかな。今は次に行こう、リル」
俺とリルはその部屋からでて、大扉を確認。
新しく水色が灯っている。
そのまますぐに次の部屋へ。
そこにはデカイ鳥がいた。この部屋は他の部屋より圧倒的に天井が高く、そいつは飛び回っている。
「ありゃ…空飛んでるな」
「そうだね。…やれる?」
「まあ、できるだろう」
俺はファイヤーボールを威力はそれなり、範囲はかなり広くして何発も放った。
難なくその鳥にあたり、焼け焦げた匂いを放ちながらそいつは落ちてくる。
その鳥は俺とリルが谷の上で狩っていたスクリューフークに良く似ていた。
魔核はCランクの魔核7個。
「スクリューフークに似てるってことは、羽はさぞかし綺麗だったんだろうな…」
「焼け焦げちゃったね」
「仕方ねーよな」
その部屋もさっさと出る。
大扉には黄緑色が新しく灯っており、また、灯っていない箇所はあと一つとなっていた。