Reincarnation Monarch
Lesson one thousand eight hundred and sixty-six, consciousness.
「おいっ!しっかりしろ!」
バングは、ガイウスの身体を何度も揺さぶった。
だがガイウスの反応はなかった。
バングは周囲の警戒を怠らないよう気を配りつつ、今度はガイウスの頬を軽く打った。
するとガイウスの身体が、かすかに痙攣した。
「おいっ!起きろ!目を覚ませ!」
バングは必死になって、ガイウスを呼び覚まそうと試みた。
すると、
「……う……うぅ……」
ガイウスの口から呻き声が。
バングはガイウスの頬に手を添えながら、再び語りかけた。
「起きろ!意識を取り戻せ!声を出せ!」
するとガイウスの瞼が、わずかに開いた。
と同時に、唇を震わせながら、ゆっくりと声を発したのだった。
「……く……っそ……やられた……」
バングは思わずホッと息を吐いた。
「よし、意識が戻ったようだな。取り敢えずは安心だ」
「……ああ、悪いな……」
ガイウスがさも申し訳なさそうな顔をした。
バングはうなずいた。
「わかっているならそれでいい。どうだ?身体を起こせそうか?」
ガイウスはゆっくりとうなずいた。
「ああ、やってみる」
ガイウスはだいぶ言語明瞭となって言った。
そして身体の節々に耐え難い痛みが生じながらも、なんとか上半身を起こしたのだった。
「いってー……俺の身体じゃないみたいだぜ」
「あれだけの爆発の直撃を受けたんだ。しばらくは痛むぞ」
ガイウスは思わず顔をしかめた。
「だな。俺の治癒魔法じゃとてもじゃないが直せそうにないしな」
するとバングが苦笑した。
「悪いが俺も、治癒魔法は不得意だ」
「だろうね。そんな顔してるよ」
軽口を叩いたガイウスであったが、今自分たちが置かれている状況を思い出し、表情を引き締めた。
「にしても、さっきと違って色々な手を使ってきやがる」
「そうだな。どうやらさまざまな手段を講じてきたようだ」
「さてどうするか……」
ガイウスが考え込んだ。
バングも警戒を怠らないよう、あたりに注意を払いながら考えた。
すると、ガイウスが何事かを思いついたような顔つきとなった。
バングはその顔を見て言った。
「何か思いついたようだな?」
するとガイウスがニヤニヤした顔つきでもって言ったのであった。
「ああ、いいこと思いついちゃった」