... live free!
197. Dungeons?
扉を開いた先には鉄格子で出来た部屋がいくつもあった。しかも、先が見えないほど続いているように見える。
「この部屋は何?」
ユアは見慣れない部屋を見てそう呟いた。
「牢屋だよ」
「え?」
「悪い人を入れるような牢屋だよ」
「それは……。ここに何かをした犯罪者が入っているの?」
「間違っていないけどユアが考えていることは間違っていると思う」
「?」
私がそう言うとユアがよく分からなさそうに首を傾げていた。私はその様子をみて少し苦笑いをしながらどういうことなのかをユアに説明をする。
「普通の牢屋はユアが言ったような犯罪者が入っているけどここは多分違うと思う」
「え? どうして?」
「おそらくだけど攫った人を何かするために一時的に置いているのだと思う」
「そ、それってもしかして……」
ユアは私の言ったことを理解したようで少し青い顔をしていた。
「うん。攫った子をどこかに売っているんじゃないかな? と思う。絶対とは言えないけど……」
『きゃ~!!』
そんなことを話していると部屋の奥の方から女の人の叫び声が聞こえた。
「!? ユア慎重に行くわよ!」
そう言いユアの手を放してからあまり足音を立てないようにしながら奥へと急いて向かった。奥へ向かって走っている最中何度も女の人の悲鳴が聞こえたがだんだん距離が近くなっていくにつれてその悲鳴の大きさも大きくなってくる。そして近づいてから聞こえたけど女の人以外にも子供の悲鳴や泣き声が聞こえた。女の人以外にも子供がいるの! いったい何が起こっているの!? とそんなことを思いながら私達は走っていた。
それにしても女の人が行方不明になった話なんてヘルガさんから聞かなかったけど? とそんなことを少し考えていたけど、今はそんなことを考えている場合じゃないと思い周囲を警戒しながら進んで行った。
それからしばらくすると女の人と子供たちの声がする部屋へ着いた。女の人の悲鳴は途中から聞こえなくなったけど、子供の悲鳴や泣き声は未だによく聞こえてくる。
「ユア、心の準備いいかな?」
「うん」
ユアが頷いたことを確認すると私はその扉を開いた。