Reincarnation Monarch

Episode 774 Introduction

「……デルキア、後で後悔することになるぞ?……」

メノンティウスが、デルキアに対して最後通牒を突きつけた。

だがそんなことで怯むデルキアではなかった。

「ぬかせっ!お前こそ後悔するなよ!」

デルキアは叫ぶや髪の毛を逆立たせ、全身を青白く染め始めた。

だが次の瞬間、デルキアの顔が曇った。

「……おい、メノンティウス。お前の後ろにいる奴らはなんだ?人間のように見えるが……まさかそうではあるまい?」

するとメノンティウスが微かに笑った。

「人間だ。紛れもなくな」

するとデルキアの顔がより一層怪訝なものとなった。

「……何で人間を連れているのだ?メノンティウス。お前一体何を企んでいるのだ?」

するとメノンティウスは軽く肩をすくめた。

「必要だからつれているだけだ」

「必要ってどこでどう使うのだ?まさか最下層で使うなどと言うつもりでもあるまい?」

「そのまさかだ。この者らは最下層において有用な人材なのだ。だから連れているというわけだ」

するとデルキアが、メノンティウスの話しの核心をわざと逸らす言い方にイライラを募らせた。

「だから最下層で何故人間が必要なのか言え!お前の言い方は昔っからまどろっこしくてかなわん!」

すると、怒りを露わにするデルキアとは対照的に、メノンティウスは至極冷静に言い放った。

「では単刀直入に言おう。ガイウス・シュナイダーを取り戻すためだ」

するとこれにデルキアは、目を大きく見開いて驚いた。

「ガイウスを取り戻すだと~!おい、メノンティウス!速やかに判りやすく、かつ簡潔に説明しろ!」

焦り気味に捲し立てるデルキアに対し、メノンティウスはにやりとした微笑みを浮かべて答えた。

「ガイウス・シュナイダーは現在あちらの世界に飛ばされている。だからこちらの世界に呼び戻すために最下層へ行く必要があるのだ……と言ったら判るか?」

デルキアは初めて聞く話しに驚きの表情を浮かべた。

「……ガイウスがあちらの世界にだと?……本当か?一体どこのどいつがガイウスを飛ばせるというのだ?」

「さあ、それは判らない。だが飛ばされたのは間違いなく事実だ」

「……本当に間違いないんだな?本当にガイウスはあちらの世界に飛ばされているんだな?」

「ああ、間違いない」

「……それで最下層か……つまりあの者に呼び戻させようと言うわけだな?」

「その通りだ」

「よし。それは判った。だがだからといってなぜそこな人間たちを連れていく必要があるのだ?あの者らは一体ガイウスの何だというのだ?」

するとメノンティウスは半身の体勢となり、その後ろで悪魔たちのやり取りを呆然とした表情で見ているロンバルドたちを振り返った。

「紹介しよう。これにあるはロンバルド・シュナイダー。名前で判るとおりガイウス・シュナイダーの父親だ」