... live free!
88. Settlement?
「もういいでしょ?」
そうして獲った獲物の矢を抜いて弓と矢筒をアルドに返しながらそう言った。
「……ふんっ」
アルドはいろいろ不満そうな顔をしていたけど、何も言わずに鼻を鳴らしながら弓と矢筒を受け取るとその場を離れていった。私も驚いたけどあれだけ獲物を取ったらからアルドも文句を言わなかった。まぁ、あれだけ挑発していたから流石のアルドも文句を言いづらかったのもあるかもしれないけど。
「アルド!」
ルイはアルドに声を掛けたがアルドは振り返りもしないで離れていく。ルイは私とアルドを交互に見ながらどうしようか悩んでいるようだった。一応、男同士だし追いかけた方がいいんじゃないかな?
「一応、追いかけたら?」
「でも……」
と言いながら私のことを見ていた。
「何?」
「レーナさんをこの山に置いていくのはちょっと……」
もしかして私のことを心配していたの? 一応私のことも気にかけていたんだ。でも、山の中は慣れているから大丈夫なんだけどね?
「私は、大丈夫よ? 山の中は結構慣れているし、それに私はこっちの武器の方が得意だから」
そう言って腰に差している刀をみせる。
「……細い剣?」
するとルイは首を傾げながらそう言った。まぁ、刀はこの辺ではとても珍しいとエギルさんが言っていたから知らないのは無理もないかと思った。
「まぁ、そういうものだと思ってもらえればいいよ」
「……分かった。セラはどうする?」
「私はレーナちゃんと一緒にいる」
「そうか、な二人とも気を付けてね」
そう言ってルイはアルドの後を追いかけていった。
「……とりあえず解体するから待っていてね?」
「うん」
そうして獲ったばかりの獲物を解体して麻袋にしまった。
「さて、それでこの後はどうする? ルイはあいつを追いかけてどこか行っちゃた訳だし先ほど集めた薪のところに戻る?」
「う~ん。とりあえずそうした方がいいかな? もしかしたらルイ達もそこに向かったかもしれないし」
セラも私の意見に賛成のようなので私達は薪を置いた場所へと向かうことになった。
それから薪を置いた場所に戻ったがルイ達はそこにはいなかった。まぁ、戻っているかも知れないというだけでいるという確証もなかった訳だけど……。
そういうことでここに長居をしても仕方ないと思いセラと話し合って薪を持てるだけ持って、山を下りることになった。そういう訳で薪を持てるだけ回収すると足元に気を付けながら山を下りた。