Reincarnation Monarch

Episode One Thousand Six Hundred Twenty-two: The Waste

「……封印か……」

イリスが目を細めて言った。

「ああ。神が封印したんだよね?それってもしかして、ルキフェル?」

「そうだ。封印をしたのは、ルキフェルだ」

ガイウスは、やっぱりなという表情となった。

「だろうね。でもさ、イリスも神ならその封印解けるんじゃない?」

するとイリスが難しい顔となった。

「……さてな……」

「無理なの?ルキフェルにしか解けないと?」

「わからん。やってみなければな」

するとガイウスが喜色満面となった。

「おお!じゃあやってみようよ」

だがイリスは浮かない顔であった。

その顔を見て、ガイウスが小首を傾げた。

「うん?どうしたの?やってみればわかることなんだから、とりあえずやってみようよ」

だがイリスが首を横に振った。

「そういうことではない」

「じゃあなに?」

「わたくしは悪魔たちと手を組む気などない」

ガイウスは両手を広げて呆れた顔をした。

「なんでよ?ルキフェル倒したいんじゃないの?だったらそれくらいしか方法ないじゃん」

だがイリスは不愉快そうに顔を歪めるのだった。

ガイウスは疲れた顔をしてさらに言った。

「ねえ、何があったかしらないけどさ、ルキフェルよりも悪魔たちの方が嫌なわけ?」

するとイリスが嫌そうに一言だけ言った。

「どちらも嫌だ」

「わがままな……いや、どっちかって言ったらどっちと手を組むよ?」

「どちらとも組まん」

ガイウスは頬を引き攣らせた。

「……いや、ただの駄々っ子じゃん……あのさあ、どっちかって言われたら、どっちか言いなよ」

「嫌だと言うておる」

「……あのさあ、何でそんなに悪魔たちを嫌うんだよ?それを教えてよ」

だがイリスはそっぽを向いてガイウスを無視した。

ガイウスはさらに頬を引き攣らせるも、ここでくじけては先へ進めないと思い、なんとか気持ちを落ち着かせて改めて問いかけた。

「……頼むよ。教えてよ。何でそんなに嫌いなんだ?」

するとイリスがちらとガイウスを見た。

「……神と悪魔が仲良いわけはあるまい」

「いや、別に仲良くったっていいじゃん。そもそも神は一番偉いんだろ?だったら別に好きにしたらいいじゃん。なんでそんな決まり事に神が従ってんのよ」

するとイリスがいぶかしそうに眉をひそめた。

「……それもそうだな……」