... live free!

224. Meet Mr. Helga

街に戻り門で入るための手続きをし終えて中に入ろうとしたら詰め所の中からヘルガさんが出てきた。

「お? レーナ嬢ちゃん」

「こんにちは、ヘルガさん」

私がそう声を掛けるとヘルガさんが少し真剣そうな顔をして私の元に近づいて来た。

「嬢ちゃん、少し話したいことがあるが時間は大丈夫そうか?」

ヘルガさんはやや小さめな声でそう聞いて来た。もしかして、この前の件についてなのかな? とそんなことを思いながらこの後に用事がないことを伝えた。

「大丈夫ですよ?」

「そうか……。それならちょっとついて来てくれ」

ヘルガさんは私がこの後、時間があると言ったら少し安心したような表情をみせたが直ぐに表情を変えて話をするために場所を移動することになった。

そうして案内してもらった部屋に入るとヘルガさんに少し待っているように言われ、大人しく待っているとヘルガさんが1人の男性を連れて戻って来た。年齢的にはヘルガさんと近そうにみえるかな?

「ちょっと待たせたな」

「いえ、大丈夫です。それより、隣の方は?」

「ああ、彼は俺の部下で副官だ」

ヘルガさんはそう言うと一緒に入って来た人物に視線を向けるとその男の人が前に出てきて簡単に挨拶をしてくれた。

「初めましてお嬢ちゃん、先程ヘルガから少し紹介がありましたが改めて自己紹介をします。私は、東門の副隊長を任されているランガと言います。よろしく」

「こ、こちらこそ、よろしくお願いします」

私はランガさんの自己紹介に少し慌てて返しながら頭を下げる。

「……まぁ、自己紹介も終わったことだし、この前の件に関して報告できる範囲で伝えようと思う」

私はヘルガさんの話を聞いたとき、少し驚いたけど、彼女達は結局どうなったのか分からないから知りたいと思い頷いた。

「……嬢ちゃんと別れた後、できる限り急いで準備して、嬢ちゃんが教えてくれた場所へと向かった。そこで3人の子共を保護して、亡くなった男女や縛られている男を回収した。子供に関しては、ちゃんと家まで送り届けた」

私はヘルガさん達が保護した子供達が無事に家族の元に戻れたと聞いてとりあえず安心した。もしかしたら、あのアジトに私が会った人がいたら戻って来れないかもしれない可能性があったから……。

「嬢ちゃんに教えることができるのはここまでだ」

「そうですか……」

まぁ、私が知りたかったことは知れたから別かまわなけど。

「それで、レーナの嬢ちゃんが知っていることであのアジトに関することは何か知っていたら教えほしい。この前の時はどんなことがあったのかを手短に教えてもらっただけだからできれば協力してもらえるとありがたい」

そう言われても話していないこと何かあったかな? と考えていたとき、男の死体がある部屋に地下へと続く道があることは言っていなかったかも……。ということを思い出した。流石にあの時のことを思い出すと少し気分が悪くなるけど、初めて見たときのような恐怖? は感じなくはなったけど。そんなことを思いながらヘルガさんにそのことを話そうと思った。