... live free!

12. Just a Reunion

翌朝

ユアと合流するためにギルドに向かっていると見覚えのある人と会った。

「あっ」

思わず声を出してしまうとその男の人は私が声を上げたことに気付いた。

「何だ?」

「(この前路地裏で女の人に迫っていた人だ)いや、何でもないです」

男の人をみて直ぐにエレナさんに迫っていた人だと気付いたけど、ここでそんなことを言うのもあれだしと思って何もなかったかのように通り過ぎようとした。

「そこの餓鬼ちょっと待て」

男の人はそう言って私の肩を掴んできたので咄嗟に振りほどいて少し距離をとった。

「何ですか?」

「今、何か言わなかったか?」

すると男の人が何やら焦っているような表情をしていた。もしかして、心の中で思っていたことを呟いていた? じゃないとこの男の人が焦るのはおかしい。でも、こんな所で面倒なことにはなりたくないと思い不思議そうなふりをした。

「何のことですか?」

「さっき何か呟いていただろ」

「……もしかして人間違いをしたことが聞こえてしまいましたか?」

「そ、そうなのか?」

すると男の人が疑うように私のことを見てきたのでそれっぽい言葉を並べて納得させ、さっさとここを立ち去ろうと思った。

「はい。知り合いが言っていた男の人と同じような特徴だったので……。でも、雰囲気とかが聞いていたことと違ったのですぐに人違いだと気付きましたが。不快な思いをさせたのならすいません」

と言って軽く頭を下げた。

「そ、それならいい」

すると、男の人は少し安心したような表情をしたのでこのままさっさと去ろうと思った。

「そうですか。それなら私は急いでいるのでこれで」

そう言うとさっさとその場から離れた。それから男の人と離れたことを確認して一息ついた。

「まさか、このタイミングであの男の人と会うとは……。でも、警戒心がやや高そうな感じだったけど、どうしてあそこまでエレナさんに迫っていたの?」

……まさか恋の盲目とかじゃないと思うけど、あそこまで態度が変わるものなのかと考えていた。もしかしたらあの男の人が猫を被っている可能性もあるけど……。とそんなことを思っていた。

「とりあえず、エレナさんにその後はどうなのか聞いてみないと行けないかも」

そう思い、エレナさんに聞けるような場面があれば直接聞いてみようと思いながらギルドまで行きユアと合流をした。