Reincarnation Monarch
Episode one thousand five hundred and sixty-five, copy.
「……本物じゃないよな?……たぶん……」
ガイウスは相手が相手だけに、警戒を強めて一旦中空に止まった。
するとエルが追いついた。
「ふむ……千年竜(サウザンド・ドラゴン)か……」
「本物じゃないよね?偽物だよね?」
するとエルが鼻でせせら笑った。
「なんじゃ?ビビっておるのか?」
するとガイウスがムキになって言い返した。
「そりゃ多少はビビるだろ?千年竜(サウザンド・ドラゴン)だぜ?」
「ほう~、お前でもビビるか?おもしろいの~?」
「いや、ビビるっていっても多少だって言ってるだろ?完全にビビり倒しているわけじゃないさ」
エルが楽しそうにニヤニヤと笑いながら言った。
「そうか、そうか。情けないの~」
「うるっさい!倒せばいいんだろ?倒せば?」
するとエルが疑いの眼差しをガイウスへと送った。
「ほう~、倒せるのか~?相手は地上最強の生物だぞ?」
「やれるさ。見てろ!」
するとエルが大笑いした。
「まあ待て。そんなに気負わなくても、お前なら倒せる」
「何だよそれ?気休めか?」
「そうではない。お前が先程言ったであろう?」
「何?俺が何だって?」
するとエルが眼光鋭く、迫り来る千年竜(サウザンド・ドラゴン)を捉えながら言った。
「あれは偽物じゃ。劣化コピーじゃな」
「やっぱり!だったら最初からそう言えよな?」
「ふん、それでは面白みというものがないではないか」
「遊ぶんじゃないよ。まったく……まあいいや、じゃあ行ってくるよ」
ガイウスはそう言うと爆発的に飛び出し、千年竜(サウザンド・ドラゴン)へと突っ込んでいった。
ガイウスは飛行しながらその全身に炎を纏った。
そして真っ赤なほうき星となって、千年竜(サウザンド・ドラゴン)と激突した。
深紅の輝きと銀の煌めきが青空の下、中空で激しく衝突し、あたりにパーッと火花が散った。
だが赤と銀の輝きはどちらも衰えるどころか、いや増して盛んに激しく燦めいた。
エルはそのまばゆい輝きを遠くから眺め、ほんのわずか不安な表情を浮かべた。
「……一撃では倒せんか……まさか……本物ではあるまいな?……いや、そんなはずはあるまい。だが……そもそもどうやって千年竜(サウザンド・ドラゴン)のコピーを作れたのじゃろうか?……」
エルはそう呟くと決然とした表情となり、ガイウス目掛けて爆発的に飛翔したのだった。