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157. About Promises

「……どうしたの? レーナちゃん少し疲れたような顔しているよ?」

ユアは心配そうにこちらを見て来た。これはいけない。そう思って軽く深呼吸をして意識を切り替える。

「大丈夫だよ。ちょっとだけ考え事していただけだから……」

「……そうなの?」

「うん。それより服屋さんの女の子と勝手に約束してごめんね?」

心配そうにしていたユアに大丈夫だということを伝えてか、少し無理やりな感じもあるけど話題を変えるとユアがそっと視線を外した。

「そ、そんなこと気にしていないから……」

ユアはそう言っていたが少し気になっているようで私の様子を伺っているようにも見える。まぁ、あの女の子のことが気になるのかもしれない。そう思い少しだけフローラのことを話すことにした。

話した内容としてはフローラと会った時のことや何をしたのかということを教えただけだが、結局のところは一緒に過ごしたほとんどの時間が生活に困らない範囲のことをフローラから教えてもらっただけでこれと言って何かしたわけでもないけど……。

「そんなことがあったの……」

ユアはそう呟いて少し納得したようにもみえた。

「でも、その子は随分親しい感じでレーナちゃんに話しかけていたけど私を見て急に無口になったのはどうしてなの?」

「あ~、それは多分だけど同世代の知り合いがほとんどいないから付き合い方に困っただけじゃないかな? 私も初めて会った時あんな感じだったから」

「そうなの?」

「そうだよ。でも、ユアも似たようなことになっていたじゃない」

「……」

私がフローラとユアが同じことをしていたと指摘するとユアは少し不満そうにしながら黙っていた。

「まぁ、ユアが彼女のことを嫌いだと思わないなら多分仲良くできると思うから今度会ったら頑張ってみて?」

「……分かった。でも朝のことについてはどうなるの?」

ユアは今朝の約束のことを聞いて来た。

「それは、どこかで埋め合わせをするよ。約束したのは私だから私にできることなら何でもするよ?」

「本当!?」

私がうっかり約束を破っちゃったからできる限りのことをしてあげようと思って言ったけど、予想以上にユアが嬉しそうにしていた。ユアが笑顔になるのはいいけど、私にできることは何でもとは少し言い過ぎたかもしれないとそんなことを思いながら何とか頷く。

「え、ええ……」

突拍子もないことじゃないといいけど……。とそんなことを思いながら喜んでいるユアを見て苦笑いを浮かべた。