Once transferred, Sage, I was reincarnated and became the son of the Demon King. ~ Eh ⁉ The sixteenth place in throne inheritance would be too low ~
Episode 42: I feel great. It hurts, though.
樹海に準備が整ったので、僕達は樹海へと向かう。
メンバーは僕、村松さん、リリム。後はパンツアーゼーリエのアーエルフ率いる戦車部隊。
「じゃあ、言って来るけど。後はお願いします」
「ええ、勿論です。なるべく早く帰って来てくださいね」
姉上は居残りだ。
母さんとラミティーナさんの観光案内を買って出てくれた。
何でも、僕が魔国を出て行った後はこの領地は姉上が管轄しており、観光できる所を問題なく案内できるそうだ。
なので、二人の事は姉上に任せた。
「じゃあ行くとしようか」
「ヤヴォール」
僕が乗っているアーエルフに声を掛けると、返事をしたアーエルフは発車させる。
先頭をアーエルフで、その後の他のパンツアーゼーリエが続いた。
後ろを振り返ると、姉上が手を振っていた。
見えなくなるまで居るつもりなんだろう。
姉上らしいと思いつつ、僕は前を向いた。
カオンジを出て北上する事数時間。
僕達は陣形で言う所の、鋒矢の陣で進んでいる。
此処からは樹海まで平坦な道が続くだけだ。
このパンツアーゼーリエは初めて見るので、どんな構造になっているのか分からなかったが、元は人を運搬しながら戦闘する事を想定されていたのだろう。
僕が座っているキューポラいやこの場合は展望塔と言うのが正しいな。其処が人が数人座っても問題ない広さとなっているし、映像越しだが周りの風景を見る事が出来る。
恐らく、この映像はアーエルフが見ている風景だろう。
広いし座っている椅子は座り心地が良い。その上、沈みそうな位に柔らかいクッションが置かれていた。何でこんなのがあるんだと不思議に思う。
このまま樹海に着くまで乗っているのも悪くないが。
姉上も居ないし戦車に乗っているのだから、アレをやってみたいな。
思い立ったが吉日だ。良し。
「アーエルフ。一旦停止」
「ヤー」
アーエルフは何も訊かないで、停止してくれた。
こういう聞き訳が良いのはアイゼンブルート族の良さかもな。
停まったので、僕はハッチから出て外を見る。
うん。こっちの方が良いな。
「どったの?」
「リウイ様。何かありましたか?」
両隣のパンツアーゼーリエに乗っている村松さんとリリムがハッチから顔を出して訊ねて来た。
「いや、ちょっとやってみたい事が出来たから」
「「やってみたい事?」」
二人は何がしたいのか分からず首を傾げた。
僕はハッチから完全に身体を出して、ボンネットの方に行く。
其処で腕を組んで仁王立ちした。
そして、深く息を吸って。
「パンツアーフォー‼」
カオンジに来る前に村松さんと話していた事をしてみた。
それに加えて好きだった〇雄伝説に出て来るある将軍の真似をしてみた。
主人公のクラスメートの父親で実は主人公の父の部下であったという将軍だ。
紅毛と言うが髪はオレンジぽかったな。
その将軍が戦車のボンネットに乗って敵の機甲兵と戦うシーンは見ていてすごい目立っていたとお思った。
「ヤヴォール」
僕の掛け声と共にアーエルフが発射した。
他なパンツアーゼーリエも続いた。
肩で風切りながら進む。
う~ん。何か気持ち良いな。
「これは良いな~……あいてっ!」
良い気分であった所にガタンと揺れて舌を噛んだ。
平坦な道とはいえ、整備された道ではないから凸凹している所はある。
お蔭で舌を噛んでしまった。
こういうのはやはりゲームだから、あの将軍は舌を噛むという事が無かったんだろうな。
つくづく、ゲームと現実の違いを見せつけられた気分だ。
でも、帰りもこうやって帰ろう。何か気分はいいし、眺めも最高だから。