Reincarnation Monarch

Episode One Thousand Two Hundred and Fifty-Five: During the Battle

カリンの表情と言葉に、ガイウスの身体がぶるっと震えた。

「……え~と~……それは一体どういう意味で?……」

ガイウスがなんとか絞り出すように問いかけると、カリンがニコッと可愛らしくも不気味に笑った。

「意味も何もないわ。そのままの意味よ」

「……え~と~そのままの意味っていうのがわからないんですけど……」

ガイウスが重ねて問うも、カリンはニコッと微笑むだけで答えようとはしなかった。

「……え~と~、そのう~……」

カリンの微笑みにびびり倒したガイウスが言葉をあぐねていると、カルラが助け舟を出すかの如く口を挟んだ。

「まあ、その辺にしてやれ。ガイウスも多少はお前の怖さが判ったようだしな」

するとようやくカリンが言葉を発した。

「そうね。じゃあこの辺にしましょ」

カリンは再び可愛らしい笑顔でそう言うと、スタスタと先を歩いて行った。

残されたガイウスは、カリンの笑顔がこれまでの可愛らしいものとは思えず、とても恐ろしいものに感じて動けなかった。

そしてガイウスは、カリンの醸し出すそこはかとない恐ろしさに、再び身体を震わせたのだった。

するとそれを見てカルラが苦笑交じりに声を掛けた。

「お前、ずいぶんとカリンを甘く見ていたな?」

するとガイウスがあっさりと認めた。

「……うん。正直……」

「やはりそうか。だがようやくわかったようだな?あれの怖さが」

「……そうだね。でも……」

ガイウスがカリンに対する恐れからか言い淀んだ。

だがカルラはうなずくことで、ガイウスに対して先を促したのだった。

「……もしかしてカリンってさっきの戦いだけじゃなく、今まで一度も俺の前じゃ本気を出していない?」

するとカルラがコクンと小首を垂れた。

「その通りだ。そしてそれは、デルキアも同じだ」

するとガイウスの目が少し大きくなった。

「……なるほどね。そうなのか……」

「ああ、そうだ。彼女らは怒りにまかせて本気を出したりはしない。そんなことをすればいざという時に力を発揮できないからな」

「……それはどういうこと?」

カルラの言葉の意味を計りかね、ガイウスが問いかけた。

するとカルラが首を軽く横に倒し、両手を腰に置きながら静かな口調で言ったのだった。

「彼女たちは何があろうと本気は出さない。出してしまうと力が減るからだ。つまりな、彼女たちは常に力を溜め込んでいるんだよ」

「……力を溜め込んでいる……」

「そうだ。長い年月を掛け、じっくりとじっくりと……な」

「それってもしかして……」

ガイウスが或る事に気付き、カルラに問うた。

するとカルラがニヤリと笑い、厳かな雰囲気を醸しながら言ったのだった。

「そうさ。彼女たちが本気を出すのは、来たるべき神との戦いの時なのさ」