Lonely Attack on the Different World
Part 28 The unnamed city is super famous, very popular and famous.
21日目 昼前 オムイのギルド
よく考えたら、冒険者に成れなかったんだけど、何故か毎日毎日ちゃんと冒険者ギルドに出勤している働き者のにーとって……。
まあー、ひきこもりなのにお家に帰れないんだし、毎日毎日20人の女子高生に怒られるぼっちだし……。
「なんか~こう~さー? 一攫千金でお金の心配が無くなる様な、こう~ぐっと来るような依頼とかないのかな~?」
「800万エレ貰った次の日にお金が心配になる様な人がお金の心配が無くなる様な一攫千金って一体お幾ら位掛かるんでしょうねー? ありません!」
うん、今日は委員長達が朝早かったせいで朝のジト目が無かった、ここにジト目成分を補給しに来たのは間違いではなかったようだ、流石は受付委員長さんだ。今現在、異世界で最高のジト目使いだ、他に知らないし。
いや、ほんとうに無いんだよっ?絡んでるわけでも、絡まってる訳でもないんだよ?本当に無いよ?不景気?魔物不足?って心配になるくらいに、よい仕事が無い。全く
無い。さっぱり無い。
「って言うか、昨日と一緒じゃん。変わって無いじゃん?見に来た意味無いじゃん?掲示板係仕事して無いじゃん?もう、ジャンバルジャンじゃん!パン盗んじゃうじゃん!銀の燭台は貰えるのかなー?」
「どうして仕事がないと銀の燭台が貰えると思ってるのかは知りませんが、一体、全体、何時になったらコソコソして頂けるんでしょうか?」
よし、今日一日分のジト目成分は補給できただろう、やはりジト目はたそがれの微光だ、ジト目こそ最後の闇、最後のあけぼの。
余談
怒られた。
今日は女子組は夕方まで帰ってこないだろう、アーケミーさん達に指導を受けながらの狩りだから夜まで掛かるかもしれない。アケミさんなら夜も働いていそうだ、お店何処だろう?男子高校生的には、やはりお金を稼がねば!
茸が高く売れるのは分かっている、かなりの高額商品だ、市場に出ない目玉商品だ、過剰在庫商品だったのに大出世だよ茸さん。
だから、売れない。
持っていれば、いざと言う時に薬にもなる、食料にもなる、そしてお金になる。これは、女子達に持たせて置くべきだ、町で暮す冒険者にとってはお金よりも便利だろう、持ってるだけで安全、安心だ。
実際、雑貨屋さんで体力茸も魔力茸も5万エレで売れた。茸にも等級が有ったようで最低で5万エレだ、買取予算が足りないので簡易版のアイテム袋と物々交換してきている。
簡易版のアイテム袋はお高い割りに、あんまり物が入らない上に、大きな物も駄目だ。しかし、有れば凄く便利だろう、特に冒険者には。
1個が100万エレだから女子達も簡単には手に入れられないだろう、滅多に出回らないらしく偶々入荷していた8個を買い占めた、大人買いだ!茸払いだったけど。
これに茸を大量に詰め込んで、ついでに無限増量、天然果汁な木の実のジュースを入れて渡しておけば安心だろう、委員長には魔石も預けてあるし。
こうなると、やはり洞窟に戻るべきなのだが、オタ達が戻ってこない、まったく、いったい、あのオタは、何処でオタオタしているのだろう?街で待ってますとか言いながら居ないじゃん、待って無いじゃん、オタオタじゃん、もう、なんかオタオタじゃんじゃんって感じだよ、あのオタどもは。
もう、行くしかないのだろうか?オタ狩りに。
待ってるの面倒臭いし。
狩って来たほうが早くない?
どうせ、どっかでオタオタしているのだ。
うん、宿には伝言を残してきたし、この街から続く道は2本だけ、どっちに行ったかが分からないが、どっちかでオタオタしているはずだ。ならば狩ろう、何故なら其処に
オタがオタオタしてるからだ。
取り敢えず、川下に続く道に行ってみよう。
とにかく先ずは、商人の後ろに付いてコソコソ門を出る。
後は、飛んでって途中にオタっぽいのが居たら狩る。で、良いだろう。良いに違いない。良きに計らおう。
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とにかく走っていると言うか、駆けていると言うか、跳ねていると言うか、順調に進んでいる。
最初は飛んでみたんだが、速過ぎて何も見えない、見えないと狩れない、そして毎回墜落が痛い、服が破れなくても痛いものは痛い。
そんな訳で駆けている、って言うか、この速度で移動できるんなら洞窟まで一日掛からないだろう、飛べば日帰り出来るだろう、痛いんだけど我慢すれば出来るだろう、被害は出るがいけるだろう、被害者は俺だろう。
今回の墜落はゴブが30匹くらい巻き込まれていた、まったく間の悪いゴブだ、わざわざ人が墜落する所に集団で居るなよ、本当にゴブは空気が読めないよなー、元の世界だったらオタたちと一緒に苛められていただろうっていうくらいに空気読めない、まったくオタ達はオタオタしてるし、ゴブ達はゴブゴブしてるし、この調子だときっとコボ達もコボコボしているに違いない。
途中に村があったりしたが、オタ達の気配が無いのでスルーする。
馬車もいたが、オタ達の気配が無いのでスルーする。
盗賊もいたが、オタ達の気配が無いのでスルーする。
馬車が盗賊に襲われたが、オタ達の気配が無いのでスルーする。
「その眼つきが悪いガキも殺れっ、目撃者は残すなっ!」
「はっ?ファイアバレットーーーーッ!焼けろ、焼けろ、焼けろ、焼けろ、焼けろ、焼けろ、焼けろ、焼けろ、焼けろ、焼けろ、焼けろ、焼けろ、焼けろ、けろ、けろ、けろ、けろ、けろ、けろ、けろ、けろ、って軍曹かよっ!」
よし、気分も爽快に成った。やはり常々思っていたが、ストレスを感じた時は、ストレスを感じさせた物を、ストレスが無くなるまで、ストレスするに限るよねっ、ストレス発散だ、眼つきが何とか言ったストレスも爆散だ。気分上々だ。
「……」
「あれぇ?爆散してない?焼きが足りなかったの?火の通しが甘い?みたいな?」
「このガキッ、魔法使いか?くそっ、こっちは魔法防御の装備してるのに……、なんなんだあ!、なんでだあぁーっ!」
あれっ?他の盗賊も立ち上がってくる、やはり焼きが足りなかったのだろうか?こんがりはしているんだが?手を抜き過ぎた?
ボロボロでヨタヨタな盗賊達が囲んでくる、俺が探してたのはオタオタなんだが……、はあ~、またおっさん達に囲まれてるよ、何なんだよ一体、俺が何したって言うの?何で、おっさんばっかり集まってくるの?おっさんの集いなの?しかも、なんでだって聞かれてもしらねーよ。
「馬鹿なの?なんでだーって、装備買った店で聞けよ作ったやつに聞けよ。何で俺に聞くんだよ知らねーよ知るわけ無いだろう、俺が魔法防御の装備の販売員に見えるの?今から説明とか始まると思ってんの?実演販売なの?今なら魔法防御の装備をもう1つお付けしますとか期待してんの?付けねーよ、って言うか売ってねーよ、だれが販売員だ!」
「うるせー、くそがきっ」
なんだかなー、なんでだーとか聞いといて答えたらうるせえとか、なにそれ?会話のキャッチーボールとか知らないの?自慢じゃないが、俺はこの前、委員長に会話の暴投王だねって言われたよ。……自慢じゃなかったよ……心にデッドボールだったよ。
「魔法職だ、囲め!杖しか持ってねえ、接近戦だぁ!」
囲むらしい。接近戦らしい。何で教えてくれるんだろう?
「うらあぁぁぁっ」 (ボクッ)
「…………?」
「どりゃあぁぁぁ」 (ボキッ)
「…………??」
「魔法職?」
「え?無職」
「はあぁ?……」
「えぇっ?……?」
はあぁ、とか言うんなら聞くなよ、答えちゃったじゃん、何で戦闘中に心にダメージ与えんだよ、かなり効いたよ、心が痛いよ!
大ダメージを受けた。
会心の一撃だ。
「このガキ、Lv9だっ……?ウエポンスキルを使え!」
「Lv9!舐めやがって、くそっ!」
ちっ、隠蔽してたのに見られたか、看破持ちがいやがったかー。ウエポンスキルかー、受けると死ぬらしい。
「スラッシュ」「ダブル」「スラッシュ」「クロス」「バッシュ」「スイング」「スラッシュ」「リップ」「スラッシュ」「クラッシュ」「スラッシュ」「ファスト」「アタック」「スラスト」「スラッシュ」「クロス」「バッシュ」「スイング」「スラッシュ」「リップ」「スラッシュ」「クラッシュ」「スラッシュ」「ファスト」「アタック」「スラスト」「スラッシュ」「ローリング」「バッシュ」「スラッシュ」「クロス」「バッシュ」「スイング」「スラッシュ」「スクウェアー」「ローリング」「バッシュ」「スクウェアー」「スラッシュ」「クロス」「スラッシュ」「ローリング」、、、(以下ループ)。
ああ煩い。
「「「「ぜー、ぜー、ぜー、ぜー」」」」
いや、戦闘中にあれだけ騒いだら、そりゃー息切れるよね?莫迦すぎるよねー。
「「「「ぜー、ぜー、ぜー、ぜー、ぜー、ぜー、」」」」
運動不足なんじゃないの?盗賊は体が資本だよ?頭はどうしようもないだろうけど……。
「回避のマント SpE+20% 回避力アップ(小)」、小、だったが結構効果が有ったのか?どうなんだろう?こいつ等、技は有るんだけど、遅い、コボたちより遅い、SpEがコボのLv5程も無いだろう。頭はゴブだろう。顔はオークなんだけどなー?
あっ、倒れた?顔が悪い、チアノーゼか?不細工か?オークなのか?
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「お礼申し上げます。この度は盗賊たちを倒して?倒れて?倒れた?……助けて頂き?あれっ?一度通り過ぎた?……ありがとうございました?最上の感謝を」
うん、確かに倒したって言うより、倒れたって言うか、倒れてるって言うか? 呼吸困難? 喘息ではないだろう。
兵隊さん達が何か騒いでいる。やはり茸味が不味かったのか、茸くさかったのか。
「こいつらの武器、毒が塗ってありました、おそらくは……」
しまった、ちょっとだけでも掠れば、あの大量の毒消しの薬草が使えたのに……、まったく出番無いじゃん、ただの草じゃん、雑草じゃん、草むしりしただけじゃん。
しかしLvの壁はやっぱヤバイよ、大した攻撃でも無いのに、鋭く、速く、重い。
本人達は遅いのに、手と言うか、剣が急に鋭く、速く、重くなる。
あれがウエポンスキルかー、叫び続けながら激しい運動って……ダイエット?ワン モア セット?隊長?帰ったら、委員長達に教えてあげよう、あの大量のドライフルーツが一晩で無くなったらしい……。高かったのに。俺は無駄遣いって怒られたのに。計画性が無いって……自分達だって一晩で……。
「……あのー?おおーい?やっほー?聞いてますかー?」
あっ、お嬢様が何か語っていたらしい。
「お怪我はありませんか?今なら怪しい茸味の液体がありますが?何と、今ならもう一本?」
「……?」
いらないらしい。だよねー。
兵隊さんが盗賊たちを縛り付けている、毒にやられていたようだが、無事回復したみたいだ。よかった、本当によかった、大量の毒消しの薬草が役に立った、無意味な草むしりにならずにすんだ、「毒消しの薬草?これはフラグか?」とか、ドヤ顔で言っちゃったもんなー。ただの草じゃなかったよ、雑草なんかじゃじゃなかったよ。回復はしたが兵隊さんがみんな茸臭いがよかったよ。
「……お願いしまーす、聞いて下さーい、聞いてもらえないと凄く虚しいんですよー、おーい」
おやっ、お嬢様が何か語っていたらしい。
「私はオムイの街の領主の娘で、メリエール・シム・オムイと言います。聞いてます?本当に?もう、5回くらい名乗ってますよ?泣きますよ?」
「聞いてます、聞いてます、半端なく聞いてます。俺は遥です。メリメーリさん?」
ちゃんと聞いてるのにー、俺の記憶力をなめているようだ、どうやら、彼女はオムイと言う街から来たらしい、そこの領主の娘、お嬢様だ、貴族令嬢だ、異世界に来て貴族の令嬢に会うのに3週間掛かってるよ、もう、お姫様とか絶対無理だよ、50年位掛かるよ、もうお婆ちゃんになってるよ。
「……もー、本当に泣いちゃいますよ?号泣ですよ?溺れても知りませんよ?なんで話聞いてくれないのーっ、メリメーリって誰なのーっ」
あら、お嬢様が何か語っていたらしい。
「遥様。私達はオムイに戻るのですが、もし宜しければオムイに同道して頂けませんでしょうか?お礼も改めてしたいですし、そのー、護衛の者が是非お願いしたいと」
「ん~、別に良いけど、近いの?遠いと不味いんだけど、夜までには街に戻らないといけないし」
「遥様はどちらの街からいらしたんですか?」
「あ~、この川の上流の街?名前はー、有ったっけ?」
「……すいません、たぶん、その名も無き無名な街のしょぼい領主のしょぼい娘ですいません、名も無き家柄でお嬢様ぶってすいません、もう名前もメリメーリにします、すいませんでした……」
兵隊さんに怒られた。
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門番さんにも怒られた。
そー言えば、抜け出してたよ。普通に馬車に乗って入ってきちゃったよ。
「そーそーオムイ、超有名、もーみんなオムイ、オムイ、言ってる位大人気で有名、ゴブ達もオムイ、オムイ言ってた、言ってた」
めちゃ、フォロー中です、馬車の中でずっとフォロー中です、フォローの途中で2回くらい名前忘れたのが不味かったのだろうか?ずっとフォロー中です。フォロアーに成れそうだ。
「ゴブリンに有名でどーするんですか?其れ、街襲われちゃうじゃないですか、それに、時々オモイになってます。オムイなんです。無名だけどオムイなんですよーっ(泣)」
街中で領主の娘を泣かせてる所を見つかって委員長に怒られた。
門から抜け出して門番に怒られたのがばれて委員長に怒られた。
宿の置手紙に「オタ達を狩って来ます」って書いてて委員長に怒られた。
オタ達は狩れなかったよってフォローしたら委員長に怒られた。
そして、Lvの高い盗賊と戦って、ウェポンスキルを使われた話を兵隊さんから聞いた委員長に怒られた。泣きながら怒られた。ずっと泣きながら怒ってた…………。