... live free!

182. What about Flora?

店の中に入るとローナさんは扉を閉めた。そして少し奥に行ったところでローナさんが立ち止まり私の方に向き直る。それからローナさんはしばらくの間、逡巡している様子を見せていたが何があったのかを話し始めた。

「……今日から3日前のことだけどフローラが薬草を採取してみたいと言い出したの。どうして急に? と思って聞いてみたら、フローラが通っている学校で薬草についていろいろ教えてもらったらしくて薬草を採取したいと言ったの」

ん? それって街の外に出たきり帰って来ていないってことなの……。そう思ったら背中に嫌な汗が流れる。いや、まだ決まった訳じゃない。そう思い続きの話に耳を傾けた。

「薬草の採取って街の外に出るから魔物と遭遇したら危険だから駄目だと言ったわ。そう言うとフローラは西門の近くにも生えているらしいからそこなら門兵さんもいるから何かあっても安全だからと言われて許可を出したの。でも、薬草を採取に行ったきり帰ってこなかったの……。だからフローラとは会えないの。本当にごめんね……」

ローナさんは悲しそうな表情をしながら話をしていたけど、私は3日も前に街を出たきり帰って来ていないのは生存は絶望的かもしれない……。とそんなことを思っていたけどあることを思い出した。

そういえば、私が初めて西門から街を出てから街に戻ろうとしたときの門兵が怪しげな感じだったことを思い出した。

(あのとき、私からお金を取ろうとした上に後で聞いた話だけど門限よりも早く締めていたとかいろいろ問題があったよね? もしかしてそれでフローラが? でもそれだと翌日に戻って来てもおかしくないから……。誘拐されたとか?)

流石に考えすぎかな? と思ったけどあの時の門兵のことや言動を思い出すと否定しきれない部分がある。

「(そういえばヘルガさんに話したとき後で調べるとか言っていたよね? 念のため聞いてみた方がいいかも……)」

そんなことを思っているとローナさんが心配そうに話しかけて来た。

「レーナちゃん、どうしたの?」

「何でもないです。とりあえず気になることがあるのでこれで失礼します」

そう言って私は急いでヘルガさんがいる東門へ向かうためお店を出た。すると後ろからローナさんの声が聞こえたけどとにかく早く行動をしないと……。そう思い走って東門へと向かった。