Living in this World with Cut & Paste
Episode 275: The Labyrinth of Prison (Dungeon) (1)
「フランツ団長、ガンツさん 行ってきますので留守をお願いしますね」
いよいよ出発にあたりクランハウスが手薄になってしまうのでエイミさんの護衛などを
フランツ団長にお願いしておく。
「「わかりました。お任せ下さい」」
フランツ団長は胸に手を当てて頭を下げて快諾してくれる。
なお、フランツ団長達には迷宮(ダンジョン)にいくとしか伝えていない。
クランハウスから自宅に戻り、早速【固有魔法・時空】を使用した。
一度ヨルムンガンド様に連れて行ってもらっているので実にあっさりと到着した。
#牢獄の迷宮(ダンジョン)第一層#
「……ここが牢獄の迷宮(ダンジョン)の入り口かあ」
力の迷宮(ダンジョン)みたい石でくみ上げられた立派な門が目の前にあった。
門をじっと見ていると何かゾクっとする感じがする。
【気配察知・大】で確認してみると濃密な魔力が門から発しているのが判った。
新規の迷宮(ダンジョン)とは真逆だな。
「旦那様入らないのか?」
シルフィがライナススワードを抜き放ち、僕に話しかけてきた。
「よし、突入しよう」
僕のかけ声で全員が門の中へと足を踏み入れる。
『まいん、なんかくる』
わっふるが鼻をひくひくと鳴らして警告を発してくれる。
うん、確かに僕の【気配察知・大】にも反応がある。
真正面50メートルくらい向こうから何かが歩いてくる。
【視力強化】で確認し、【鑑定】してみると
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名前:ガル・ウイング
LV:35
種族:竜人族
性別:♂
【スキル】
片手剣・聖
盾術・聖
竜言語
【アビリティ】
なし
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……これがヨルムンガンド様が言っていた竜人族か?
竜族の眷属というだけあって強いスキルを持ってるね。
このスキルだと僕に貼り付けるよりもシルフィに貼り付けて彼女をパワーアップした方がいいだろう。
「……みんな、気をつけて竜人族だ」
「貴様ら、何者だ。ここは誇り高き龍の王の寝所と知ってやってきたのか?」
「僕達は神獣ヨルムンガンド様の許可を得てここにやってきたんだ」
僕が前に出てそう答えを返す。
「ここに何しに来た?我らが王に何かする気なのであろう?ならばここは通す訳にはいかぬ」
……ああ、これはどうやら戦闘は避けれそうに無いね。
取りあえず、スキルは【カット】しておこう。
『シルフィ、今スキルを渡すね』
僕はシルフィに今切り取った2つのスキルを【ペースト】して収納袋から以前入手した【ロウバウトシールド】を
シルフィに手渡した。
「……貴殿の相手は私がしよう」
シルフィがずいっと前に出て剣を構える。
「……ふむ。やはり我らが敵か」
シルフィがライナススワードをブンと振りながら左手にロウバウトシールドを装着した。
『シルフィ、気をつけてよスキルは奪ったけど、強敵だよ』
僕がそう言うと、不敵に笑みを浮かべ
「大丈夫だ。私を信じろ」
そう言って、僕が以前貼り付けた【豪腕】を使用する。
そして激しく竜人と剣をぶつけ合った。
ライナス・スワードと互角に打ち合うなんて、ひょっとすると竜人の剣も業物なのかな?
急いで【鑑定】してみた
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名前:アルマス・スワード
攻撃:+70
階級:超級
属性:光
特攻:ドラゴン
備考: 時々2倍撃
武技:シャンディッシュ・クラッシュ
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うっ 結構凄い剣だ。ライナス・スワードと良い勝負だ。
これもレアモンスターのドロップ品だろうか?
『シルフィ気をつけてね、あの剣も専用の武技があるよ』
シルフィに慌てて【念話】を飛ばすと、ライナス・スワードが青白く輝いた。
「くらえ【武技:サクリファイス・ツヴァイ】」
僕の忠告を聞き、先に勝負に出たシルフィだったが、竜人は背中から巨大な羽根を出して宙を舞い、シルフィ渾身の一撃を見事に回避されてしまった。
空を飛ぶとは……ずるいな。
当然ながら宙から攻撃を行う方が圧倒的に有利だ。
だが、当人であるシルフィはというと少しも焦らず、壁に向かって猛然と走り始めた。そして壁を蹴り上げた反動をもってそのまま宙を駆け上がっていく。
そうか!”シエル・スーリエ”宙を駆ける事が出来る靴があった。
一体いつの間に練習したんだろう。
「……姫様、頑張って練習したんですよ」
アイシャが宙を駆け、竜人と打ち合うシルフィを見上げてそう呟いた。
一見、互角に見えた戦いだったが徐々にスキルを失った竜人がシルフィに押されて行く。
剣戟の合間をぬってシルフィは【固有魔法・雷】を連発し、竜人の動きを牽制する。
更に何度目かの剣の打ち合いで竜人の持つ剣に亀裂が入った。シルフィのライナス・スワードには【再生】が張り付いているから
折れたり掛けたりする事は無い。
「ヒューム族の女よ、なかなかやるな、これで決着をつけてやろう。武技:シャンディッシュ・クラッシュ」
竜人の発する言葉で彼の剣は赤く光り輝いた。
やばい、これは剣の専用武技だ。……しかし、その武技が発動する事は無かった。恐らく武技の持つ衝撃に耐える事が出来なかったのであろう。
竜人の持っていた剣は唐突に真っ二つに折れて、辺りに飛んでいく。一方カウンターでシルフィの放ったライナススワードは竜人の体を見事に捕らえた。
砕け散ったアルマス・スワードの破片の1つは僕の目の前に落ちてきた。
そして勝負は決まった。竜人の体も真っ二つに切り裂かれ、地面へと落下してきた。
「勝負はつきましたね? 先に進ませてもらいます」
僕がそう言いながら【回復魔法・大】をかけてあげると竜人は悔しそうに「進むが良い、だがこの先には我より強い戦士が立ち塞がるだろう」
「この剣の破片は貰っていくぞ」シルフィが砕けた剣を持ち上げて竜人に宣言する。
「……好きにせよ、どうせもう使い物にならん」
「旦那様、これ直してピロースに使わせよう」
確かに、この後も戦闘がありそうだ。良い武器を使って貰う事は重要だ。
手に入れた破片は2つ。
うまくいけば2本の剣が手に入るだろう。
早速破片の1つに【再生】を貼り付けた。
するとみるみる、砕けて不足していた部分が再生されていき、5分も掛からず、アルマス・スワードが復活したんだ。
シルフィが復活したアルマス・スワードを手に取り、ピロースへ手渡す。
ピロースは少し考えてからそれを受け取った。
「打ち合ってみた感想だがライナススワードよりも強く感じた。ピロースが持てば相当な戦力になるだろう」
シルフィが言う通りだ。
【鑑定】した限り攻撃力はライナス・スワードよりもアルマス・スワードの方が確かに上だ。
だけど、今回は【再生】の差が出た感じだね。ピロースのアルマスには【再生】はつけっぱなしにしておくから、仮に他の剣と打ち合ってももうそう打ち負ける事は
無いだろうと思う。
僕の拾った破片は収納袋にしまっておこう。
予定外の戦闘を終え、僕達は先へと進んでいく。50Mほど進むと辺りの気温が急に下がってきた。まるで冬のような気温となった
「……こ、この寒さはいくらなんでもおかしいんじゃないか?」
ピロースがそう、呟く。
【気配察知】で確認すると前方に大きな反応が1つ確認出来た。
「みんな気をつけて、何か巨大な者が前方にいるよ」
【地図】を広げて確認すると前方の大広間に竜族がいる事が判った。
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名前:イスゲビンド
LV:78
種族:竜族
性別:♂
【スキル】
絶対零度(アブソリュート・ゼロ)
特殊・範囲極大氷魔法
スパイクフレイル
飛翔
【アビリティ】
フロストブレス
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早速スキルは【カット】してしまう。
【絶対零度(アブソリュート・ゼロ)】はアイシャに、【特殊・範囲極大氷魔法】は僕に
【スパイクフレイル】【飛翔】はわっふるに【フロストブレス】はクゥに貼り付けた。
牢獄の迷宮(ダンジョン)についてまだそれほど時間が経っていないのにいっぱい増えたなあ……。
【地図】を見る限り、この竜を回避して先に進むのは無理そうだ。これは倒す必要があるね。
「みんな、この竜は僕とわっふるだけで戦うよ。みんなは一度下がって待っていてくれる?」
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名前:マイン・フォルトゥーナ
【スキル】
特殊・範囲極大氷魔法 new!
竜言語竜言語 new!
名前:シルフィード・フォルトゥーナ
【スキル】
片手剣・聖 new!
盾術・聖 new!
名前:アイシャ・フォルトゥーナ
【スキル】
絶対零度(アブソリュート・ゼロ)
名前:わっふる
【スキル】
スパイクフレイル new!
飛翔 new!
名前:クゥ
【アビリティ】
フロストブレス new!
■取得アイテム
アルマス・スワード「片手剣」×2