Reincarnation Monarch

Episode One Thousand Four Hundred and Eighty-Five: Instructions

「そうか……知らぬか……」

カルラがなお探るような視線をイリスに送りつつ言った。

すると、つとイリスが視線をガイウスへと移した。

「で、その娘は今どこにおるのか?」

ガイウスは突然の問いに、一瞬何のことかわからなくなったものの、すぐにユリアのことだと思い、答えた。

「……ああ、ユリアのことか……ユリアは俺の家の近くに住んでいるよ。だけどそれが何か?」

「興味があるわ。会ってみたくなったわね」

イリスの回答は、ガイウスたちにとって驚くべきものであった。

「えっ!マジ!?」

ガイウスが反射的に問いかけた。

イリスは口の端を上げて言った。

「ええ。このわたくしに似ている人間とは、一体どの様な者なのか、とても興味が湧いたわ」

「いや、だけど……その……」

何やら慌てふためくガイウスに、イリスがさらに口角を上げて言った。

「何か不都合でもあるのかしら?」

イリスの問いに、ガイウスに替わってカルラが答えた。

「会ってどうするつもりか?」

イリスはゆっくりと首を巡らし、カルラに答えた。

「さあ。それはその時考えればいいことよ」

カルラはガイウスと顔を見合わせた。

そして互いにアイコンタクトでどうするかを問いかけた。

ガイウスは首を横に倒し、心底困ったような顔となった。

カルラは顎を少し引き、眉間に深い皺を作ってガイウスを凝視した。

そしてようやくカルラが口を開いたのだった。

「彼女に……ユリアに危害を加えないと約束してもらえるか?」

するとイリスがほんのわずか首を横に傾けた。

「へえ……このわたくしに指図するつもりなの?」

「指図ではない。頼みだ」

「頼み……ね。まあいいわ。人間一人などどうということもないし。危害は加えないと約束してあげるわ」

「それは助かる。では……ガイウス」

カルラに振られ、ガイウスが答えた。

「ああ、じゃあ……今すぐに行く?」

ガイウスの問いにイリスが笑みを浮かべて答えた。

「当然」

イリスはゆっくりと静かに棺の上に立ち上がった。

ガイウスたちは少し見上げるようにしてイリスを見た。

イリスはゆっくりと首を垂らしてガイウスたちを睥睨した。

「お前たち、空くらいは飛べるのでしょうね?」

イリスの下問にカルラが答えた。

「ああ。飛べる」

「では案内してもらおうかしら」

イリスに言われ、二人はすぐさまフワッと浮き上がった。

そしてカルラと顔を見合わせたガイウスは、覚悟を決めて空高く舞い上がるのであった。