... live free!

104. Break

そうして出発できる準備が整った。

「とりあえず出発できそうだけどどうする?」

「え?休憩しないの?」

確かにオークと戦闘してその後処理に追われていたから休憩していない。でもユアは、メンデスの元に急いでいた訳じゃないの?と思った。

「?早くメンデスの元に行きたい訳じゃないの?」

「確認は、したいけどメンデスの元に急いでいる訳じゃないの。その、オークに見つからない内に早く行こうとは、したけどレーナちゃんがオークを倒してくれたから急ぐ必要は、ないの」

「そうなの?」

「うん。だから少し休んでから出発した方がいいよ。レーナちゃんはあんなに激しい戦闘をしていたから……」

とユアは、私のことを心配していたようだった。ユアも急いでいるわけじゃないから少し休憩をしてから出発することにした。

「分かった。そうする。とりあえずオーク回収しておくね?」

「え?……!?」

私は、そう言ってアイテムボックスに収納したらユアはオークが消えたことに凄く驚いていた。

「レーナちゃん、今のって……」

「ユアが言っていたものだよ。一応これを持っていることと魔法が使えることは、内緒にしておいてね?」

「う、うん。分かった」

それから木の根元に座って木にもたれ掛かるとユアがその隣に座った。するとユアが私に話しかけて来た。

「レーナちゃん」

「どうしたの?」

「レーナちゃんがオークを直す前に剣を切ったよね?」

「うん」

確かにそんなことがあった。自分でもどうして切れたのかは、分からないけどオノマの事だから手入れをしていなくて劣化でもしていたのかな?と思っていた。

「あの時レーナちゃんの武器が白く輝いていたけど何をしたの?」

「え?どういうこと?」

何それ?刀が白く輝いていたの?この武器にそんな効果でもあったの?と思って自分の武器を抜くがこれといって変化がない、ような?

「もしかしてレーナちゃんも分からないの?」

「うん」

そう頷きながら刀を見ていたのだが何だか武器の色が違うような気がした。なんか少し白っぽいような……。気のせいかな?

「そうなの。でも、レーナちゃんの戦っている姿は、かっこよかったよ!私も何かしないと。とは、思ったけど私じゃあ加勢できそうにもなかったから見ていただけになっちゃったけど……」

「それは、ユアが悪いわけじゃないよ。私も上手く連携ができなかったというか……」

と少し気まずそうに頬を掻きながらそう言った。うまくできないのに加勢してきても危ないと思うからユアの判断は、それでよかったのだと思う。それからユアの方に視線を向けるとユアもこちらを向いて同じように頬を掻いていることに気が付いて、お互いに笑いあった。

そんな感じでおしゃべりをしていたけど日が暮れるまでには、街に戻りたいと思いそろそろ出発することになった。