Neta Chara

Episode 126: Training Instructors and Orphans

二次派遣隊が西の駐屯地に来て二週間が経ち、俺と義父上の放った調略の手は次々に成果を上げていた。やはり、ゲルトラウトに人心を掌握するという才能はみれらないようだ。

その為、王都から送り込まれた素人兵や忠誠心を疑われた士官達はこぞって南部軍に転籍をするか除隊してエストフォートの住人になる者が続出していた。

お義母さんの文官団も何だか布教活動でもするような勢いで女性事務系士官を勧誘し、当初に予定していた二十名を早々に引き抜いてしまった。アーネの騎兵隊も部下たちがこぞって勧誘活動に励み、予定枠を早々に引き抜いてしまう。

ただ、一つ懸念材料があった。ドーマン家のお庭番であるセバスチャンからもたらされた情報で、グエインが俺の活躍に目を付けて監視員を送り込んできているとのことだ。

義父上からも「続けて戦功をあげたケントに兄上は警戒心を抱いたのかもしれぬな。身辺には注意しろ」と言われており、引き抜き対象者の身辺調査を再び行なっていた。

俺が引き抜く担当のリディアーヌはお義母さんの再度の身辺調査でもシロだったので、南部軍次席司令官の権限を使って、南部軍基幹部隊訓練計画の策定会議という名目で俺の城館に呼び出していた。

「リディアーヌ、お召しにより出頭いたしました」

「開いてるよ。どうぞ、入って」

執務室のドアを開けて入った来たリディアーヌは迦楼羅族のウルフ種のだった為、幻覚の眼鏡の影響により男性顔である獣顔になっていた。俺は思わずモフモフしようとして腰が浮きかけたが、相手が女性なのを思い出してグッと我慢する事にした。

リディアーヌに席を進めて俺もソファーに座る。

「本日は南部軍基幹部隊訓練計画の策定会議だそうですが、なぜ一士官である私が呼ばれているのです? 普通、このクラスの会議だと将軍クラスではないでしょうか?」

リディアーヌは自分が会議に呼ばれるのが不思議だったらしい。彼女はゲルトラウトが再編した派遣軍では一小隊長でしかないと聞いていた。

「君の経歴に王都での歩兵訓練教官と書いてあったのを見て、今回の南部軍基幹部隊訓練計画の策定会議にふさわしい人物だと思ってメンバーに入れたのさ」

「はぁ、王都では訓練教官をしておりましたが…今回、辞令を受けて戦闘部隊に転任になりました」

リディアーヌは戦闘部隊への転任に裏があると暗に態度で示していた。その辺りの理由も身辺調査の際に浮上して来ていた。彼女は王都の訓練部隊の司令官に愛人関係を迫られて断った事で戦闘部隊へと転属されたようだった。

まったく、王都の軍人どもは無能な上に好色だときている。

だが、俺もやる事は王都の軍人と同じ様な事なんだが、違うのは愛人ではなく嫁にして、彼女の持つ能力を最大限に生かせる場を提供してあげる事だ。俺の能力により、彼女の人生を大きく変更してしまう代償は俺が死ぬまで払い続けるつもりだ。

「俺としては、君みたいな人材が南方の僻地に来てくれたのは奇跡だと思っているよ」

「まだ、年若いケント閣下に言われるとこそばゆいですね。私よりケント閣下の方が凄い戦歴をお持ちじゃないですか。魔獣討伐、防衛戦指揮、大規模な時空の裂け目(クラック)の封鎖。一つだけでも凄いのに数ヶ月の間に三度も戦功を立てられるなんて凄い方です。しかも、まだ十五歳とは…」

リディアーヌは真剣な表情で俺の顔を見ていた。

「その、三つの戦功とも部下と嫁さん達が居なかったら出来なかった事だよ」

「確かに、ケント閣下は大勢の奥様に有能な方がたくさんいらっしゃいますし、配下の方も優れた方が揃っていらっしゃいますね。王都の将軍と違って軍も精強ですし、ケント閣下の私設猟団も優秀なハンターが揃っておられる」

リディアーヌは俺からの引き抜きを期待して予習してきたのか、いやに俺の内情に詳しそうだった。一瞬、セバスチャンの情報にあったグエインから送り込まれた監視員かと思ったが、二度に渡るお義母さんの身辺調査と俺の能力を持ってすれば例えスパイであったとしても取り込む事は可能だ。

「ところでだが、実はリディアーヌに頼みたい仕事があるんだが…」

「私に頼みたい仕事ですか? 私は派遣隊所属ですのでゲルトラウト将軍を通してもらわないとマズイのですが…」

困ったような表情をみせるリディアーヌに俺は引き抜きの言葉をかけた。

「実はリディアーヌに軍を辞めてもらいたくてね」

「え!? 首ですか! そんなっ! 困ります」

突然の首宣告に動揺したリディアーヌが俺の制服に掴みかかってきた。案外強い力で揺さぶられたので掛けていた幻覚の眼鏡が外れて床に落ちた。

「あっ! すみません! 大変失礼を致しましたっ!」

将軍に対して詰め寄るという行為を犯したリディアーヌが顔を青ざめさせていた。それだけ、先程の首宣告が動揺を誘ったのだろう。

「平にご容赦を…私が首になると王都の孤児院が潰れてしまうのです。孤児達が行き場を失うんです…」

リディアーヌは孤児院出身で王都に日増しに増えている孤児達を食わせる為、多額の給金を寄付していたのだ。

本当の所、中央軍の将校であるリディアーヌを処罰できる権限は認められていないのだが、派遣隊自体の指揮系統があやふやな為、リディアーヌも俺の言葉に動揺したのだろう。

俺は裸眼になった眼でリディアーヌを見た。迦楼羅族のウルフ種であり、日に焼けた小麦色の健康的な肌にピンと立った耳とアッシュグレイのショートヘアと体毛が狼のような雰囲気を醸し出していおり、アイスブルーの瞳は忠誠心と知性を感じさせた。身体つきは軍人らしく引き締まっているが、女性らしさを感じさせるように胸が制服押し上げていた。

リディアーヌを見た俺は、タリアとともにリディアーヌを両手に抱き、モフモフしている姿を妄想していた。

犬娘と狐娘…でモフモフ…リディアーヌ用にもう一本ブラシを買って秘密保管庫に追加しておかねば。

俺はリディアーヌをアーネに続く側室として迎え入れるつもりだった。

「実は、リディアーヌに軍を辞めてくれと言ったのは、とてもいい転職先を紹介したいのだ。給金は今の倍額になる」

>イケメンスキル発動【リディアーヌ】友好度大幅上昇

>【リディアーヌ】状態:好意に変化

リディアーヌは裸眼の俺に見つめられた為、イケメンキャリアになった。これで、もう俺からは離れられない。俺はスキルによってリディアーヌの人生を捻じ曲げて仕えさせる事にした。

そこに彼女の意思があるかと聞かれれば、無いと答えるしかないが彼女を幸福にさせてやる事で捻じ曲げた人生の賠償をしていくつもりだ。

「…ケント閣下…そのもしかして…軍内でも噂になっている閣下のお相手を…」

「ああ、それもだが他にもして欲しい事がある」

「わ、私は孤児ですっ! 領主貴族であられる閣下の側室になるなど僭越にも程があります…」

「大丈夫、俺の側室は貴族、平民、孤児だろうが皆平等だから気にする必要はない。ただ、正妻のミリィの言う事は聞いて欲しいけどね」

>イケメンスキル発動【リディアーヌ】友好度大幅上昇

>【リディアーヌ】状態:恋慕に変化

俺の言葉を聞いたリディアーヌの友好度がグングンと上昇していく。それとともにリディアーヌのアイスブルーの瞳が潤んでいった。

「ほ、本当に私のような者がお側でお仕えしてよろしいのですか?」

「ああ、リディアーヌだからだよ。他の女性だったら言わない。君が欲しい。俺はわがままな将軍閣下なのでね」

>イケメンスキル発動【リディアーヌ】友好度最大

>【リディアーヌ】状態:恋愛に変化

リディアーヌの友好度が最終段階に入った。その時リディアーヌが急に泣き崩れた。

「閣下…すみません…本当にすみません…」

急に泣き崩れたリディアーヌを見て、俺は慌ててしまった。

「ど、どうしたのさっ! そんなに俺の側室になるのが嫌だった? 嫌なら無理強いはしないけど…」

友好度が最大にまで上がりきったリディアーヌが泣き崩れるほど、俺の側室になるのが嫌なのかと思うと少し傷ついた。

しかし、リディアーヌの泣いた理由は別にあった。

「ち、違うんですっ! わ、私は中央軍の上司からケント閣下を監視しろと命じられておりました。孤児院運営の資金の為、ケント閣下に近づいて身辺の情報を流せと依頼されていたのです」

リディアーヌがグエインから送り込まれた監視員だという事を漏らした。聞くと孤児院を運営する資金に困っていた所にグエインの諜報組織が接触してきて、俺の身辺を探る代わりに多額の情報料を払うと依頼されたそうだ。

友好度が上がりきって俺の事が好きになってしまったリディアーヌはスパイ仕事と恋愛感情に板ばさみになり、泣き出してしまったようだ。

「リディアーヌは正直者だな。別に泣く必要はないね。俺の秘密は全て教えてあげるよ。ただ、内緒にして欲しい事も沢山あるけどね」

「閣下っ! いけません! 私はスパイなんです」

リディアーヌが耳を塞いでイヤイヤと首を振る。だが、俺はイケメンの力を知っているのでリディアーヌがスパイであろうが関係なかった。逆にスパイである事を明かしてくれたリディアーヌの事がもっと好きになった。

そして、俺の秘密である【赤】持ちの事、俺が異世界人である事、そしてイケメンコンボで女性を自由に出来る事等、色々秘密にしている事をリディアーヌに教えてあげた。秘密を聞いたリディアーヌは尊崇の眼差しで俺の事を見てきた。

「ほ、本当に凄い御方だったのですね…そのような方の側室になど私がなってよろしいのですか…私程度であれば奴隷でも十分だと思います」

リディアーヌは自分の出自にコンプレックスを持っているのか、やたらと自分を卑下している。

「リディアーヌには悪いけど俺の側室になってもらうよ。それにスパイだったら軍の仕事を続けてもらう方がいいね。ウチの南部軍に転籍してくれればいいや」

「それだと、私にさせたい仕事が出来ないのでは?」

「南部軍に転籍すれば軍から出向させる事で対応できるから大丈夫。リディアーヌには俺の私設猟団である『赤の戦乙女(レッドヴァルキリー)』の訓練教官をして欲しいんだ」

リディアーヌは仕事先を聞いてビックリしていた。まさか、私設猟団の教官をするとは思ってなかったようだ。軍の訓練経験はあるがハンターの訓練をしたことはなかったそうだ。

「私は兵士を鍛えるのは得意ですが、ハンターは育てた事はないですが?」

「兵士もハンターも共通するのは体力をつけることさ。あと協調性。それに『赤の戦乙女(レッドヴァルキリー)』は女性兵の訓練機関も兼ねているからね。新兵教育をするようにしてくれていいと思う。ジュリアーナもそのつもりでリディアーヌを引き抜きたいと言ったと思うし」

俺の説明を聞いたリディアーヌが得心いったように頷いていた。

「じゃあ、ウチに来てくれるかい? 給金は倍額だしていいよ。優秀な教官は引く手あまただしね。それに、こっちに住む事になるからリディアーヌが気にしている孤児院の子供達もコッチに呼び寄せたら? ちょうど、俺が前に住んでいた邸宅が空いているから孤児院として提供していいけど」

俺はリディアーヌが気にかけている孤児院の子供達を南部に引き取る事を提案した。彼女がスパイであるのがわかったので、王都に人質になり得る者を残すのは危険と感じていた。

「えっ! 南部に呼ぶのですか? 職員も入れると五十人近くいるのですが…費用が出せませんよ…」

リディアーヌはお金の事を気にしているようだが、『赤の戦乙女(レッドヴァルキリー)』のメンバーに依頼をしておけばさほどの費用は掛からないと思う。護衛に二パーティ派遣しても精々銀貨十枚でお釣りがくるだろう。諸々の費用含めても大銀貨二枚あれば足りると思われる。

それくらいの費用なら、ブラックダガー家からでなくても俺のポケットマネーでどうとでもなる。

「費用は俺が出すからいいよ。リディアーヌもこっちに腰を据えるなら、家族みたいな孤児院の方達を呼び寄せておいた方がいいだろ? 邸宅は部屋数も多いし、大きな居間もあるから大人数の寝起きには最適だと思うよ」

「そんなことまでして頂けるのですか…施設の方に話してこちらに移ってもらう事にしますね。危険はあるけど南部なら孤児だからといって仕事にあぶれることもないと思うし、孤児院を出ても生活していける環境が多そうですしね」

孤児院は成人と認められる十五歳になったら出なければならない決まりだそうだ。しかし、王都では深刻な経済不況のせいで孤児では碌に働き口が無く、犯罪に走るか物乞いするかしかない状態だそうだ。

しかし、孤児は増える一方だそうだ。生活に困窮した親が子供を残して蒸発する事が多々起こっている。

子供というのは国の未来を託す人材であるにもかかわらず、王都の連中はこの事態を放置しているそうだ。それどころか、孤児なのをいい事に奴隷として売り払う悪徳役人もいるらしい。 

王都の孤児達の惨状を訴えるリディアーヌの話を聞いた俺はある決意をした。

現在兵士や『赤の戦乙女(レッドヴァルキリー)』のメンバーが住んでいる旧駐屯地を軍営や寮が完成後、孤児院兼教育施設として再利用する事にした。お義母さんにはこれから相談するつもりだが、エストフォートの次世代を担う人材育成の場として提供しようと思う。

もし、お義母さんが首を振ったら、ブラックダガー家の事業として行なうつもりだ。

「リディアーヌの話を聞いていい事を思いついた。王都の孤児達を残らず南部に引き取ろうと思う。しばらくすれば駐屯地の兵舎が空くからそこを住居兼教育施設として提供するつもり」

「はっ!? 閣下何をおっしゃっているのですか? 王都の孤児といったら把握しているだけで数百人はいますよ。彼等を養うとなれば莫大な費用が掛かります。それに、教育までなんて…」

「誰もタダで養うつもりはないよ。それぞれに出来る事をやってもらうつもりさ。ウチは働かざる者喰うべからずと言われるからね。簡単な仕事をしてくれれば衣食とお小遣い程度のお金を出すつもり。教育もそんなに大それたものじゃない。簡単な読み書きと計算を教えるだけさ。それ以上は本人の向学心にお任せになる」

「それぞれに出来る事をですか…孤児達の成人後の職業訓練も兼ねるとおっしゃるのか…なんという深慮遠謀…」

「南部は人手が足りないのさ。子供でも出来る仕事もたくさんある。無論、必要以上に酷使するつもりも無いけどね。それに数年すれば働く立派な領民として俺に税を収めてくれる。その為の先行投資をするだけさ」

子供は何時までも子供じゃない。数年すれば大人になるのだ。その時にキチンと働く領民になってくれていれば、投資した資金以上の税が返って来る事になる。

「閣下…そこまで考えておられるのですね…ですが、孤児を集める方法はどうします?」

「大っぴらに孤児を引き取ると喧伝すればいい思うよ。王都の連中にとっては賛成こそすれ反対なんかしないだろ? お荷物を引き取ってくれるとばかりに少し金を包めば喜んで許可状が出そうだ」

実際、今回の派遣隊も実質失業者という不穏分子を送り込んでいるのを見れば、王都の連中の頭の中身は保身と蓄財のみに振り分けられていると思うしかない。

「けど、グエインに眼をつけられているから俺の名前で集めるのはマズイね。孤児院の施設長さんか誰かが中心人物として孤児集めと南部輸送の責任者になってもらおう。お金は懇意にしている商会を通してウチが出すから大丈夫」

「は、はいっ! マーサさんに話をつければ王都の孤児は集まると思います。この際、施設を卒業して働き口の無い孤児出身者を施設の職員として雇っていただけないでしょうか。そこまでして頂ければ、私は命を賭して閣下の為に全ての人生を捧げます」

リディアーヌはともに育った仲間が就職出来ずに困っているのを見捨てられず、俺に頼ってきた。

「犯罪を犯していない者であれば採用しよう。枠はリディアーヌに任せる。自由に呼べ」

「閣下……ありがとうございますっ! 一生御仕えいたします」

リディアーヌが土下座をしていた。青年であれば南部へ来れば仕事などいくらでもある。【犯罪者】・【盗賊】ジョブを取得していなければ働き口など幾らでも世話してやれる。エストフォートは五万人規模の都市として整備している。人は幾ら居てもいいのだ。

その程度の事でリディアーヌ程の人材が俺の側に仕えてくれるなら惜しくは無い。

それに、孤児院兼教育施設を卒業した子供は読み書き計算を教え込まれて社会に出て行く予定なので、数年後には交易都市を目指すエストフォートに得がたい人材を多数輩出してくれる事だろう。

教育長としてナニーを送り込むのもいいかもしれない。俺に領主教育するより、遥かに有益な効果を上げると思われるからだ。文官団も充実した事で、ナニーを教育長へ異動させても支障はきたさないと思われる。

孤児に夢を与えるといえば聞こえがいいが、ようは自立して給金を稼いで食べていける方法を教えてあげるだけだ。俺は彼等の親ではないので、全ての孤児を救う気は無い。ただ、やる気と熱意のある子には道を示してあげようと思っただけだ。

労働の対価を得て食を得る。その当たり前の事を小さいうちから叩き込む事で、将来俺のような出来の悪い大人子供が発生する事を防ぐ事は出来るだろう。

「リディアーヌには訓練教官として頑張って欲しいからね。だけど、その前にしておかないといけない事がある」

「え!?」

俺はリディアーヌをお姫様ダッコで抱きかかえると仮眠用の個室に向かって歩き出す。リディアーヌがスパイであると白状しているのとキャリア化しているのでする必要は無いがとりあえず建前としてやっておく。

そう、捕まったスパイには拷問がつきものでしょ。

「スパイがバレたらどうなるかわかってるよね? 特に女性スパイが捕まったら?」

俺の言葉にリディアーヌが顔を赤らめる。どうやら、俺の意図は伝わったようだ。リディアーヌは消え入りそうな声で小さく答えた。

「…は、はい。…女性のスパイは男性に拷問されてしまいます…はぁ、はぁ」

これからされる事を想像しているのか、リディアーヌは発情していた。

別にリディアーヌを拷問する気は更々無いが、カウンタースパイとして危険の無い程度にグエインの諜報組織の情報を集めてもらう事も視野に入れている。その為に誰が仕える主人かを教え込む為の儀式みたいな事をしておく事にした。

別に俺がそういうプレイをしたいわけじゃない…きっとそうだと思う…思いたい…

そう思いながら個室のドアを閉めた。