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28. Anomaly (10/12/2019)

それからの日々は何度かユアと一緒に魔物を狩ったり、孤児院へ遊びに行った。そして1人の時は、訓練をしてユア達のために薪を作ったりして過ごした。

そんな生活を7日ほど過ごした夜のことだった。その日は孤児院に遊びに行っていて夜になり宿へと戻っているときだった。いつもの道を辿って大通りに出るとある男が視界に入った。

「あれは、アルディン……」

たまたま見覚えのあるアルディンを発見した。出歩いているってことはヘルガさんが言っていた罰は終わったのかな? とそんなことを思っていたらアルディンの右隣を歩いている人がエレナさんだということに気付いた。

「(どうゆうことなの!?)」

と思いながらエレナさんの様子を伺っているとエレナさんから少し離れたところにいる男の人達が一定の距離を保ちながら後をつけていることに気付いた。

明らかに怪しい様子に男の人達にばれないようにそっとエレナさんの様子を伺うとやや顔色が悪いことに気付いた。でも、前会った時のような拒絶するような様子を見せていないことに不思議に思いながら近づいた。

そしてエレナさんとアルディンの様子が分かりやすい位置まで移動するとアルディンの右の袖から光るものがみえた。

「!??」

一瞬しかみることができなかったがあれはナイフだった。それをエレナさんに突き付けた状態のまま移動していることに気付いた私は、怒りのあまり一瞬飛びかかりそうになったが何とか耐えた。エレナさんがアルディンに脅されていることが分かりはやく助けたいと思ったけど人通りの多いこの場所で行動を起こすのは不味いと思い直したからだ。今のところは脅して誘導しているだけだと思い何とか冷静さを取り戻した。

行動を起こすなら人があまりいない脇道に入ってからにしようと思った。それからエレナさんを確認できる位置で気付かれないようにしながら彼等の後をつけているとエレナさんの家がある脇道へと入って行った。

そんな彼等の様子をみていてあの男達はどうしてアルディンについて行っているのか気になった。アルディンは、エレナさんのことを自分のものにしたいから口説いたり脅して何とかしようとしているみたいだけど、後ろにいる人達は何のためにいるかと。アルディンは一応、Cランクだからエレナさんに何かしようとしても彼1人でも十分なはずだけど……。とそんなことを考えながら私も彼等に続いてそっと脇道へと入った。