Reincarnation Monarch

One Thousand Two Hundred and Fifty Stories

「……ふむ、ではひとまずアウグロスのことは置こう。他の連中はどうだった?」

カルラが閑話休題とばかりに話しを少し変えた。

ガイウスは我に返り、首を傾けて思い起こすようにして口を開いた。

「……そうだな。メギドは、かなり思考がハチャメチャだったな」

するとカルラが苦笑を漏らした。

「ハチャメチャか。まあ、そう言われても納得だがな」

「だよね。まあなんていうか、怒りが充満していたよ。それも、何に対してってこともなく、常にね」

「それは、我々の発言に怒っていた訳ではなく、最初から怒っていたという意味か?」

「そう。勿論カルラたちの発言にも怒っていたよ。ただその前から、ずーっと怒っていたね」

「ふむ……つまり怒りの度合いはその時々で変われども、常に根底では怒りが充満していたというわけか?」

するとガイウスが大きくうなずいた。

「その通り。怒りが消えることは決してなかったからね。メギドの心の奥底には、もう怒りが日常のものとして定着しているんじゃないかな?」

するとカルラが、メギドの嫌らしい笑みを思い起こして、少し嫌そうな表情を浮かべた。

「つくづく苦手なタイプだな。今後ともわたしは奴とは関わりたくはないな」

するとそれを聞いてデルキアが不満顔を浮かべた。

「それはつまり、我らに相手をさせようってことか?」

するとカルラが軽く肩をすくめた。

「別にそうは言っていない。お前たちも関わらなければいいことだ」

「だが、結局は誰かが相手をしなけりゃならないんじゃないのか?お前はそれをわたしたちに押しつけようと思っているんじゃないのか?」

デルキアが珍しく論理的にカルラに詰め寄った。

カルラは意外そうな表情を浮かべながらも、デルキアの心情を考えた。

「……なるほど。デルキアもよほど奴のことが嫌いなようだな?故になんとしても奴の相手をしたくないと思っているわけだ?」

するとデルキアが素直に大きくうなずいた。

「そうだ。わたしもあいつは反吐が出るほど嫌いだからな。もう二度と奴の相手はごめんだぞ」

デルキアはそう言うと、傍らのカリンを眺めた。

カリンはすぐさま仏頂面を作り、デルキアに対して反論したのだった。

「わたしだってごめんよ。あんな奴の相手なんてね。だからカルラの言うとおり、全員関わらなければいいのよ」

するとすかさずデルキアが反駁した。

「だが、誰かが相手しなきゃならないんじゃないのか?」

するとカリンが軽く鼻をフンと鳴らした。

「そんな必要ないわよ。あいつが出てきたら、皆で異空間に逃げちゃえばいいのよ。それであいつの時間切れを待てばいいってわけ」

カリンはそう言うと可愛らしい笑みを浮かべたのであった。