... live free!

242. Lumia Knows

それからユア達とご飯を食べている場所に移動して座る。ユアとルミアも座ると私の方をチラチラと見てきた。どうやら先程の私へのお礼をどうしたらいいのか気にしているようだった。

「……ユア達の生活環境を少しでも良くしてあげたくてやっているだけだよ。だから、お礼はしなくてもいいよ。それに、ほら、院長先生のこともあって不安なこととかも多いでしょ? 冬を越せるのかもちょっと怪しい感じもあったから少しでもって思って……」

「……」

私がそう言うとユアは気まずそうに俯いていた。やっぱり思い至ることが多くあったのかな? とそんなことを思っているとルミアがこんなことを聞いて来た。

「……院長先生に何かあったの?」

「え?」

もしかしてルミアはユアから聞いていないの!? と思ってユアに視線を向けると彼女は私の視線から逃れるように視線をずらした。……もしかして、さっきの行動はルミアに院長先生のことを話していないから気まずそうにしていたの? そんなことを思いながらユアを見つめていると彼女が恐る恐る話し始めた。

「そ、その、何と言っていいか分からなくて……」

確かにルミアのことを考えると亡くなったと言ってもいいのか悩む。でも、彼女は院長先生との付き合いが長い。それは、ユアよりも。だからこそ、誤魔化すことは良くないと思う。まぁ、院長先生のことを言っても言わなくても最終的には知ることにはなると思うけど……。

「何かあったの?」

するとルミアは不安そうにしながら私達に聞いて来た。私がルミアに教えることではないと思ってユアを見るとユアは悩んでいる様子だった。しばらくそんな様子のユアを見ているとユアがどうしたらいいのか判らなさそうにしながら私の方を見て来た。

「……ユアがしたいようにすればいいよ。私が話すようなことではないからね?」

そう言うとユアは少し考える素振りをみせてから腹を括ったのかルミアへと顔を向けた。

「……ルミア、これから話すことは落ち着いて聞いて欲しいの」

ユアはそうルミアに話しかけるとルミアは硬い表情をしながらもゆっくりと頷いた。

「……院長先生はね、私達が捕まっていた場所で亡くなったの」

「……え? それって……」

ルミアはユアが言ったことが一瞬頭に入ってこなかったようだけど、次第にユアの言葉を理解したようで顔色が悪くなっていく。そして、ユアに視線を向けるとやや掠れた声で確認してきた。

「もう、孤児院には戻って来ないの……」

ユアは辛そうにしながらそう言うとルミアの目から涙が零れた。