... live free!
185. Is Youre Affordable or Not!?
「ですがシャフナー様、あの小娘に苦戦しているときに、私が後ろから突き刺したことで早く戦闘が終わったと思いますが?」
「っち! それはちゃんとした武器を持っていなかっただけだ」
「ですが助太刀したのは私でございます。少しは酌量の余地を欲しく思います」
「っち、わかったからさっさと俺の前から消えうせろ!」
「かしこまりました。それでは先ほどの女で遊んでから始末してきます」
そう言うとその男の人は部屋の奥へと入っていった。あいつユアに何かするつもりだと分かり、後を追わないと! と思ったらシャフナーが先ほど会話していた男性の後姿を忌々しそうに見つめていた。
(ん?)
その様子を見て彼とシャフナーはあまり仲が良くなさそうだったことを、少し意外に思いながらもしかして別の組織に所属しているの? とそんなことを思っていた。
「くそが!」
シャフナーはそう言いながらが近くにあった木箱のようなものを蹴り飛ばて破壊した。
「……仕方ねぇ、気晴らしでもして来るか」
そう言って隅の方にある箱を退かして何かしていると石畳の一部を持ち上げて横に置くとその下へと入って行った。ゆっくりその場所に近づいて中を覗くと下へと続く階段がそこにあった。
「怪しいわね……」
そんなことを思いながらもユアを先に救出してからここを調べようと思った。とりあえず先程奥に入って行った男の人を追い掛けるべくそっと扉を開いて中に入って行った。
中に入ると男の人が通ったと思われる道を歩いていく。実はあの男の人が部屋の奥に入ったとき魔法を使って位置を確認していたためどう歩いているのかが分かっている。そのため他に人の気配が無いことを確認しながら男の人の後を追っていた。
それからしばらくすると男の人の動きが少なくなった。多分どこかの部屋に入ったみたい。そんなことを思いながらその場所へ近づいて行くと女の子の悲鳴が聞こえた。
「!? (もしかしてユア!?)」
その可能性に気付いてできる限り音を立てないように急いで男の人がいる場所へと向かった。
部屋の前に着くとユアの嗚咽が聞こえていた。私は、ゆっくり扉を開けるとそこにはさっきの男の人がユアの背中に剣を突き立てたところだった。しかし、ユアは悲鳴を上げることはなく少しくぐもった声を漏らすだけで近くに倒れている男の人へと手を伸ばしながら泣いていた。