Once transferred, Sage, I was reincarnated and became the son of the Demon King. ~ Eh ⁉ The sixteenth place in throne inheritance would be too low ~
Episode 89: Meeting with representatives of each clan
二日後。
僕の呼び出しに応じて各氏族の長又は代理の方々がやって来た。
名をあげて行くとこうだ。
十二氏族。『イシメオン』族長エリュマントス。
『カッサカル』族長ラタトスク。
『ゴーゼフ』族長エアレー。
『ジャミニン』族長ワルタハンガ。
『シルベン』族長マルコシアス。
『タシエル』族長チアンリアン。
『タゼブル』族族長チンロン。
『ネフタリ』族長アウズンブラ。
『バダン』族長アルタイル。
『ホーユス』族長デイオメデス。
『モンガド』族長スグリーヴァ。
『レバニー』族長アルベル。
『オルピー樹海』通称『奥地』で暮らしている氏族からは。
アイゼンブルート族からは族長代理としてジネラールゼーリエ・イクスフィーア。
アラクネ族長スイレン。
昆(イン)虫(セク)人(ト)族からは各部族の代表としてアンフォロミ―カ部族長であるアンビアとアぺビーネ部族長ビクインとグラスホッパー部族長バータラ・バッタ。
巨人族は族長オケアノス。
吸血鬼族からは部族の長の代理として『善良公』ことシャルル=ドゥ=ブルロワ=ヴァルゴーニュ。
ダークエルフ族長ボルフォレ。
デュラハン族長エキシアン。
天人族長シェムハザ。
最後に人(ワー)獅(ライ)子(オン)からはネメアー・ゼへクレスとリオン・ゼヘクレスの族長夫妻。
来てくれた人達の名前を書いた紙を見たけど、改めて思い返してみると、結構アクが強い面々だよな。
そう考えていると、執務室のドアが叩かれた。
「誰だ?」
『リッシュモンドです』
「どうぞ」
僕が入る様に促すと、リッシュモンドが脇に紙の束を持って入って来た。
「リウイ様。各氏族の代表者が宿泊する場所に送り届けました」
「ありがとう」
「それと、会談に使う施設ですが。この館では無理ですので、この『カオンジ』近くの軍駐屯地を使います。巨人族でも入れる大きさですし、警備の面で言えば十分でしょう」
「そうか」
警備の面でも話をするにしても、あそこなら問題ないか。
「警備に関しては、アイゼンブルート族の部隊が軍駐屯地の周囲を囲むように警備する予定です」
「それなら、問題ないか」
「はい。一応、ロンチュンの部隊とウォルフの部隊を与えて警備に当たらせるつもりです」
「へぇ、ロンチュンはまだ分かるけど、ウォルフにも部隊を与えたのかい?」
「はっ。ヴェインが、問題なしと言ったので、部隊を与える事にしました」
「そうか。リッシュモンドがそういう判断したのなら問題ないね」
「ありがとうございます」
「ああ、そうだ。リッシュモンドはどうするんだ?」
「どうとは?」
「僕は向こうの大陸に行くけど、リッシュモンドはエキシアンの所に戻るのかい?」
「いえ、リウイ様のお供をしたいと思います」
「そっか。分かったよ」
前世の僕を知っている人が居るのは助かる。
「じゃあ、頼むよ」
「お任せを」
会議は明日か。どうか、面倒な事が起こりませんように。
翌日。
起床した僕は何時もよりも念入りに服を整えた。
これから、各氏族の代表達と会うのだから、みっともない格好では駄目とソフィーに言われたので、ソフィーとシャリュの二人が念入りに服を整えてくれた。
更に姿見で変な所がないか確認した。
「問題なしですね」
「ええ、これなら大丈夫でしょう」
二人はそう言うけど、僕からしたら何時のも服に比べると、少し装飾が多い位としか思わないのだけど。
まぁ、二人がそう思っているのなら、此処は下手に口を出さない方が良いだろう。
何せ、僕はファッションセンスというのが全くない。
前世でも、マイちゃんには「もっと服に気を配りなよ」と怒られた。
そして、一緒に服屋さんに行って服を選んでくれたんだよな。懐かしいな。
「リウイ様?」
「どうかしましたか?」
おっと、つい前世の事を思い出していたら、二人が怪訝な顔をしていた。
「何でもないよ。ちょっと考え事をね」
「そうですか。では、頑張って来てください」
「ああ」
僕はそう答えて、部屋を出て行った。
館を出た僕は馬車に乗って軍駐屯地に向かう。
軍と言っても、主に使っているのはアイゼンブルート族の者達が補給などに使う所だ。
図体が大きいアイゼンブルート族が使うので、その分広い。
巨人族が部族全員入っても問題なく使えるという事を想定して造られた駐屯地だ。
僕はその駐屯地に着くと、出迎えたのは意外にも『レバニー』族の族長であるアルベルだった。
「お久しぶりです。領主様。ご尊顔を拝謁できまして嬉しく思います」
膝をつきながらそう言うアルベル。
「やぁ、アルべル族長殿。元気そうでなにより」
にこやかに挨拶する僕達。
「リウイ様。この場には、僕達しか居ないので、そんな畏まった言い方はしなくても良いですよ。どうぞ、気軽にアルと呼んでもらって結構ですよ」
十二氏族の族長達と話す事があったので、それなりに親しくしている。
中でも『レバニー』族の族長アルベルと『カッサカル』族長ラタトスクの二人は歳が近い所為か他の人達よりも仲良くしている。
それで知ったのだが『カッサカル』族長ラタトスクは僕よりも二歳ほど年上だそうだ。あんな子供の様な見た目で。
その事について話すと頬を膨らませて怒り出すのだが、何か、その怒る姿が可愛いのでほっこりとするんだよな。
「各部族の集まり具合は?」
「はい。十二氏族は全員集まったのですが『奥地』で暮らしているアンフォロミ―カ部族長であるアンビアとアぺビーネ部族長ビクインとグラスホッパー部族長バータラ・バッタと天人族長シェムハザの四名はまだ、到着していませんね」
「うん?都市には着いていると報告は入っているけど、ここまで来て、何かトラブルでもあったの?」
「いえ、化粧のノリがどうとか言っていたと聞いています」
「……女性だしね、仕方がない」
女性の準備は時間が掛かる。それは前世で十分に理解している。
「はぁ、そうですか」
アルべルは分からないのか、首を傾げていた。
ふふ、君も女生徒買い物を行く事があったら分かるよ。
「じゃあ、先に会談に使う場所に行こうか。そして、全員集まったら、各氏族の代表達を集めた理由を話す事にする」
「分かりました。どうぞ、こちらです」
僕はアルべルの案内で会談に使う場所へと向かう。
アルべルの案内で、僕は会談を行う場所に来た。
其処は演習場なのか、屋根はないがだだっ広い所だった。
まぁ、巨人族が来ているので、屋根があったら入れないだろうから、此処で良いだろう。
そう思いながら、既に来ている人達の所に行く。
来てないのは、アンビアとビクインとバータラ・バッタとシェムハザの四名だけと聞いているので、残りは来ているのだろう。
「ンデナ、儂ハ言ッタンジャ『ソンナニ自分ノ意見通シタインナラ、儂ヲ倒シテミイ』トナ、ソウ言ッタ途端、周リニイタ儂ノ意見ニ反対ノ者達ハ、シーント静マリオッタンジャ」
「ほぅ、それはまた凄いな」
「聞いた話によると、そちらの茶は少し発酵していると聞いたのですが、本当ですか?」
「本当じゃよ。じゃが、発酵し過ぎると飲めた物では無くなるのでな、だから、少ししかせんのじゃ」
「おい、ボルフォレっ。会談が終ったら、俺と勝負しろっ」
「ふん。貴様の様な妻の尻に敷かれた猫如きが儂に敵うと思うのか?」
「アラクネ族が作る生糸は、極上だと聞いている。是非、我が部族と交易を」
「そちらは何を対価に出すのかしら? それで決めて良いかしら?」
何か、久しぶりに会った親戚が飲み会している様な感じの空気だな。
で、そんな中で。
「「…………」」
皆から少し離れた所に居るアルタイルとイクスフィーアは何をしているんだ?
二人共、一言も話さずにお互いを見ていた。
何をしているのか、さっぱりだ。
「リウイ殿はこちらの席です」
アルベルが手で示した席に座る。
各氏族の代表者達が座っている椅子から、僕が良く見える様に僕を中心に半円を描くような位置になっていた。
僕が椅子に座ったのを見て、皆話すの止めて僕を見る。
「御機嫌よう。領主様」
「ああ、シャルル殿もご壮健そうで」
「ははは、何せ近頃は争いらしい争いがないもので、筋肉を鍛える事しかしていませんので。それと、わたしの事は気軽に舅殿と呼んでも良いのですよ」
「いや、そちらのお嬢様とは結婚していませんので」
「わたしも妻も早く孫が見たいものですな~」
口髭を弄りながらそんな事を言うシャルル殿。
これは、揶揄われているのだろうか? それとも娘も良い年頃だから返してくれないかと言っているのだろうか? 判断に迷うな。
「まぁ、シャルル殿。そう揶揄っては、かえって話が進まなくなる。此処はじっくりと腰を据えて、見守っていればいいんじゃよ」
「ふむ。成程。流石は十二氏族の全族長の中でも最年長であられるエアレー殿ですな。勉強になります」
「ほほほ、ただの長生きしているだけの爺さんじゃよ」
その後は、各氏族の近況報告を聞いて、他の部族から人手を借りたり、氏族が暮らしている所から取れる物を交易で手に入れれる様に話し合いが行われた。
僕が会談場所に来てから、一時間後。
「待たせたな」
「ごめんなさいね~」
ようやく、アンビア達がやって来た。
僕はまぁ、女性だから仕方がないかと思っているが、男性陣は何か言いたげな顔をしていた。
「あら、ごめんなさいね。今日は化粧のノリが悪くてね、でしょう? アンちゃん」
「うむ。バタバタの言う通りだ」
そう言われても、待たせ過ぎだと皆の顔に書いてあった。
これ以上、これ以上話を長引かせると、後々面倒そうだからな。此処はさっさと、今日皆を集めた訳を話そう。
「では、皆、来たので、話をしようか。アンビア達も席に座ってくれ」
僕がそう言うと、何人か何か言おうとしたが、僕がそう言ったお蔭で、何も言えなくなったのか、悔しがる顔をした。
アンビア達も空いている席に座った。
「じゃあ、皆を此処に集めた理由だけど」
僕は魔都であった事を全て話した。
「……成程。つまり、王位継承権を破棄して、領地の返上するか」
エアレー殿が顎を撫でながら言う。
「そうなんだ」
「リウイ殿。一つ聞きたい」
「何かな? マルコシアス殿」
「貴殿が居なくなったら、この領地はどうなるのだろうか?」
「それについては、考えがあるので大丈夫だ」
「考え? どんな?」
「出来るだけ上手くいかせるつもりだが、本当に上手くいくか分からないので、まだ話せない」
「・・・了解した」
「リウイ殿。もう一つ聞きたいのだが」
「何でしょうか? ボルフォレ殿」
「向こうの大陸に行くそうですが、何人かお供にするのですか?」
「ああ、メイドを数人連れて行く予定だ」
「成程。では、わたし一族からも、何人か出しましょう」
「はい?」
おいおい。何を言っているんだ⁉