Neta Chara

Lesson 249: Get a Rare Beast Daughter?

「目標確認!! 集落はすでに異界生物(アナザーモンスター)達によって包囲されている模様!! 黒い弾丸(ブラックバレット)とケント様達を先に降下させますっ!」

乗騎として乗っているリュミドラから、目的地の状況が伝えられていた。すでに俺も目視で目的の村の状況を確認できていた。

ちぃ、すでに多くの異界生物(アナザーモンスター)が村を包囲しているのか……どうにかして村人の脱出時間を稼がないと……

「わかった。黒い弾丸(ブラックバレット)は、村に侵入してくる異界生物(アナザーモンスター)の撃退。紅の花嫁(クリムゾンブライド)は村人の保護と救出作業の手伝い。黒翼(ブラックウイング)はリュミドラ指揮下で、黒い弾丸(ブラックバレット)の援護と村人をフェルアド砦まで輸送しろ。輸送籠に村人を乗せたら一目散にフェルアドを目指せ。幸いまだ空には異界生物(アナザーモンスター)の姿は見られないからなっ!」

「わかりました。一旦、ブラックダガー卿達を村に降ろします」

リュミドラが高度を下げて集落へ近づいていくと、後方の黒翼(ブラックウイング)達の中で輸送籠を装備したメンバー達が後に続いて下りていく。残りのドラゴニュート達は村に近づきつつある、異界生物(アナザーモンスター)達の大群に向けて急降下ブレスと投石による攻撃を始めていた。その攻撃隊には、すでにメイドラゴンとしてドラゴニュートに騎乗したフェリアとイネスの姿もあり、乗騎となったドラゴニュートとともに迫り来る異界生物(アナザーモンスター)の首を刈り取っていた。

「ひゃっほーーーい!! ここでなら、神術を使いたい放題ですー! フェリアちゃん最強ですー!」

フェリアが神術である戦乙女の斧槍《ワルキュリア・バルディッシュ》を現出させて、光り輝く斧槍を手に次々に異界生物(アナザーモンスター)を討ち取っていく。イネスも負けないように大きな戦斧を振りまわして、まとめて数個の異界生物(アナザーモンスター)の首を飛ばしていった。ドラゴニュートとフェリア達の奮闘により、村への敵圧力が低下した内に俺達は集落へ降下することができた。

「……相変わらず、お前の嫁達は無茶苦茶だな……あれ、魔術じゃねえだろ? 放出している魔素(マナ)の量が半端じゃねえぞ」

フェリアの神術を見たクレイドがジト目で俺を見てくる。俺は素知らぬふりをして明後日の方向を見て口笛を吹いていた。

「ちぃ、この件は黙っといてやるよ。神術を使える奴がいると分かると、王国で異端審問にかけられるかもしれねえからな。今回の救出の件で差し引きゼロにしてやる」

クレイドは王国にチクると言っているが、俺の国はすでに独立国家なので、王国にチクられても別に影響はないのだ。まぁ、しかしクレイドの気がそれで済むのであれば、笑って許すのが王の度量だと思うので突っ込むのは止めにして、救出作戦に全力を注ぐことにした。

「さぁ、黒い弾丸(ブラックバレット)のメンバーは村への進入路に簡易バリケードを設置してそれぞれの射撃地点に散開! リュミドラ、上空の護りは任せるよ。万が一にも敵を侵入させないように。後は村人達を保護するぞ。クレイドさんは村長を紹介して」

村に降りたメンバー達に指示を出すと、俺はクレイドを伴い村長の所へ向かう。すでに大半の村人が広場に集まっており、心配そうに俺達の顔を見ていた。そして、クレイドが一人の羅刹族の女性の前で止まった。

「ヴァレンティナ、約束通り保護してくれる奴を連れてきたぞ。多分、身の回りの世話をする絶滅寸前の迦楼羅族の女を四~五人見繕えば、絶対に助けてくれるくらいお人好しな王様だからな」

クレイドのとんでもない紹介を聞いたヴァレンティナという女性が、ギョッとした顔をしていた。

「クレイドさんっ! 俺はそんな邪な考えを持って助けにきたんじゃないよ。南部辺境伯国は保護を求める人を放っておかないだけさ。ヴァレンティナさん、クレイドさんの言ったことは忘れてください。私は南部辺境伯王をしているケント・ブラックダガーです」

できるだけ爽やかに握手を求めようとしたが、クレイドの紹介を聞いたヴァレンティナが恐る恐る握手をしてきた。先ほどの紹介で完全に俺を変質者扱いしているようだ。

「え、ええ。この村の村長をさせてもらっているヴァレンティナ・オッキーニです。アーシェラ様の結界施設の整備監督者も併せて務めております。此度は我が願いを聞き届けていただきありがとうございます。見ての通り、我が村はすでに異界生物(アナザーモンスター)に囲まれて、陸路での脱出路を失っております」

「その件は私の配下の黒龍族が責任を持って村人達をフェルアド砦まで送り届けます。その後は陸路でエストフォートまでこられるように手配はしておりますのでご安心を」

すでにニレイ要塞の軍に対してもフェルアド砦まで荷馬車を至急送るように伝達してあり、救出された村人は直ぐにでもエストフォートまで運び込まれる手はずとなっていた。

「……そのように厚い保護をしていただけるのですかっ!」

ヴァレンティナが驚いたように目を見開いていた。

「ケントはお人好しだからな。それに女好きだ。ヴァレンティナも子種が欲しいならケントにもらえ。夜は寝かせてもらえないほど激しいらしいぞ。フィーチェ、イオラ、シイナ、ベラもケントの身の回りを世話させてやれば子種が大量だ。こいつは【性豪】持ちで性欲底無しのエロ魔人だからな。ちなみに俺の娘まで手籠めにしやがった」

クレイドの毒が籠った説明に、ヴァレンティナがビクッとして握手していた手を引っ込めた。

「ケント様……やはり、お世話する人を出さなければなりませんか……」

途端に瞳をウルウルさせて動揺しているヴァレンティナを見ていると、苛めているようでソワソワと落ち着かない気分になる。

「あ、いや。さっきから言っているけど、クレイドさんの説明は大いなる見解の相違の産物だからね。私は君達を国民として引き取ると言っているだけさ。確かに私は多くの妻妾を持っているけど無理矢理に手籠めにしたことは……ないはず」

「えっ! えっ!? その間はなんですかっ! 凄い気になってしまうのですが!」

更に瞳をウルウルさせて心配そうにヴァレンティナが俺を見ていた。

「だぁああ! だから、手籠めにはしないから、早く村人達を輸送籠に乗せて! 特に迦楼羅族の人達は、絶滅したと思われている四種族なんで、大至急保護してあげないといけないんだっ!!」

俺はウルウルさせているヴァレンティナの肩を掴むと、村人達に退避命令を出すように説得する。クレイドからの報告で、この村ではヴァレンティナの権限が絶対であり、彼女の指示がなければ村人は動かないと言われていた。

「……本当に大丈夫ですか? 私達を保護すると偽って、どっかに監禁して『ぐへへ、いい上玉が入ったぜ。しかも、絶滅危惧種のレア種族とは俺はツイてる』とか言わないですよね?」

ヴァレンティナの妄想があらぬ方向へ暴走しようとしていた。

「…………ないと思う」

「なんで、間が開くんですかっ!」

いや、だってさ。カワイイ獣娘とかがいたらゲットしたくなるのが、男のサガでしょうに……

「ケントっ! 遊んでいる暇はなさそうよ。四方から異界生物(アナザーモンスター)が来襲中よ。現在、黒い弾丸(ブラックバレット)がバリケード付近で応戦中!! 私達も援護に出るわ。誘導員はラナ、タリア、アナベラさんに任せておくからね」

「あ、ああ! 村人の乗り込みが始まったら俺も援護に行く! 突破させないようにしてくれ」

ミリィ達が手を上げて答えると四方に向かって散っていき、それぞれ黒い弾丸(ブラックバレット)の援護を始めていた。

「ヴァレンティナ! グズグズしてると、ここでみんな全滅するんだっ! 君も長ならば決断をするように!」

「……うーー! 仕方ありません。身の回りの世話の件は一応保留です。ですが、相応のお礼は致しますので、お助けくださいませ」

「わかった。全力で助ける」

ヴァレンティナは苦渋の決断をしたようで、何か苦い物を飲み下したような顔をしている。しかし、気持ちを切り替えたらしく、すぐさま村人達へ乗り込みを開始するように声掛けを始めた。

「さぁ、私達はケント王に保護してもらうことになりました。フィーチェ、イオラ、シイナ、ベラはケント王とともに村人脱出までの時間を稼ぎなさい。その他の村人達は誘導に従い輸送籠に乗ってフェルアド砦まで逃げ込みますよっ!」

凛とした声で指示を出すヴァレンティナは、さっきまでの優柔不断さが嘘のようにしっかりと指示を出していた。そして、ヴァレンティナに呼ばれた四人の迦楼羅族の戦士達が俺の前に跪く。四人が四人とも胸元と秘所を隠す程度の毛皮の衣服しか身に付けていない野生児スタイルで俺を迎えていた。

ア、アカァアァァ―――ン。こんな、格好で戦われたら絶対に家の隅に引っ張り込んで種付けしちゃうからぁぁぁーー!! 絶滅危惧種の迦楼羅族というだけでも重度ケモナーの俺の心を萌えあがらせているのに、更にそこへ毛皮のビキニのような装備を付けて目の前戦われたら、俺の視線は彼女達に釘付けにされてしまうではないかっ!

だが、俺は遠征においてミリィにコッテリと搾られたため、何とか自分の理性で性欲をグッと抑えることができていた。しかし、これには反動があり、この作戦が終わった後には妻妾達には白濁の汁が大量に撃ち込まれることとなるだろう。

「ヴァレンティナ様の下知によりケント様のご指示に従います」

虎縞の毛皮を着た女性が神妙そうに俺を見上げていた。四人が四人とも引き締まった身体をしており、胸は女性らしさを強調するように大きく膨らんで柔らかそうに揺れている。

……ヴァレンティナには悪いけど、早急に保護して繁殖活動に入らないといけないレベルだわ……俺の獣メーターがレッドゾーンを振り切りそうだ……

「あ、ああ。君がフィーチェだね。ところで、君たちは誰か連れ合いはいるのかい?」

俺の突飛な質問の意図を図りかねたのか、フィーチェが不思議そうに小首をかしげる。そのしぐさが更に俺の獣メーターを振り切らせていった。

「え? あ、いません。守人の護衛者は未婚の者が務めることになっておりますので、ここにいる四人には連れ合いはいませんが……」

独身だ……なにこのレアキャラを複数ゲットしたみたいな、幸福な状況は……俺、そろそろ運を使い果たして死んじゃうの?

独身の絶滅危惧種の獣娘を四人も確保できると思うと、心が沸き立って小躍りしたいほど有頂天になる。

「そうか、これより君達は俺の指揮下で異界生物(アナザーモンスター)を討伐する。各自、準備はいいかい?」

「整っております。さぁ、参りましょう」

「お前等、今のでケントにロックオンされたからな。近いうちに寝室に呼んでもらえるぞ。そこでいっぱい子種をもらえ。そこの王様は俺と同じ【赤】持ちだからな。ちーと種が薄いが回数こなせばできるだろうよ」

隣で成り行きを見守っていたクレイドが再度茶々をいれてくるが、クレイドの言葉を聞いた四人がグビリと喉を鳴らし、眼の色が肉食獣のソレに変化した。

なにこの子達はヤル気十分なの? 俺、マウントポジション取られて搾り取られちゃうのかしら……

「分かりました。ケント様の子種がもらえるように精進いたします」

「あ、うん。働き次第では側室として私の傍に仕えてもらうつもりだから、全力で実力を見せるように援護はちゃんとしてあげるからね」

「「「「御意」」」」

こうして、四人の美しき獣娘達とともに村人脱出までの間、村を防衛することになった。